大半の産地は9月から10月の収穫になります。
各地で米の買取価格や農協(全農)による仮渡金の金額なども決まりつつあります。
今日は「仮渡金」と「流通経費」について考えてみたいと思います。
小生は過去に何度も書いているし指摘もしていますが、現状の米生産販売はもはや農協(全農)はマイナーです。
今朝(9月5日)の日経にも書かれていますが、主食用米生産800万トンのうち全農集荷は267万トン(2011年)(単位農協直売分除く)にしか過ぎない。
2012年は300万トン集荷を目標にしているそうだ。
そのこともあり、秋に支払う「仮渡金」を大幅に引き上げた。
仮渡金は「前払い金」とも呼ぶ。
こちらの方が言い方としては正しい。
生産者に金払うがあくまで仮渡金です。
その証拠に生産者から「仮渡金金利」というものを徴収している。
仮渡金とはそういう性格のものです。
新潟でコピーしてもらった一枚の紙があります。
なんと、回覧で回ってきたという。
まぁ、その地域では大半が農協組合員ということなのでしょう。
回覧なので秘密のものではないでしょうから下記に一部紹介します。↓
JA米1等 うるち米 コシヒカリ 単位:円/60kg(税込)
全農手数料 118円
仮渡金金利 80円
保管料・入出庫料 470円
運賃 380円
安全安心等検査費用 10円
集約保管等経費 100円
広告宣伝費等経費 100円
事故処理費用 1円
監査委員会費用 1円
その他 2円
JA手数料 567円
精米加工費 20円
合計 1,849円
(注)
1.平成23年産仮精算時の経費水準を基本に設定しています。
2.全農手数料は137円/60kg個(定額)ですが、JAが直売する分を控除した平均見込単価です。
3.精米加工費はJAが直接精米販売に要する搗精料や包装料など60kg個当たりの平均見込経費です。
↑こういう内容です。
このことを、
「共同計算における流通経費」
と言います。
仮渡金金利という意味はおわかりですね。
保管料・入出庫料470円
集約保管経費100円
広告宣伝等経費100円
パンレットやテレビ宣伝など広告費もすべて生産者から割掛けで徴収していることになります。
割り算なので分母が小さくなると全体金額(農協・全農の取り分)が減ってしまう。
仮渡金(税込)を前年より大幅に引き上げた。
北海道きらら397、ななつぼし 13000円
富山コシヒカリ 14000円
滋賀コシヒカリ 14300円!
栃木コシヒカリ 14000円
新潟コシヒカリ 15500円
魚沼コシヒカリ 19000円
仮渡金から前述の経費が差引されます。
そして、翌年か「いつか」実際に販売できた「結果金額」から最終清算されます。
これじゃ、米生産で生活する専業農家というか主業農家というか農業経営者はJA離れするのはしごく当然のことですね。
いくらで売れるか分からない。
それでは経営出来ません。
計画が立てられません。
全農に集まるコメは主業農家の米は少ないことがこれで分かりますね。
不思議な世界です。
兼業農家の互助会と理解すれば良いかな。
小生の会社と取引させていただいている農場はほとんどJAには出荷していません。
当然と言えば当然ですが。
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