市川稔の米(マイ)情報

農業改革への疑問

業界関連の話しで恐縮ですが。


あまり声を上げて来ませんでしたが、意見を言わせていただきます。


政府、与党は「農業者の所得向上」を目指して。

これ自体は悪いわけではありません。


肥料・農薬を安く出来ないか。

農業機械を安く出来ないか。


肥料については、数百種類あるものを、数種類に集約してコストダウン図るとか。

農業機械はメーカーの方針でもあるので、政府がどうのこうのと言っても。

農業機械購入はたいていの場合、補助金がらみで注文することが多い。

メーカー希望小売価格に対して何割の補助とか。

ここに問題が潜んでいると思う。


お米については、需要が毎年減り続け、生産・供給をそれに合わせて減らさなければ余剰になる。

約半世紀、減反政策に取り組んで来たが、どれも成功しなかった。


飼料用米生産に多額の交付金を出して、初めて減反政策が成功した。


主食用米生産で得られる10aあたりの収入に近い金額を交付金という形で支払う。

いろいろ制約はあるが、他の作物作るより、田んぼでは米つくりが一番だし、農業機械もそのまま活用出来る。


その結果、


マーケットが求める比較的単価の低い米の生産が減り、高単価のお米作りが増える傾向にある。

需給のミスマッチが発生している。



鶏卵、食用鶏、豚、牛などのエサに飼料米を与える。


弊社の取引先の新潟の生産者が言っておりました。

人間用に作っている、特別栽培コシヒカリと同じ作りのものをエサ米として出荷している。

鶏さんは、新米特栽コシヒカリをエサとして食べているのだ。


一方、牛丼チェーンの一部では、米の値上がりでフードコスト抑えるために、アメリカ産のお米をブレンドしたりして使用している。

大手給食会社でもアメリカ米ブレンド使用しているところもあると聞く。


これって、普通に考えておかしいと思いませんか?


多額の税金を投入して「エサ米」を作り、人間は輸入米を一部ですが食べている。


又、


全農改革とか言って、


組合員農家の手取りを増やすために、お米を米卸とか経由せず、小売、外食、中食企業などに直売せよと。


米卸の数が多く、発言力が弱く、効率が悪いとか。


そんなことは、


経営が成り立たない米卸は市場から撤退を余儀なくされ、政府から言われる筋合いのものではない。


全農が直販すれば、農家手取りが増えるなんて幻想。


実態が全然分かっていない。


米専業農家はどんどん規模拡大中でありまして。


そういう大きな農家は農協や全農を頼りにしていません。


ほとんど、自ら販売先を見つけています。


弊社は、そういう農家と直接取引で「共創」の精神で取り組んでいます。


又、農協は全農に販売委託するより、商社や米卸などと直に契約して、作り方、品種、取引条件など決めています。



小生に云わせれば、



「全農外し」


でありまして。



政府が云っていることはピントが外れています。




重要なことは、需要を創れるかどうか。



入口の議論ではなく、出口の議論の方が大事なんです。



そして、



民間人は「生産性向上」をどうやれば出来るか死ぬほど考えるのです。


お上を見ていてはいけません。




農業競争力強化支援法 概要

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