7月26日(木)
昨日は、二場の途中で終わりましたので、今日は、残りの二場と三場を完成させます。
「老人パワー」
春子皆の話に加わる。
春子 (夫に)何のお話?
明夫 例の話を皆にしていたとこ・・・皆さん賛成して下さったよ。
春子 良かった・・・所で、この話面白いでしょう。
正男 ええ、まあ、所で何処を狙うんですか?
明夫 それをこれから皆で決めましょう。
義男 やっぱり銀行ですかね・・・銀行には何時も金が唸っていますからね。
忠志 銀行は、セキュウリティーがしっかりしていて、相当準備と時間が掛かるんではないかな。
正男 そうですね。私が知ってる銀行の金庫は、素人の我々に開けるのは無理だと思いますね。
義男 銀行がダメなら、我々が狙えるところはどこですかね!
忠志 パチンコ屋が、強盗に入られたというニュースを良く聞きますね。
義男 パチンコ屋かあ、俺の仕事場だけど、そりゃあいいや。
正男 パチンコ屋は、儲かっていると聞きますから、いいじゃあないですか。
明夫 パチンコ屋は、閉店後には、店には現金を置いていません。
正男 えっ、そうなんですか・・・
明夫 まあ・・・そこで私は、町金融を狙うのがいいと思うんですが、皆さん如何ですか?
春子 (小声で)私たちをいじめている金貸しに仕返しをしてやるのよ。
忠志 町金融なら何時も金庫に金を置いているでしょうから、いいと思いますね。
明夫 町金にターゲットを絞りたいと思いますが、よろしいですか?
正男 ええ、賛成です。町金を狙うのは弱い者いじめを懲らしめると言う点でも一挙両得ですよ。
忠志 我々は、金を取るのが目的ではなく世間をあっと言わせるのが目的ですから、ここは一つ高利貸しを
懲らしめてやりましょう。
明夫 では、皆さんの意見が一致しましたので、町金の「サンライズ金融」をターゲットといたします。
義男 えっ、なあんだ、山田さんは初めから決めてたんだ。
正男 まあ、いいじゃないですか?
義男 ええ、俺には異存はありません。
春子 サンライズの社長の泣きっ面が目に浮かぶは・・・
義男 奥さん、サンライズに恨みでも・・・
春子 ええ、いっぱい・・・
春子は、天を仰いで沈黙した。
明夫 それじゃあ、金庫破りの手順と役割分担について検討しましょう。
義男 金庫は、誰が、どうして明けるんですか?
明夫 それは、私にお任せ下さい。
義男 えっ、山田さん、金庫破りの経験があるんですか?
春子 金庫破りの経験なんてありませんが、家の人は、鍵と金庫を作って来たその道のプロなんですのよ。
この人なら、どんな金庫でも開けられますわ。
三人 それは凄い・・・
明夫 車が要りますが、誰か車を調達できますか?
忠志 車なら、自分に任せてください。なんならパトカーを用意しましょうか?
正男 パトカーが用意できるんですか?
忠志 まあ、任せてください・・・制服も用意しますか?
明夫 凄い!完璧です。
忠志 了解しました。
明夫 セキュリティー関係はどうしますか?
義男 はいっ・・・それは俺の担当。以前警備の仕事をやったことがありますから・・・お手のものです。
正男 私以外は、それぞれ特技が生かせますね。
明夫 田中さんにもちゃんと役割はありますから・・・
正男 ええ、解っています。
明夫 では、当日の手順を確認します。当日は、夜中の十二時にここを出ます。
そうすると現場には十二時半には到着します。
車は、すぐ出せるようにキイはそのまま付けておいてください。
川上さんは、セキュリティーについて、我々の安全を確保してください。
斉藤さんは、警官の制服姿で、仕事が終わるまで警備員を引きつけておいてください。
私と田中さんが、中に入り私が金庫を開けます。作業は、五~六分で終わります・・・
宜しいですか?
三人 解りました。
春子 私は、何をすればいいの?
明夫 君には、明美さんと留守番を頼みたいんだが。
春子 留守番はいや!仲間外れにしないで!
明美 明美も行く・・・行く・・・明美、行く・・・
明夫 どうします。
義男 ここにいる者は、一覧托生ですから、この際皆でやりましょう。
明夫 皆さんが、それでよろしいなら、私は構いませんが・・・
正男 明美を一人で置いて行くのは心配ですから、明美も一緒に連れて行って下さい。
明夫 よし、みんなで行こう・・・明美さんのことは、春子に任せるが、いいか?
春子 ええ、明美さんのことは任せて・・・
明夫 何か他に忘れていることは有りませんか?
忠志 ないと思います。(正男、義男に)ねえ?・・・
正男、義男 OKです。
明夫 では、決行は、明日という事でいいでしょうか?
四人 異議なし。
正男 (明夫に)お主も悪よのー
一同大笑い。
明夫 では、健闘を祈ります。
明美 礼ちゃん、礼ちゃん、あたいも行くの・・・
幕
三場
サンライズ金融の前、明夫を先頭に正男、義男、忠志、春子、明美が一列に並んで入ってくる。
忠志は、警察官の制服を着ている。
軽快な音楽、明夫は、その音楽に合わせて踊リながら行進している。
正男たちも明夫に合わせて、踊りながら後に続く。
明美だけは、何か物ブツブツ言いながら、みんなから少しづつ遅れている。
二周半した後、音楽が止むと明夫が立ち止り皆を振り返る。そして、それぞれに指示を出す。
明夫 斉藤さん、向こうの警備員を引きつけておいてください。
忠志 了解・・・
忠志、下手に入っていく。
明夫 川上さんは、セキュウリティーの解除をお願いします。
義男 解りました。
義男、上手に去っていく。
明夫 春子、明美さんを頼む。
春子 解りました・・・明美さん、さあこちらにいらっしゃい。
明美 礼ちゃん、遊ぼ・・・
明美は、春子に手を取られて舞台の上手袖に移動する。
春子 さあ、お手玉しましょうね。
春子は、持ってきたお手玉を取り出し、明美と遊ぶ。
正男 川上さん、大丈夫でしょうか?
明夫 大丈夫ですよ。待ちましょう・・・
明美 礼ちゃん、お腹すいたよ・・・めし、めし・・・
明美、お手玉をほーリ投げて、大声で・・・
春子 しい、静かにして頂戴。
正男 し、静かに・・・奥さん、このパンをあげてください。
正男、バックからパンを取り出し春子に渡す。
春子 解りました。
その時、義男上手から出てくる。
義男 山田さん、終わりました。完璧です。
明夫 ご苦労さん・・・義男さんは、引き続きここで見張りをお願いします。
さあ、田中さん、一緒に来て下さい。
正男 OKです。
明夫は、舞台奥の扉を開けて中に入る。正男も明夫に続いて部屋に入る。
明夫 正男さん、どうも気が散って集中できません。向こうの部屋で待っていて頂けませんか?
正男 解りました。向こうで待っています。
正男、明夫のそばを離れる。
明美 礼ちゃん、来たの・・・来たよ。
春子 明美さん、静かにしていましょうね。
明美 礼ちゃん、おんぶ、おんぶして・・・
春子 はい、はい、わかりました・・・さあ、おんぶしましょうね。
明夫 皆さん、終わりました。この通りです。
明夫、金のはいった袋を高々と開けて、みんなの方へやってくる。
明夫 では、ここを早く立ち去りましょう。斉藤さんを呼んできてください。
義男 俺が、呼んできます。
明美 礼ちゃん、礼ちゃん、やった・・・
義男、下手へ去る。
後の明夫たちは、上手へ去っていく。
義男と忠志が、下手より出てくる。
義男 斉藤さん、うまくいきましたよ。
忠志 うおー
忠志、両手を突き出しガッツポーズをしながら、義男とともに下手へ去る。
幕
昨日は、二場の途中で終わりましたので、今日は、残りの二場と三場を完成させます。
「老人パワー」
春子皆の話に加わる。
春子 (夫に)何のお話?
明夫 例の話を皆にしていたとこ・・・皆さん賛成して下さったよ。
春子 良かった・・・所で、この話面白いでしょう。
正男 ええ、まあ、所で何処を狙うんですか?
明夫 それをこれから皆で決めましょう。
義男 やっぱり銀行ですかね・・・銀行には何時も金が唸っていますからね。
忠志 銀行は、セキュウリティーがしっかりしていて、相当準備と時間が掛かるんではないかな。
正男 そうですね。私が知ってる銀行の金庫は、素人の我々に開けるのは無理だと思いますね。
義男 銀行がダメなら、我々が狙えるところはどこですかね!
忠志 パチンコ屋が、強盗に入られたというニュースを良く聞きますね。
義男 パチンコ屋かあ、俺の仕事場だけど、そりゃあいいや。
正男 パチンコ屋は、儲かっていると聞きますから、いいじゃあないですか。
明夫 パチンコ屋は、閉店後には、店には現金を置いていません。
正男 えっ、そうなんですか・・・
明夫 まあ・・・そこで私は、町金融を狙うのがいいと思うんですが、皆さん如何ですか?
春子 (小声で)私たちをいじめている金貸しに仕返しをしてやるのよ。
忠志 町金融なら何時も金庫に金を置いているでしょうから、いいと思いますね。
明夫 町金にターゲットを絞りたいと思いますが、よろしいですか?
正男 ええ、賛成です。町金を狙うのは弱い者いじめを懲らしめると言う点でも一挙両得ですよ。
忠志 我々は、金を取るのが目的ではなく世間をあっと言わせるのが目的ですから、ここは一つ高利貸しを
懲らしめてやりましょう。
明夫 では、皆さんの意見が一致しましたので、町金の「サンライズ金融」をターゲットといたします。
義男 えっ、なあんだ、山田さんは初めから決めてたんだ。
正男 まあ、いいじゃないですか?
義男 ええ、俺には異存はありません。
春子 サンライズの社長の泣きっ面が目に浮かぶは・・・
義男 奥さん、サンライズに恨みでも・・・
春子 ええ、いっぱい・・・
春子は、天を仰いで沈黙した。
明夫 それじゃあ、金庫破りの手順と役割分担について検討しましょう。
義男 金庫は、誰が、どうして明けるんですか?
明夫 それは、私にお任せ下さい。
義男 えっ、山田さん、金庫破りの経験があるんですか?
春子 金庫破りの経験なんてありませんが、家の人は、鍵と金庫を作って来たその道のプロなんですのよ。
この人なら、どんな金庫でも開けられますわ。
三人 それは凄い・・・
明夫 車が要りますが、誰か車を調達できますか?
忠志 車なら、自分に任せてください。なんならパトカーを用意しましょうか?
正男 パトカーが用意できるんですか?
忠志 まあ、任せてください・・・制服も用意しますか?
明夫 凄い!完璧です。
忠志 了解しました。
明夫 セキュリティー関係はどうしますか?
義男 はいっ・・・それは俺の担当。以前警備の仕事をやったことがありますから・・・お手のものです。
正男 私以外は、それぞれ特技が生かせますね。
明夫 田中さんにもちゃんと役割はありますから・・・
正男 ええ、解っています。
明夫 では、当日の手順を確認します。当日は、夜中の十二時にここを出ます。
そうすると現場には十二時半には到着します。
車は、すぐ出せるようにキイはそのまま付けておいてください。
川上さんは、セキュリティーについて、我々の安全を確保してください。
斉藤さんは、警官の制服姿で、仕事が終わるまで警備員を引きつけておいてください。
私と田中さんが、中に入り私が金庫を開けます。作業は、五~六分で終わります・・・
宜しいですか?
三人 解りました。
春子 私は、何をすればいいの?
明夫 君には、明美さんと留守番を頼みたいんだが。
春子 留守番はいや!仲間外れにしないで!
明美 明美も行く・・・行く・・・明美、行く・・・
明夫 どうします。
義男 ここにいる者は、一覧托生ですから、この際皆でやりましょう。
明夫 皆さんが、それでよろしいなら、私は構いませんが・・・
正男 明美を一人で置いて行くのは心配ですから、明美も一緒に連れて行って下さい。
明夫 よし、みんなで行こう・・・明美さんのことは、春子に任せるが、いいか?
春子 ええ、明美さんのことは任せて・・・
明夫 何か他に忘れていることは有りませんか?
忠志 ないと思います。(正男、義男に)ねえ?・・・
正男、義男 OKです。
明夫 では、決行は、明日という事でいいでしょうか?
四人 異議なし。
正男 (明夫に)お主も悪よのー
一同大笑い。
明夫 では、健闘を祈ります。
明美 礼ちゃん、礼ちゃん、あたいも行くの・・・
幕
三場
サンライズ金融の前、明夫を先頭に正男、義男、忠志、春子、明美が一列に並んで入ってくる。
忠志は、警察官の制服を着ている。
軽快な音楽、明夫は、その音楽に合わせて踊リながら行進している。
正男たちも明夫に合わせて、踊りながら後に続く。
明美だけは、何か物ブツブツ言いながら、みんなから少しづつ遅れている。
二周半した後、音楽が止むと明夫が立ち止り皆を振り返る。そして、それぞれに指示を出す。
明夫 斉藤さん、向こうの警備員を引きつけておいてください。
忠志 了解・・・
忠志、下手に入っていく。
明夫 川上さんは、セキュウリティーの解除をお願いします。
義男 解りました。
義男、上手に去っていく。
明夫 春子、明美さんを頼む。
春子 解りました・・・明美さん、さあこちらにいらっしゃい。
明美 礼ちゃん、遊ぼ・・・
明美は、春子に手を取られて舞台の上手袖に移動する。
春子 さあ、お手玉しましょうね。
春子は、持ってきたお手玉を取り出し、明美と遊ぶ。
正男 川上さん、大丈夫でしょうか?
明夫 大丈夫ですよ。待ちましょう・・・
明美 礼ちゃん、お腹すいたよ・・・めし、めし・・・
明美、お手玉をほーリ投げて、大声で・・・
春子 しい、静かにして頂戴。
正男 し、静かに・・・奥さん、このパンをあげてください。
正男、バックからパンを取り出し春子に渡す。
春子 解りました。
その時、義男上手から出てくる。
義男 山田さん、終わりました。完璧です。
明夫 ご苦労さん・・・義男さんは、引き続きここで見張りをお願いします。
さあ、田中さん、一緒に来て下さい。
正男 OKです。
明夫は、舞台奥の扉を開けて中に入る。正男も明夫に続いて部屋に入る。
明夫 正男さん、どうも気が散って集中できません。向こうの部屋で待っていて頂けませんか?
正男 解りました。向こうで待っています。
正男、明夫のそばを離れる。
明美 礼ちゃん、来たの・・・来たよ。
春子 明美さん、静かにしていましょうね。
明美 礼ちゃん、おんぶ、おんぶして・・・
春子 はい、はい、わかりました・・・さあ、おんぶしましょうね。
明夫 皆さん、終わりました。この通りです。
明夫、金のはいった袋を高々と開けて、みんなの方へやってくる。
明夫 では、ここを早く立ち去りましょう。斉藤さんを呼んできてください。
義男 俺が、呼んできます。
明美 礼ちゃん、礼ちゃん、やった・・・
義男、下手へ去る。
後の明夫たちは、上手へ去っていく。
義男と忠志が、下手より出てくる。
義男 斉藤さん、うまくいきましたよ。
忠志 うおー
忠志、両手を突き出しガッツポーズをしながら、義男とともに下手へ去る。
幕