一庵 (ひとつあん)

飛べないライター『いたっきい』の愚行をさらしています。

※普段ハtwitterニ居リマス。

RTB (新田原基地航空祭4)

2005-12-10 | 旅行・見学

ブルーインパルスの演技終了とともに、他の基地から展示のために来ていた航空機
たちが帰っていきます。
例年は散発的に帰投していく外来機ですが、今年はまるで何かに追い立てられる
ように
次々にエンジンを始動し、立て続けに帰投していきます。

  最初の離陸は、初等練習機T-7です。

  退役するT-3に代わりに配備された新型機で、T-3をベースにしながらも、エンジ
  ンのターボプロップ化や翼の形状変更など、新機軸を盛り込んで高性能化してい
  ます。

  
  初等練習機T-7(山口県防府北基地)
  T-3に比べると速度も段違いに速いし、とても静か

新米パイロットの訓練に使用される同機ですが、秘められたポテンシャルがかなり
高いことはあまり知られていません。
たとえばエンジン。
ターボプロップエンジンとは、ジェットエンジンでプロペラを回すようなしくみです。

これらの公表されている性能を素人目に見るだけでも、ブルーインパルスと全く同じ
課目でアクロバットをすることが可能だと判断できます。
この機体でアクロチームを組めば、T-4ブルーとはひとあじ違う面白いディスプレイ
イができる!・・・と考えているのは、いたっきいだけでしょうか?
ブルーの運用が難しい小規模の基地への展開や、民間のイベントでも大活躍できそ
うです。。。

というわけで。
防衛庁さん、いかがですか?


それにしても実に飛ばしやすそうな機体ですね。
これは1機ほしい。。。
民間型作って売ってくれないかな???

というわけで。
富士重工さん、いかがですか?買えませんが


続いて中型の航空機が次々に帰投していきます。

  まずはT-400
  同機は輸送機などの大型機パイロットを養成する任務に就いています。

  
  練習機T-400 (鳥取県美保基地)
  この機体はこの角度が一番美しい・・・と思う

  続いてU-125
  救難捜索機U-125Aと基本的に同一の機体ですが、こちらは基地の航空機支援
  設備などの動作状況を空中から点検する任務を担っています。

  
  点検機U-125 (埼玉県入間基地)

  そして多用途機U-4
  こう見えてもかなり大型(機体規模はYS11とほぼ同じ)で、要人輸送などの任務
  に就くことが多い機体です。

  
  多用途機U-4 (埼玉県入間基地)

  U-4は高級ビズジェット、レイセオンのガルフストリームⅣがベースですが、スラ
  ストリバーサ(逆噴射装置)の装備など、自衛隊用に改造を加えられています。
  翼端のウィングレットがまた高性能機っぷりを醸しだしてるんだな。。。

  C-1も空挺隊員を乗せて、埼玉県入間基地に帰っていきます。

  
  さすが輸送機!かなりの上昇角で上がっていく


大型・中型の機体が去ったあとは、小型の練習機、戦闘機などが帰っていきます。

  ん?なにやらヨチヨチ地上を歩くペンギンのようなものがやってきますよ。

  
  築城基地、第8航空団第6飛行隊のT-2

  ・・・ペンギンに見えるのはいたっきいだけですかそうですか。。。

  しかこのペンgT-2も、まもなく全機退役です。
  思えば、いたっきいが航空祭に行き始めた頃のブルーインパルスには、このT-2
  が配備されていました。

  
  パイロンすらも取り外した、完全にクリーン状態のT-2
  胴体が細長く、翼は小さく薄い。まっすぐに速く飛ぶ目的で
  設計されたのがよくわかる

  そして、おそらく飛んでいる実機を見るのはこれが最後・・・
  F-1の離陸です。

  
  築城基地、第8航空団第6飛行隊のF-1

  ペンギンT-2とほぼ同じ角度から撮ってみましたが、翼下の燃料タンク、翼端の
  サイドワインダー取り付けレールのおかげでずいぶん勇ましく見えます。
  少なくともヨチヨチ歩きのペンギンには見えませんw

  
  派手なマーキングのF-1記念塗装機

  おおー。これは曇天の入間で見たスペシャル・マーキングじゃないですか!
  飛んでるところを見られるとは思わなんだ。

  
  アフターバーナに点火し、高速で去っていくF-1

  最後にもう一度滑走路上空に戻ってきて、「バイバイローパス」をしてくれることを
  期待したのですが、残念ながらそのまままっすぐ帰っていきました。
  上の写真が、いたっきいが最後に撮ったF-1の雄姿です。
  F-1・・・Forever・・・


  感傷にひたる間もなく、F-1の後継機種として現在配備が進んでいる支援戦闘機、
  F-2が離陸します。

  
  F-1と同じ角度で撮ってみたF-2

  このF-2、F-16がベース・・・だとよく言われますが、実際には形が似ているだけ
  で、全く別の航空機です。大きさからして全然違います。

  あたりまえですが、上に紹介したT-2、F-1と同じ部隊(築城基地、8wg6sq)マー
  クが尾翼に描かれています。
  同じ部隊マークが書かれた多種類の機体が同時に見られるのも、機種更新中の
  部隊ならではです。


  最後に、米海兵隊岩国基地のF/A-18Dが編隊で離陸していきます。

  
  戦闘攻撃機F/A-18D (岩国基地:米海兵隊VMFA-212)

  
  左翼下にトラベル・ポッドを吊っている・・・
  あ、これRF/A-18だ!はじめて見た

  商売上手な海兵隊のことです。
  通常は転属するパイロットの私物を運ぶためのトラベルポッドですが、今回は航空
  祭で販売するグッズを詰め込んで来たに違いありません。
  しかも2機ともにポッドをぶら下げていました。稼ぐ気マンマンです。

  
  お帰りは外貨を獲得してウハウハでっか?

  この機体がF-18でもA-18でもなく、F/A-18と呼ばれるのには、訳があります。
  それは、この機体が文字どおり空中戦(Fight)・対地攻撃(Attack)双方に秀でた能
  力を誇るためです。

  F/A-18シリーズはE型、F型に進化し、また電子戦機(EA-18G)として、さらには
  空中給油機として、21世紀の米海軍、海兵隊の中核に位置づけられていきます。
  すでに海軍が運用する部隊も、VFA(空母戦闘攻撃飛行隊)ばかりです。
  F-14を運用していたVFも、A-6を運用していたVAも、今やすべてがVFAなのです。
  空母の甲板上はホーネットだらけです。

  開発された当時、空軍の補助戦闘機としてYF-16と競作された際に不採用となっ
  た機体(YF-17、それを海軍が拾ってF/A-18になった)だとは思えない敗者復活
  
ぶりです。

本日、所属基地に帰っていく航空機は、すべて離陸しました。
Mission Complete R.T.B!(Return To the Base)

お疲れさまでした!

いや~、楽しかったな。














・・・しかし、楽しいときには必ず落とし穴が用意されているものです。














・・・ここで残念な報告をしなければなりません。(ノ_・。)













  ・・・それは、コレ↓です。

  
  仮設トイレのドアに貼られたマニアに対する宣戦布告文貼り紙

そうです。。。
来年から、マニアのオアシスだったこの滑走路南の駐車場がなくなるという
ことらしいのです!

さーコレは困った。
だって、南駐車場あっての新田原航空祭ですよ。マニアのみ
来年から、滑走路から離れた会場(エプロン地区)から逆光の飛行機を見ないといけ
ないんですよ。

もはや行く価値ナッシングです。

だいたい、周辺の交通機関が未発達のこの基地にどうやって行けというのですか?
CS、CSのこのご時世に、顧客満足度ゼロです。
これまでほぼ毎年来ていましたが、その連続記録も今年で打ち止めです。

あーあ。
ファミリーおぐらのチキン南蛮も食い納めかあ(×_×;)<一度しか食べてないだろ!

しかし、遠方から新田原航空祭目当てにやってくるマニアたちを相手に商売している
ホテルや航空会社、レンタカー業者や飲み屋、ファミリーおぐらにいたるまで、その影
響を受けるのは必至です。
航空祭の前後の航空便は満席ですし、ホテルも大繁盛、フロントには航空祭の案内
パンフが置いてあるくらいですから。。。

そして、そうまでして遠方からやってくる人たちの大半が、南駐車場あればこそ、この
新田原に来ていると思うのです。

つまり南滑走路閉鎖による経済的損失は、宮崎の経済活性度から考えるとそれ
なりに大きいものだと思われるわけです。失礼

さあ、こうなれば宮崎市民のみなさんも立ち上がるべきでしょう。
署名運動です。
南駐車場閉鎖反対(航空祭当日限定)」の。。。


・・・ごめんなさい。ワカクシ、ウソを申し上げました。

  反省します。
  無意味な署名運動でした。。。

  具体的にいうと、西都市周辺に立っていたこんな電柱に負けず劣らずの無意味さ
  でした。

  
  埴輪電柱┌|∵|┘

・・・などと、基地から出る渋滞に巻き込まれながらそんなくだらないことを考えている
うちに、また今日も意識不明になってしまいました。

なにはともあれ、新田原基地航空祭。心行くまで楽しみました。


■本日の戦果

  ・撮影枚数
    1441枚。

  ・消費した物資
    メロンパン、ロールケーキ、サンドイッチ、弁当、缶コーヒー1本、
    お茶500ml、プリン、ケーキ2個。もう食えません。


しかし、今回の旅行はまだ終わっていません。
まだまだオプションがあるのです。

そもそもは、航空祭が天候不良で楽しくなかった時の代替プランとして考えはじめた
オプション。しかしここ数年、航空祭そのものよりもむしろこのオプショナルツアー
が充実
し、そちらに大きな魅力を感じてるようになりました。

今年もあと一日、魅力的な計画を立てています。
九州にはよさげな温泉もいっぱいあることだし・・・

うししし。



というわけで一路、本日の宿泊先、鹿児島県の霧島温泉へ向かいます!
















このときすでに南側駐車場のことは忘れてます・・・


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11 コメント

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ぺんぎん~! (仮眠ライダー55)
2005-12-25 14:40:27
本当にペンギンに見えますね、かわいい~お母さんペンギンのもとに帰るのかなあって感じです、ホクホク



F/A-18はそういう意味なんですかー先日浜松にもホーネットが来ていたのですが、F-18と思い込んでました、勉強になりました~。

そういえばパイロットがPRIDEのミルコ・クロコップ似で、映画俳優かって感じ、帰投も魅せてくれて、ショー(商?)マンシップにあふれていたような・・・



ところで新田原に行くときは、ぜひ駐車場で!と思っていた矢先なので、ショック・・・でも一度行ってみたいなあ、貯金、貯金!



いたっきいさんのお陰で、連日航空祭を心ゆくまで楽しませていただきました。来年の航空祭が待ち遠しいです~

本当にお疲れ様でした、そしてありがとうございました!

返信する
懐かしの10年 (abi)
2005-12-26 02:11:44
思い出がいっぱい詰まった新田原の10年でした~

南駐車場エリアに入れないのならもはや・・・ですね









ならば・・西山復活かぁ??
返信する
ペンギン (いたっきい)
2005-12-26 02:34:50
に見えましたか、よかったです。

航空祭会場でも誰も何も言わないので、いたっきいだけかと思っていましたw

実は何年か前からそう思っていました。。。



■仮眠ライダー55さま



 F/Aはそういう意味なんですよ~。

 こうして機体の記号などをみていくと、面白いことがわかります。

 たとえば垂直離着陸機、AV-8BハリアーII。

 VはVTOL(Vertical Take-Off and Landing)ですが、Fの文字がどこにもない。

 つまりハリアーは垂直離着陸攻撃機なわけです。

 次世代の補助戦闘機は、F/A-35もしくはA/F-35になるようですし、これからは

 単能の航空機は肩身が狭いですね。マルチロール・ファイターでないと。



 新田原、南側駐車場がなくなっても魅力的であることには変わりありません。

 おそらく、来年は基地南側のフェンスに人がたくさん群がると思います。

 そしていろいろ問題が起こって再来年から再び南側開放・・・てなシナリオ

 なんですがどうでしょう?w



 他にオススメなのは、5月の米海兵隊岩国基地、自衛隊では9月の小松、11月の

 岐阜あたりでしょうか。



■abiさま



 西山旅館!いいですねえ。今年は行けなかったし、ぜひ来年はいきませう。

 そういえばなぜかいつも中宮温泉ですが、小松周辺には加賀や山城(戦艦みた

 い)や粟津がありますね。たまにはそういうのもいいかも。





来シーズンまでに迎撃(撮影)用の新機材を導入する予定です・・・(;^_^A
返信する
来年の航空祭が楽しみです! (仮眠ライダー55)
2005-12-27 03:46:00
機体番号にも訳があるのですねー英語も勉強したくなりました~

オススメの航空祭情報、ありがとうございます。なかなかどこから行ったらいいのかわからなかったので、すごく参考になりました。



いろいろな勉強させていただきました。来年は違った目で航空祭が見られそうです、ありがとうございました!

返信する
来シーズン・・・気が早いですねえ (いたっきい)
2005-12-28 09:44:22
>機体番号にも訳があるのですねー

そうなんですよ。

他にも、輸入またはライセンス生産の機体は元々の識別番号(F-4やF-15)がついてるけど、国産の機体は1から順についていく(F-1、F-2、T-1~T-7など)とか。

かわったところでは、AWACSのE-767、他用途機U-4は元の機体の製品番号?にEをつけたりUをつけたり。



実は機体に書かれている数字(戦闘機なら機首と垂直尾翼に書かれているもの)にも法則があって面白いですよ。

垂直尾翼に書かれた6桁の数字だけで、その機体の用途や製造年などがわかるのです。
返信する
Unknown (ichirou)
2005-12-28 18:45:55
みんな静かに帰って行ったみたいですね。

まぁ、機体数が多いから管制もローパスとか許可しなかったんでしょうね?



T-2は確かにペンギン似...あ、これはカエルでした。

「ホォー」って感じのジェット音が好きですフォーッ!

あ、すみません。これは...HG





昨日、元空自の方と呑み来年はニュータへ行こう!

と、連れて行かれたフィリピンパブで柔らかい約束をしました。

無理だろなぁ~



お疲れ様でした~!
返信する
ローパスは (いたっきい)
2005-12-28 23:16:20
全くありませんでした。

しかも例年になくハイペースで機体が上がっていき、航空祭終了1時間後にはF/A-18も上がっていきました。F/A-18は毎年ハイスピード・ローパス+ズーム上昇するんですが、今年はそれもナシ。

おそらく事前にそう打ち合わせてたのでしょう。てきぱき、淡々と帰っていきました。

せめてラスト・シーズンのF-1くらいは魅せてほしかった・・・
返信する
今気づきました (いたっきい)
2005-12-28 23:29:04
自己RESですが。

海兵隊のF/A-18D・・・かと思いきや、一機はRF/A-18でした。偵察機です。

はじめて見ました。。。てか、気づかなかっただけで今まで見ていたかも。
返信する
そうです。 (うぞきあ)
2006-01-01 13:02:15
T-2、F-1の退役は寂しいですが、

誰も攻撃しなくて良かった良かった。

写真、良いですね。

何ミリレンズで撮影されましたか?
返信する
コメントありがとうございます (いたっきい)
2006-01-03 13:18:24
たしかに、兵器がその目的を達することなく一生を終えるのがなにより幸せですね。



撮影は三種類のレンズを使っています。

タムロンの28-75F2.8、キヤノンの70-200F2.8IS、400F5.6で撮っています。

画像にはexif情報を残していますので、画像を「名前をつけて保存」していただいて、画像を右クリック、「プロパティ」→「概要」→「詳細設定」でご確認ください。

新田原は短いレンズでも大迫力ですね。
返信する

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