私は、将棋の練習において、対局後に自分なりの反省点や見解などを文章にまとめるのを重視しております。
以前は自宅のPCで、重要局面をパワーポイント1枚(下図)にまとめていたのですが、書いたことが記憶から薄れやすく、不満を感じておりました。
最近、将棋道場へ新しく通いだした子供がいまして、その子は対局後に自分のノートに何かを書き込んでいました(中身は見ていません。その子のプライバシーですから)。
私は、その子の年齢では学校ですらノートを取らなかっただけに(理由は別のブログで説明)、局面評価を自分なりの言葉で表現しようとする姿勢になおさら感心しました。そこで、その子のやり方を自分も取り入れることにしました。
ノートといっても白紙に9×9マスを手書きするのは大変なので、白紙の局面図がフォームとして用意されているのが好ましいです。そこで、ネットで探していたら以下の商品を見つけました。
株式会社いつつ様は、中倉彰子先生が運営されています。株式会社を設立するハードルは会社法施行で下がったとはいえ、将棋界ではまだまだ珍しいことです。他に知っているのは、株式会社ねこまど様ぐらいです。
中倉先生の代表取締役メッセージ[1]には共感するところが多いです。一部を抜粋させて頂きますと。
私は将棋という世界で生きてきましたが、プロの世界は勝ち負けの世界である一方で、勝ち負け以外にも多くの価値があります。子供達に将棋を伝えていく中で、その価値に気がつきました。(以下略)
同社の将棋ノートにも、中倉先生の上記のお考えが反映されているものと期待して、購入させて頂きました。今はこんな風に使っています(※1)。ノートの効果について私が感じたことは、改めて別のブログで取り上げます。
職場では殆どの文章をPCで作成するので、将棋ぐらいは手書きで文章を書く方が、バランスが取れて良いでしょう。手書きという身体活動が学習に与える効果は、佐藤健二氏の社会学的な考察[2]が分かりやすいと思います。
ただし、手書きしさえすれば良いというものではありません[3]。自分で考える手段として手書きがある訳でして、行為主義を認めることはできません。
(※1)将棋ノートのフォームや構成には著作権が発生する可能性があるので、事前に写真掲載の許可を株式会社いつつ様から頂いております。
【参考文献など】
[1] 「いつつについて|株式会社いつつ」、https://www.i-tsu-tsu.co.jp/about/?_ga=2.113861639.1827194630.1723856921-655802062.1721189510、閲覧日2024年8月17日
[2] 佐藤健二、「論文の書きかた」、ちくま学芸文庫、2024年、pp. 230-233
[3] 石郷岡知子、「高校教師 放課後ノート」、平凡社、1993年、pp. 41-49
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