テレビの取材はかなり経験ありますが生番組は初めての体験でした。
途中、ニュース天気予報の時間15分ほどの休憩ありますが番組放送中はほとんど討論会に参加していることになるので気持ちを張り詰めている。
いわゆる緊張状態にあるわけです。
スタジオには携帯電話はおろか、メモ、資料、パソコンなど持込禁止。
番組終了後からケータイへメールが、パソコンにもメールメール。
翌日には電話もたくさんいただきました。
いろいろなご意見をいただきました。
知り合いがテレビに出ているのは不思議な感覚がありますからね。
この場を借りてお礼申し上げます。
さて、肝心の番組内容ですが皆さんどのように思われたでしょうか?
わたしは当日朝のブログに「番組とはある意図を持って制作される」と書きました。
NHKとしては、国民の皆さんに「日本の食」のこと「自給率低下のこと」「主食の座があやうくなった米のこと」それらを考えて欲しいという問題提起型の番組にしたいということでした。
具体的には、
食料自給率が40パーセント切る中、コメを含めた農産物の輸入自由化をさらに進めていくべきなのか。それとも国内農業を保護するために自由化に歯止めをかけるべきなのか。
このような分け方をしていました。
これを基本に問題の設問を作ったようで二択、あるいは三択でも単純に選ぶ、分けるというものは困りました。
たとえば、
農業と工業 どちらを大切にすべきだと思いますか?
あなたは、海外のコメをもっと受け入れるべきだと思いますか?
私たちがコメを食べなくなっていることをどう思いますか?
そんな具合です。
スタジオに呼ばれたのは生産者、消費者、流通関係、主婦、学生など44名。
この44名が当番組の主役だとリハーサルの際に強調しておりました。
そしてゲストが5名。
やはり、司会の三宅アナウンサーの力量はすごいものだと感心しました。
すべての人に話してもらうよう配慮していましたし実現しました。
あのような番組は司会者の力量で大きく左右します。
発言時間は1回に30秒程度でまとめて欲しいと言われていました。
小生はマジメに守ったつもり(仲間からはもっと長く話せばよかったのにと言われた)
番組の趣旨である「食」「食料自給率」「コメ消費減退のこと」「農業の大事さ」「農業を守るべきかどうか」それらのことは一応視聴者には問題提起できたかと思います。
そこで、小生は一計を案じました。
話す内容は一点に絞ろうと・・・。
前提ですが、
日本農業はGDPの1パーセントに過ぎません。
農業人口は40年で四分の一以下になり、食料自給率は7割以上であったものが39パーセントに落ちたのです。
コメは30年以上前から過剰生産です。生産調整をしていますがうまくいきません。
コメ消費が減り続けていることも大きな要因です。
しかしコメを作りたがるのも大きい原因でしょう。
なぜ他の生産物を作らないでコメを作るのか?
理由は簡単です。
コメ作りに日本の風土は適していることはもちろんですが、コメ作りが一番作りやすく儲かったからです。
儲かるという意味は価格維持政策を採ってきたからです。
それが崩れてきた。
価格維持政策が失敗したのだと小生は見ています。
07年産米の全農内金ショックがこれに拍車をかけました。
生産者価格玄米60kg1万円を切れば生産費を割る生産者が続出。
現実にこの冬を越せないという専業(主業)生産者がたくさんいます。
20日に来社された青森の生産者も言っていました。
近くのコメ生産者(50haほど)が首つったと・・・。
日本農業は兼業(副業)農家が支えているというけれど、それでは産業になりません。国民に供給するあらゆる農産物を作るというわけにはいかないのです。
兼業農家は豊かになりました。
一般の給与所得世帯より実収入が多かったのです。
しかし、コメ代金1万円を切ればかなりの副業農家は自分で生産することをやめるはずです。(地域ではなかなか辞めないというところもありますが)
コメ価格維持政策が壊れました。
政府は大規模農家に集中して支援する(北海道10ha以上、他4ha)ことを推進し始めました。
大規模化出来ないところは集落営農を推進して欲しいと。
わたしの分析ではどちらも失敗します。
大規模農家に対する支援の仕方が中途半端。
集落営農は経営が成り立たない。
民主党が主張する「すべての販売農家」に所得補償するという政策はもっとひどい結末になります。
わたしの会社で取引させていただいている生産者(農業経営者)はほぼ全員後継者がいます。
なぜいるか?
将来の展望があるからでしょう。
生産規模も40ha、50ha、100haという人もいます。
10ha以下の場合は複合経営していてバランスをとっています。
先進国はどこでも農業には補助金を使って守っています。
それがなければ成り立たないのです。他産業と付加価値比較したら厳しいからです。また、国土保全、食料安全保障の面からも農業を大切にしています。
日本は補助金の使い方を変えるべきだというのが小生の考えです。
ある規模以上の農家に直接所得補償を実施する。
すべての農産物は関税化を受け入れて自由化する。
(関税率100パーセント以上はペナルティを払うようになる)
コメも200パーセント程度で自由化する。
消費者はコメ価格含め安くなる。
(現状は価格で消費者が支えている)
農家は生産物価格が安くとも所得が明確になれば頑張って生産する。
跡継ぎもできる。
そういう考え方をもっていたのでそのことだけを発言しようと決めたのでした。
専門的な話なので分からない人もいたかも知れないがそれでもよいと判断したのでした。
情緒的に農業を守れと言ったところでそれは無理なのです・・・。
当ブログはコメ販売関係の人も多く見てくれています。
仮に上記のようなことになっいたらどうなるか?
コメ会社はほとんど存在しなくなるかも?
農業には政府は支援しますが、商業にはほとんど支援ありません。
抜本的に考える時期でしょうね。
コメント一覧
もりし
市川 稔
杉村 敏夫
市川 稔
たかつか
hiroshi
ポテト親爺
最新の画像もっと見る
最近の「Weblog」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
2004年
人気記事