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身体の景色 (karada no keshiki)

2020.7月 太宰治「魚服記」

太宰を読み直す
何十年振りだろう

昔 10代の頃
「太宰を読んでいる」と言ったらと
周囲の大人に「大丈夫か? なにか悩みがあれば聞くぞ」
と言われ驚いたことを思い出す

なるほど
太宰には思春期特有の激しいものを包み込む力があり
私小説が代名詞で 生活の破綻を切り売りしている印象も強いからであろう

苦悩そのものを吐露するような私小説だと確かに薄まってしまう感はあるが
太宰の文章は瑞々しい

80年前に書かれたとは思えない
色褪せぬ言葉
語ってみて まずそのことを 改めて 実感する


「魚服記」は処女作品集「晩年」に収められている

山奥に暮らすひとりの少女の日々が描かれているのだが
リズムが良く 行間深く 流れが心地いい

その余白に広がる景色が豊かで
いかようにも解釈可能で
主題の押しつけはなく
読んでいて すうぅっと 引き込まれてゆく

人は孤独で 悲しくて しかし逞しくて そして美しい
「うん 憧憬や幻想があるから 人は生きてゆける うん」

などと
そんなことを 語りの稽古をしながら想った

松田幹のピアノが 馬渕格のギターが
これまた良いのです 本当に…

静かな そして豊かな作品となりました
ご視聴頂けましたら幸いに存じます

太宰治「魚服記」 語り 生演奏 蝋燭 炎 朗読

語り:オカノイタル ピアノ:松田幹 ギター:馬渕格

短編小説を使用した語りをゆっくりと発表してゆきまます
疾風の如く過ぎてゆく日々 歩みを...

youtube#video

 


言葉の景色
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言葉の景色

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