3月31日。
いよいよフジサン特急感謝祭の日がやってきました。
あらためて紹介します。
このイベントは富士急行線の看板列車、フジサン特急の運行開始5周年を記念するものです。
フジサン特急は、国鉄がジョイフルトレインとしてデビューさせた「パノラマエクスプレス・アルプス」を、富士急行が買い取って改装したものです。(買い取り価格は・・・聞いたら多分笑っちゃうと思うのであえて言いませんが、まあずいぶん安く買い叩いたなというのが感想です)
それまでは、普通列車で使用されている1000形電車を4両つないだ「特急ふじやま号」が運行されていました。5年前、現在の2000形「フジサン特急」を導入したことにより、主に快適さの面で普通列車と大きく差別化を図ることができました。
◆◇◆◇
当日朝。
準備のため少し早めに河口湖駅に向かいます。
構内にはすでにフジサン特急が2編成、ちょうど面白い位置で待機していました。
手前の列車は間もなく大月に向けて出発
本日、フジサン特急は通常の運行もこなしつつ、空き時間にいくつかのイベントを行います。イベントの目玉は、フジサン特急体験乗車と洗車機体験通過。
前者はフジサン特急に乗って河口湖駅と富士吉田駅を往復するもので、後者は河口湖駅側線にある洗車機を、乗客を乗せたまま通過するというものです。
これらのイベントは先着50組(くらい)限定、しかも無料とあって、受付の1時間前くらいから親子連れが列を作っていました。
受付では富士急グッズも売られていた
ちなみにここであの試作品ビデオを流したのですが、歌に合わせて子供たちが踊る踊る。まさに「みんなのうた」状態です。
数人の親御さんから早くも「このビデオは売ってないの?」と聞かれました。製作者としてはうれしい限りですが「皆様の声次第です」と答えさせていただきました。それに、商品化するならもっと気合入れて作りますヨ。。。
プロモーションビデオ本編を流す「モ1」(富士急行線最初の電車)も準備が整いました。
昨夜モ1前に運び込まれた例の鋳物は、このとおり桜の花瓶に。。。
二分咲き
ちなみにこの花瓶、どこの部品かというと、、、実はこれなんです。
なんと踏切の遮断機の足
しかし、せっかく保線区?の方が考えたアイデアでしたが、ほとんどの人が気づいていない様子。
やはりマニアックすぎたのが敗因でしょう。せめて説明板を置かないと、カタギの衆にはわかりません。
と思ったら、急きょ東京から駆けつけてきた友人S氏がこれを見て大はしゃぎ。。。
彼にはこれが何であるか一発で分かったようです。
・・・つくづくマニアな友人が多いもんだと再認識しました。類友とかいうな・・・
この桜は大月駅から運んできたもの。
桜の枝が隣接する駐車場(他人の土地)にかかるということで毎年枝を刈っているようですが、今回は刈った枝を電車に乗せてここまで運んできたようです。
東京では満開の桜も、富士急行線沿線ではまだまだこれから。大月駅が二分咲き程度、河口湖駅に至ってはまだつぼみです。東京の桜が散った頃、満開を迎えるでしょう。
体験乗車の時間が迫ってきたので、ホームに移動します。
構内ではマッターホルン号の珍しいカラーリングに、マニアな親子連れが群がっていました。
富士急カラーの青い電車のなかで、赤い電車は鮮やか
富士急行の電車は青地に白のラインが特徴ですが、このマッターホルン号は赤地に白のライン。これは姉妹鉄道として富士急行と提携しているスイスのMGB(マッターホルンゴッタルド)鉄道の車両カラーです。MGB鉄道は氷河急行として有名ですが、富士急行とはもともと社訓が同じだったらしく、さらにマッターホルン、富士山という世界的に有名な山の山麓を走る山岳路線であることも共通していたため、姉妹鉄道となったものです。
昨年秋、姉妹鉄道締結15周年記念として、富士急行主力の1000形電車1編成にこのMGB鉄道カラーリングが施されました。
さて。いよいよフジサン特急体験乗車の時間です。
大月からやってきたフジサン特急が入線しました。
いつもは「トーマスランド号」の人気の影にあるフジサン特急も、今回は主役!
みんなカメラを向けています。
なんだかうれしそうなフジサン特急
足元ひろびろ~
フジサン特急の快適さは、なんといっても足元の広さにあるでしょう。なぜ展望シートよりも普通席のほうがシートピッチが広いのかが疑問ですが、そんなこと気にしちゃいけません。
とにかく広い。たまにクロスシートの電車で、座席を向かい合わせにして靴を脱ぎ、足をシートに乗せて寝ている行儀の悪い人を見かけますが、フジサン特急ではそれをやっても足が届かないのです。
普通料金に300円プラスするだけでこの快適さ。
富士急行の電車に乗る機会があれば、ぜひ一度フジサン特急に乗ることをオススメします。
列車は定員の1/4にも満たないわずかな乗客を乗せて河口湖駅を出発、富士吉田駅に向かいます。
富士吉田駅には、最近リニューアルされたばかりのトーマスランド号がいました。
富士急行って、派手な電車が多いね・・・
トーマスランド号は、この日別のイベントに参加した乗客を乗せ、やはり河口湖駅からここ富士吉田駅にきていたのです。
トーマスランド号の担当運転士は、友人U。
ここではイベント参加者と昼食をともにしていたようでした。
って、待てぇい!
「快速河口湖」の方向幕!?
なんじゃいその「快速」ってのは!
えーっと、分からない逸般一般の方にご説明しますと、富士急行線には快速電車はありません。 「普通」と「特急」のみなのです。
・・・とりあえず珍しいので写真に撮っておきましょう。。。
あとでこのことを友人Uに聞いてみると、
「せっかくのイベント列車だから、なにか面白い方向幕ないかなって思って。[臨時]や[団体]じゃ味気ないなと思っていたら、[快速]があるやん!どうせ富士急ハイランド駅にも停まらんし、コレでいこうと思ってな」
・・・アンタのしわざでしたか。
でも、やはりマニアな人からは写真を撮られたり、この方向幕について質問があったんだとか。
目ざといマニアはどこにでもいるもんです。
ちなみにこの方向幕に気づいたのはいたっきいではなく、友人Uの奥さんだったりします(^_^;
河口湖駅を出て約10分。
フジサン特急は富士吉田駅で折り返し、再び河口湖駅に戻ってきました。
次なる乗車イベントまで時間があったので、駅前広場のモ1の車内に行ってみました。
79年前に製造されたモ1車内ではフジサン特急プロモーションビデオの上映のほか、鉄道模型の運転展示とフジサン特急キャラクター人気投票を行っています。
なかでも子供たちに圧倒的な人気があったのが、この鉄道模型展示。
Nゲージと、急遽作った前方展望ビデオ
実はこのNゲージのレイアウトも、友人Uのお手製。
彼が富士急行に入社する前に作ったもので、まさかこうやって展示される日が来るとは全くもって思っていなかったものです。もちろん走っているのは富士急行線の電車たちです。
親御さんにも大人気!
このコーナーの担当は、N少年。
彼は富士急行のイベントには必ず顔を出しています。鉄道模型を見て歓声をあげる子供たちから、模型を見て「この電車懐かしいな」と語りかけてくる年配の方まで、全世代に的確に対応できる豊富なデータベースを頭に詰め込んだ恐るべきマニア逸材です。
だがその実態は、沿線に住むただの中学生。(翌日、高校生になりました)
なぜか富士急行の腕章も巻いて、スタッフとして活躍していました。
富士急行さん、もう彼に内定出してもいいんじゃないですか?
いたっきい渾身のビデオは、混雑こそしませんでしたが常時人がいてそれなりに盛況でした。
この列車、空調もないし夏のイベントには使えないな・・・
次なる乗車イベントの時間が近づいてきたので、再びホームに行きます。
今度は洗車機体験通過。
洗車前と洗車後の比較写真を撮ってみることにします。
洗車前
ずいぶんと汚れが目立っていますね~。
ではフジサン特急に乗り込みましょう!
洗車機通過中
この洗車機は、基本的には自動車用のものと同じです。
違うのは、鉄道の場合は洗車機が固定されていて列車がゆっくりと走っていること。
ノッチオンオフを繰り返し、ゆっくり列車は進みます。
洗車後
おー、きれいに・・・なってねえよ!
車体が真四角の電車ならきれいになるのでしょう。
しかし車体の下部が絞り込まれているフジサン特急は、このとおりブラシが届かない部分があるようです。(関係者によると、ブラシそのものも磨耗しているとか)洗車水浴びを済ませたフジサン特急はこのあと、大月行き特急列車として出発していきました。
ホームではその他のイベントも平行して行われています。
こちらは、運転士と車掌の体験ができるコーナー。
友人U、F嬢も大忙しの様子
運転台では制服と制帽を被ったうえで記念写真を撮ることもできます。ブレーキなども生きていて、ブレーキハンドルを動かすとエアが抜け計器が動いています。
車掌体験では、ドアの開閉や車内での検札などの業務を体験できます。ドアを閉める最中に再びドアを開き、「駆け込み乗車はお止めください!」とアナウンスしている前途多難な鉄道マニア電車大好き少年もいました。。。
1500。
イベントは終了。
遠方からツアーでやってきた団体もフジサン特急で帰っていきました。
あっという間の一日でした。
皆さんお疲れ様でした。
関係者の憩いの場
モ1車内は、関係者の憩いの場になっていました。普段電車にかかわっているみなさんでも、やっぱり鉄道模型は大好きなようです。
ちなみにこのNゲージのレイアウトは、運転士F嬢に引き取られることになりました。さっそく今晩より彼女の家で運転されるようです。
◇◆◇◆
フジサン特急感謝祭。
イベントそのものの準備期間は約1ヶ月とのことでしたが、昨年10月の「電車まつり」の教訓が生かされてずいぶんスムーズな運営でした。前回は鉄道誌などに大きくアピールした影響もあり、数千人のマニアがグッズに群がるすさまじい場面もありましたが、今回は家族連れを中心にほのぼのとしたイベントでした。
個人的にもいろいろと楽しませてもらいました。
いたっきいの準備は、胃をいためたことで開始が1週間遅れ、最後はやはり突貫工事になってしまいましたが、撮影も編集も食べ歩きも楽しませてもらいました。
本当にあっという間の2週間でした。
この話を持ってきてくれた友人U、10泊も占拠居候してご迷惑をおかけしたKさん(Uの奥さん)をはじめ、ナレーション担当F嬢、いろいろ便宜を図ってくださった?M係長、そして管理駅長W氏、そのほかいろいろとご協力いただいた富士急行の関係者の皆様に御礼申し上げます。
またイベントがあればお声がけくださいw
ぐふふ。
さて。イベントのあとはモチロン打ち上げですよ♪
というわけで? 翌日みんなで連れ立って
なぜか静岡に行くことになりましたw
いつ家に帰れるんだ?
のんびりした、いいイベントでした。
ひらがなで書いていちばんきれいなのは「ことぶき」かもしれません。
この駅名板、表面が光沢なので写真屋泣かせでもあります。。。
■ichirouさん
胃を休める!
・・・すっかり忘れていました!(^_^;
とりあえず河口湖周辺にいるときは「うどん」で胃をいたわってあげることにします。。。
たまにはゆっくり胃と心を休めてあげては如何でしょうか?
しかし下から2つ目の写真に写った看板
「河口湖」って「かわぐちこ」と平仮名で書くと
なんだかかわいいねw