そんな風に思いながら読んだ記憶がある
語りを始めるにあたり
ホコリのたまった様々な文庫を引っ張り出し
くしゃみをしながら頁をめくった
その中に芥川もあった
行間から
体臭と言ったら良いのかそのニンゲン臭さが
また人物の心象風景が
周囲の草木 そしてまた雨の匂いまでもが
鮮やかに立ち上ってきた
そこには色彩があり 輪郭があり 温度も湿度もあり
なんというか
その空気そのものが立ち上ってきた
かつてのある日
そこに その場所に その人は確かに居た
そんな凛とした実在感とでも言えばいいだろうか
完結で 平明な
そして美しく 端正な文章
その端々に 才気走ったものが脈打つ
いやはや
10代の僕はいったい何を読んでいたのだろう…
作品の奥に流れる息吹に
導かれるように 呼吸を合わせ 語り 録音した
言葉の景色ではいま4作品収録したが
他の作品に比べ この「羅生門」はほぼ初読みに近い状態での録音となった
もっと稽古をしたらもう少し異なるものになったかも知れない
しかしここにあるものが不思議と良くて そのまま配信
言葉の景色旗揚げ作品
静かな そして豊かな作品となりました
ご視聴頂けましたら幸いに存じます
芥川龍之介「羅生門」 語り 生演奏 蝋燭 炎 朗読
語り:オカノイタル ピアノ:松田幹 ギター:馬渕格
短編小説を使用した語りをゆっくりと発表してゆきまます
疾風の如く過ぎてゆく日々 歩みを...
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