日本国内の小さな話しでありますが。
主食用の米生産は生産面積を管理しているのでおおよそ生産量も分かっている。
大凶作か大豊作で大きくぶれない限り数量もそんなに変わらない。
ただ、穀物の場合は5%少ない多いで相場は大きく変わる性質がある。
2010年(H22年)産から農業者に対する戸別所得補償制度が始まった。
この年の相場は下落。
それを補うカタチで所得補償があった。
基準相場を下回った時は条件満たしていれば価格下落の8割は更に補てんがある。
そもそも、
農業者に対する直接所得補償を行う精神は、
価格はマーケットに任せ、
農業で生活している主業農家に対して直接所得補償を行う。
特に米の場合は機械化が進み手間が掛からない。
価格が下落すれば採算合わないので機械投資出来ないので農地が主業農家やグループに集まるだろうという目論見でありました。
ところが、
実際は価格の下支えも行い所得補償も行うことになった。
2011年(H23年)
2012年(H24年)
米相場は上昇しました。
小生はこのブログでも書いていますが、
米の価格はどこで決まる?
米の価格は誰が決める?
現実は秋に出る農協の概算金が基本になっていることが分かります。
その概算金に対して低い高いとなってしまうからです。
主食用米は玄米換算でおよそ800万トンですが、農協系が集める米は300万トンにも満たない。
変ですね。
おかしいですね。
2010年産米が安かったので業務米や小売価格の相場が決まりました。
2011年、2012年と相場はなぜか上昇。
要するに概算金を引き上げたからです。
需要が強いからというわけではありません。
日本の米はほぼ一年一作。
一年過ぎると古米になります。
古米になると価値が下がるのが今までの常識。
売れ行き良い産地と売れ行き悪い産地が出ます。
春を過ぎると相場に変動が出ます。
2012年の場合は6月以降に玄米相場上昇。
今年、2013年は6月に暴落しました。
同じようなことしているのになぜ変わるのでしょうか?
それは、
市場原理が働かない仕掛けがあるからだと小生は見ています。
米の現物を売りが立たない中で大量に持ったらどうなるか?
2012年の例であれば大儲け。
2013年の場合は大損。
大損した商社が出ました。
「売り」が決まっていない、「売り」が立っていない中で現物を持つ怖さ。
契約をキャンセルする。
キャンセル料を払えば出来るのだそうです。
小生にはよく理解できない。
キャンセルされた方はどうなるのか?
キャンセル料をもらったとしても現物が残ります。
もうすぐ2014年産が出回ります。
前年産の米は価値が下がります。
出口が詰まる
そういう表現になるかな。
2014年の相場にどう影響するのでしょうか?
年間の需要はほぼ決まっています。
持越し在庫が増えるということは2014年産の売れ行きが悪くなることを意味しています。
常識を変えないといけない!
しっかり温度管理された玄米は前年産であっても品質・食味はなんの問題もありません。
相場が安くなれば「買い」は入ります。
ただし、2014年産が2013年産より大幅に安くなればそれより下げなくてはならないので在庫持っているところは大損になる。
ただし、一般的な誤解を解いておかねばなりません。
農協に出した米というのは買取契約のものは別として一般的には「全面販売委託契約」です。
概算金は概算金であり、実際に売れた金額から経費を引いて生産者に2年掛かりくらいで精算されます。
ここにからくりがあるので販売委託した生産者はいったい1俵いくらになったのかはよく分かりません。
下げて売っても最終的には販売委託した生産者に精算するので系統が損するわけではありません。
格言
「相場で儲けようとすれば相場で損する」
この3年、米卸、米屋は相場に翻弄されました。
そこに2011年3月11日の大震災、津波、そして原発事故が襲いました。
米が売れる産地が動いたのです。
従来の信用取引が音を立てて崩壊しました。
新たに引き合いが生まれた産地。
敬遠された産地。
それらが混合し相場も乱高下したのです。
巻き込まれないようにしましょう。
小生の会社ではこれらのことを踏まえて新しい発想のビジネスプランが生まれました。
昨日はその打ち合わせをしました。
期限を決めて取り組む。
不便、不満、不足など「不」のつくところにビジネスチャンスがあります。
そう考えたらワクワクドキドキします。
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