恐怖体験 （瑞牆山登山）

山梨県、甲府盆地の北側に、急峻な岩稜の一見どう登っていいかわからない山がある。
それが瑞牆（みずがき）山。

　
　瑞牆山 2230m　（2003年5月2日撮影）

今回は4名のメンバーで登ってきた。
うち1名は完全な初心者、2名は初中級といったところ。
メンバーの中ではいたっきいが登山暦が最も長く、しかも瑞がきは過去に一度登っている。

今回、どこの山に登ろうかと考え、最終的に瑞がきを選んだのは、ダイナミックな山容をもう一度見たいという個人的な想いと、林道から岩登りまで、山の要素を全てもっている瑞がきをメンバーに知ってもらいたかったからだった。加えて、山頂から望む南アルプス連峰、八ヶ岳連峰と富士山の威容は、それまでの登山の疲れもふっ飛ばすほどに美しい。

　
　瑞がき山頂から望む富士山　（2003/05/02撮影）

しかし、結論を先に書いてしまうと、今回の登山は失敗だった。

理由を並べてみると・・・

・過去に登っているにもかかわらず、瑞がきの険しさを忘れていた。
・自分の足に合わせて比較的タイトなスケジュールを組んでいた。
・ほぼ全員が遅刻したために、出発が2時間近く遅れた。
・しかしそこで登山そのものをやめる決断ができなかった。
・スケジュールの遅延が、下りになって顕著に出始めた。
・装備が軽かった。
・日が暮れ始めてから、セオリーに反した判断をしてしまった。

さて、具体的になにが起こったのかというと。。。

■計画（結果）
　09:30（11:15）出発
　10:15（12:00）富士見平
　12:00（14:00）山頂
　13:00（15:00）下山開始
　14:30（17:00）富士見平
　15:00（18:00）下山

ご覧のとおり、計画より1時間45分遅れでスタートし、2時間遅れで山頂についた。
登りだけを見ると、登山ペースの遅延は15分。
この程度の遅延だとアクシデントには至らないだろう。
ただ、これよりの遅延は許されない。
・・・登頂したときはまだこの程度に楽観する余裕があった。

下山開始後、その判断が甘かったことに気づく。
下山ペースが、想定外に遅いのだ。
かといってメンバーを焦らせすぎてケガでも負わせてしまったら、それこそ山梨県防災ヘリに乗れるのお世話になってしまう。しかも今日はガスが濃いため、一晩を山中で明かして翌日の救出になるだろう。。。
メンバーに心の動揺を伝えないように、できるだけ急いだ。

16:30を過ぎると、足元が見えにくくなってくる。
しかしまだ富士見平小屋（いざとなればここに宿泊できる！）まで30分近い行程が残っている。
心の焦りが口を突いて出る。メンバーにも不愉快な思いをさせているだろう。
一様に口数が減る。
心身ともに非常にマズイ状況。

17:00富士見平小屋着。
日は完全に没している。
空だけがわずかに明るさを残している状態。
通常、この時間からさらに山道を歩くなど考えられない。
テント泊の人はランタンを灯しているほどの暗さなのだ。

しかし、このときのいたっきいには勝算があった。
それは林道の存在。
富士見平小屋のすぐ下には、駐車場に繋がる一本の林道があるのだ。
さらに、偶然だがLEDのライトも持ってきている。
ライトがあれば、車が走れるほどに整備された道路を歩くのは比較的たやすい。
・・・林道にたどり着けなかったらアウトだが。。。

17:15林道に出る。
正直ホッとした。

18:10、林道を歩くこと1時間弱。
完全に真っ暗闇のなか、駐車場に到着。
人工の明かりが見えたときにはひざの力が抜けそうだった。

結局、計画より1時間45分遅れで出発し、3時間遅れで帰り着いたことになる。
出発さえ時間どおりだったら、今回のようにペースが遅くなっても日没前の16:15頃には下山できたはず。
そういう意味では出発の時点ですでに無謀な行動だったといえる。

いたっきいはこれまで何度も登山し、百名山も20座ほど登ってきているが、出発が1時間以上遅延したことはなく、出発以降のスケジュールが遅延していくこともなかった。
正直、山を甘く見ていたと思う。

さて。
せっかくなので？撮ってきた写真をご披露。

　
　富士見平小屋

　
　沢で休憩。見上げると紅葉がはじまっていた

　
　沢を越えると、いよいよ足場が悪くなる

　
　標高2000mあたりは紅葉も本格的

　
　巨大な岩が転がるガレ場

　
　這うようにして岩のトンネルを抜ける

　
　下山者の大集団とすれ違う
　ペースが上がらない

　
　大ヤスリ岩

　
　瑞がき山頂　2230m

　
　山頂は切り立った断崖

　
　晴れていれば八ヶ岳連峰が見えたはず・・・
　（2003/05/02撮影）

　
　一瞬ガスが晴れ、大ヤスリ岩が姿をあらわす

　
　晴れていれば南アルプス連峰が見えたはず・・・
　（2003/05/02撮影）

　
　例によって？昼食はラーメン＋おにぎり＋漬物＋コーヒー

　
　いつの間にか誰もいなくなった山頂

　
　最後の下山者に抜かれ、殿軍となる

　
　桃太郎岩

最後の写真は、富士見平小屋まで約30分の場所。
これ以降は暗くなりすぎて撮影できず。

いや、正確に言えば精神的に暗くなりすぎて撮影する余裕を無くしてた。というのが正しいか。。。

■今回の教訓

・出発が大幅に遅れたら山に登らない。
・スケジュールが遅延し始めたら引き返す。

　肝に銘じたい。

 

 

 

 

で、なにがなんでも下山した理由。↓↓↓

 

 

 

 

 

 

 

　温泉で宴会！ ヽ( ^∀^)ノ□
　まさに地獄獄から天国！


　
　下部温泉 ホテル守田 さんの夕食
　（20時過ぎでもあたたかく迎えてくださいました。。。）

　
　ホテル守田さんの貸切風呂
　（湯船で寝てるのは登山に参加していないはずの友人Ｋ）

　
　いたっきい＠フラフラ

ちなみにいたっきいが手に持ってるのは酒ではなく、温泉が入ったビン。。。

 

 

 

 

 

 

 

　　実は・・・

　女物の浴衣を着てても気づかないほど、
　そしてミネラルウォーターで酔えるほど、
　気が動転してたわけですヨ。。。

 

 

　　ココココココワカッタンダナ。。。((( ；゜Д゜)))ガクガクブルブル