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身体の景色 (karada no keshiki)

2015.2.1 停滞

過去の演出ノート、論考等、随時こちらのブログにアップしてゆきます。
以下は2015年、作品を作れなくなった時に書いた文章



行場なく
所在なく
ジリジリと、そしてキリキリと
風も波も止まってしまった海に浮かぶ帆船のように
ただただ浮かんでいる

いつもなら次にすべき事が身体の奥から湧き上がるのに
それがない
虚無、そして焦燥…

過去の作品を見直す
「To Orestes」
「Lady Macbeth @ソウル」
「戦場のピクニック」
この3作品
いいじゃないか、そう思った

呼吸と身体が実に繊細に響き合い融合し森羅万象と化し
空間がうねるように変容していた
ここまでもう一度空間を精錬させることなどできるのだろうか
そんな不安にさえ襲われた

僕の中で何かが消えてしまっている

喜びだ
それを失っている

静けさと虚無が
ジリジリと迫る
「もうそっちじゃないんだよ」

ではどっちなのか
キリキリ舞
懸命に自問するも答えはない

しかし
稽古は続けている
ここでやめたら、やめてしまったら終わる
終わってしまう
その恐怖

今、短編小説をゆっくりと身体に浸透させている
どんな化学反応が起きるのかを見詰めている
様々な短編をアトランダムに

築いてきた構造
呼吸と身体を利用し
物語を扱うと何が生まれるのか

息のドラマと意味のドラマ
その両方を、僕が同等に扱うとどんな景色が立ち上がるのか

しかし糸口がない
まだ、見えない

ジリジリと
そしてキリキリと

僕は今、停滞している
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