私は二段なので、四段の方を相手にするときは香落ちの下手を持ちます。自分が負けることの方が多いにもかかわらず、お相手の方々からは苦労すると言われます。
というのも、下手で香落ちを咎めようとする人は珍しいらしく、お相手が普段指している感覚からすれば面食らうみたいです。
確かに、わざわざ香落ちの定跡を調べる人は珍しいでしょうし、定跡を知らなければ咎めるのは難しいでしょう。ちなみに、香落ち定跡は奨励会員の練習向けであって、上手の形の僅かな違いで攻め筋が変わるので、実戦的には下手が勝ちにくいようです。
しかしながら、将棋の知らなかった面に触れることもできるので、今、将棋道場では香落ちが密かなブームとなっています。
今回は、四段のつよつよ常連さんとの対局を振り返ります。香落ちでは上手は飛車を振るのが常道でして、お相手は四間飛車に構えられました。
所司先生によれば、四間飛車に対して下手は矢倉引き角と棒銀が有力らしいです[1]。5七銀左急戦党としてはどちらもやりたくないのですが、棒銀の方がマシですかね。
以下、▲3七銀、△5四銀の交換が入って…。
次は▲2六銀が本筋らしいのですが、仕掛けが生じるとつい敢行してしまいます。▲1五歩、△同歩、▲2四歩、△同歩、▲1五香、△1三歩。
本譜は右銀を捌きたくて次に▲4六銀としましたが、一歩持っているので替えて▲3五歩が明らかに勝りますね。何やってんの。
局面を戻して、有識者によれば、上手が△4三銀と上がった瞬間に軽い仕掛けがあるみたいです。
以下、▲1五歩、△同歩、▲2四歩、△同歩(同角も難解)、▲1五香、△1三歩、▲同香成、△同桂、▲1八飛、△1二飛。
▲1四歩、△2五桂、▲1六飛、△1一香、▲1三歩成、△同飛、▲同飛、△同香、▲2三飛で下手良しとのことです。
なので、上手は3二銀型で待つのが本筋らしいのですが、もし今度の対局でお相手が△4三銀と上がられたら、上述の仕掛けをやってみたいと思います。
【参考文献など】
[1] 所司和晴、「【新装版】駒落ち定跡」、日本将棋連盟、pp. 433, 440、2023年
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます