いぬくそ看板の向こう側

いぬくそ看板の背景に存在する「人間ドラマ」を紹介するブログです。

フィアットプント その1

2020-08-15 18:30:00 | 背景はクルマ

■諸元
車名:フィアット・プント
駆動方式:FF
エンジン:直列4気筒DOHC16バルブ1.8L 130PS
変速機:5速MT
大きさ:長3820×幅1660×高1480(単位mm)
ホイールベース:2460mm
車重:1100kg

■どんなクルマ?
イタリアの大衆車メーカーが販売していたBセグメントコンパクトカー。フィアットの代名詞とも言える500やパンダの1ランク大きいクルマである。パンダや500よりも大きいため、2人以上の乗車に耐えて荷物もそれなりに積める。イタリア車でありながら使い勝手も優秀だ。

2018年8月に欧州の車体安全性テスト(ユーロNCAP)に最低点数である0点をだしてしまったために販売が継続されなくなった。


■おら東京さ行ぐだ、のはずが……
静岡で未来を描けなくなった私は、とりあえず職を探すべく東京に出ることにした。静岡から東京方面に頑張って通った甲斐があり、都内で就職先が決まった。

めでたいのだが、問題は住まいだ。当時の低所得では貯蓄などしておらず、職場近くに住むことが叶わない。都内には住めない悔しさは感じつつも、すぐに都外へ住居を求めた。

■東京近郊のいぬくそ看板との邂逅
結局職場からの距離と家賃相場のバランスを見て、住まいは千葉県松戸市に決めた。松戸なら家賃の割に都内に近い。地価が安いからクルマも持ってこれる。幸い、契約した部屋には駐車場がついており、一緒に契約できた。これで引き続き145と生活を共にできる。

とはいえ、クルマでの営業活動が無くなり、電車通勤となったのだから、クルマに乗る機会は一気に減った。まぁ、それを望んでいたからそれで良いんだけど、正直寂しかった。

クルマに乗る機会が減った一方で、徒歩移動が多くなった。寂しさはあったが、今思えば、静岡では気が付かなかった看板の奥深さにも触れることができたので、結果オーライである。

■ある別れ
ひとり暮らしを始めると考えることが多くなる。家族と喋る機会が減るわけなので、当然のことだ。その中でも考えることが多かったのが母親のことだ。

ぼくの母親は当時、がんを患っていた。胃がん、ステージ2。外科手術を受けて無事寛解に向かっていた。しかし、闘病の心労は並大抵のものではなかったようで、落ち込む事が多かったように思う。

ひとりで気楽にドライブや散歩を楽しんでいたのだが、いつも心のどこかに母親を思う気持ちがあったのかもしれない。この気持が最終的に145を手放し、今のフィアットプントに繋がっていくのである。


(つづく)



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