いたち日記

今治 来島海峡

映画「ダラス・バイヤーズクラブ」を観ました。ネタバレ注意!

2015-06-01 09:09:10 | 映画・本・アニメ
これって2013年11月公開の作品なんですね。全然知らなかった。ただ思うにアカデミー作品賞とった映画は肌に合う合わないは別としてスゲー作品ばっかりだけどアカデミー主演男優賞・女優賞は演技はたしかにすごいんだろうけど作品としてのインパクトはもうちょっとっていう作品もあるしで…。
ほんでもってこの「ダラス・バイヤーズクラブ」はマシュー・マコノヒーが主演男優賞、ジャレッド・レトが助演男優賞を取ってる、もちろんエイズ患者を演じるために超減量しただけで賞を取れるもんじゃないと思うけどこういう重い作品を本気で演じるっていうのは大変なことなんだろうなと感じますです。逆に決して大作ではないこの作品から主演男優賞受賞者が出るってーのがアカデミー賞のすごさなんでしょうか。でもマシュー・マコノヒーってこの前観たSF大作「インターステラー」で主役はってるし、昔観たジュディー・フォスター主演のSF「コンタクト」で恋人役やった俳優さんだったんですね、これも知らんかった。
スカパーでちょうど「マシュー・マコノヒー自らと語る」もやってたんでついでに観たんだけどジャレッド・レトが演じたゲイのエイズ患者とは撮影中にゲイのエイズ患者としてしか会ってなくて、全撮影終了してから素のジャレッド・レトと会って「どうも」と会話したとか言ってて何かおかしかったっす。というのもマシュー・マコノヒー本人も「ゲイはちょっと」って言ってるし、作中のロンも生粋のテキサスカーボーイで「このホモ野郎が」を連発しているタイプだし…。
 実在の人物であるロン・ウッドルーフが自身のエイズ治療のために不認可薬を密輸したというのがこの映画のうたい文句になってて、もちろんそのことが非日常であり感動的であるから映画として成立するんだけど、もうひとつの主題はロンが病気になることで人間的に成長していく過程ををゲイであるレイヨンを通して(最初は毛嫌いしていたけど最後は友情が芽生える)描いていることがなかなかわかりやすくよくできていて、このあたりが主演男優賞・助演男優賞役者の名演ってところでしょうか。
 ここからはネタバレになっちゃいますが、この映画はロンが余命30日宣告される1985年から裁判で負ける1987年までを扱ってますね。その後、ロンに対する治療薬の個人使用が認められた、とか、これを契機にエイズ治療薬の多様化が進んだ、最後に1992年にロン死去とかはテロップで流れて映画終了でした。エイズという重めのテーマを扱ってますがタイトルの「ダラス・バイヤーズクラブ」通り、明るく陽気なというほどではないけれど、めげない、したたかな男を描いていて気を張らずに観れる映画でした。
 そもそも「エイズ患者が治療薬を密輸して、さらにその治療薬を売りはじめた。実話です。」なんて喧伝するものだから社会派サスペンス?と思っちゃいましたが実際はちょいコメディタッチのヒューマンドラマっす。そういう観点からあらすじを書くと、不治の病で余命一か月と診断されたロンは同じ不治の病で治療中のレイヨン(ゲイ)と出会いまだ未承認の薬があることを知る。その薬を不法に入手し投薬するも良くなるどころか後遺症でふらふらになるロン、そのいかがわしい薬すらも入手困難になり「メキシコのこの闇医者のところにいけば手に入る」と教えられ行ってみるも力尽きて倒れ、その闇医者のところで入院治療が始まる。3か月後ちょっと元気になったロンは闇医者が実はちゃんとした医者で、アメリカで実験中の未承認薬は役立たずで、本当に効くのはこの未承認薬だと教えられる、何たって余命一か月の自分が助かったんだから。ロンは世界中にこういった未承認薬が存在しているがアメリカの製薬会社の利益優先主義のために認可がさまたげられていることを知り、以前知り合いになったレイヨン(不治の病仲間がわんさかいる)と組んでこの効くほうの未承認薬を密輸入にして売り始める。この薬がけっこう売れて商売になることがわかるや2人は「ダラス・バイヤーズクラブ」という会社を設立しロンは他の未承認薬を求めて海外まで出かける気合いの入れよう。しかし、アメリカのお役所や既得権益を侵されている病院に目をつけられるようになって…。ってな感じでしょうか。

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