稽古を進める中
登場人物たちがどんどん愛おしく思えてきた不思議な作品
浪人たちの
貧に至る経緯が色鮮やかに見えてきたり
行燈に照らされた薄暗い天井のシミや
少しカビ臭いようなジメリとした室内の湿気を感ぜられたり
案外女房は美人で 原田も存外色男で
その二人が出逢った時の少し滑稽な場面が思い描かれたり
僕にしては珍しく
そんな想像力が芽生えた作品となった
(もっと抽象的なものに繋がるのです いつも 僕は)
うん
しかし 太宰は良い
改めてそう思う
私小説より こういう作品に良さが俄然出ている
楽しい短編です
冒頭はいろいろな説明が続くので退屈かも知れませんが
最後までお付き合い頂けますと
太宰の眼差しが畳み込んでゆく人間への愛とユーモアが爽快です
僕らは駄目で愚かで滑稽だけれど
しかし悪いことばかりじゃぁないさ
そんな気にさせてくれる太宰なのでした
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![](https://i.ytimg.com/vi/KT9nEW7GLu8/mqdefault.jpg)
太宰治「貧の意地(新釈諸国噺より)」 語り 生演奏
語り:オカノイタル ピアノ:松田幹 ギター:馬渕格
短編小説を使用した語りをゆっくりと発表してゆきまます
疾風の如く過ぎてゆく日々 歩みを...
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