社内情報システム部の仕事

社内の情報システム部として働く上での様々なできごとを綴ります。

日経記事から!No.4「経営者の仕事」

2010-02-13 23:51:47 | ITスキル
2010年2月12日の日経新聞朝刊「春秋」からです。


先日、日本航空は、世界最大手のデルタ航空ではなく、これまでどおり
アメリカン航空との提携を継続することをきめた。
その決定には会長に就任した稲盛氏の意見が色濃く反映されたみたい
である。
私にはどちらが良いのか、さっぱり分かりませんが、本日の
「春秋」の記事の中に、この決定が“吉と出るかは別にして、
商道徳や堅実さを重んじる稲盛さんらしい"とのコメントがありました。

“商道徳”

なんて言葉、知らなかったのですが、なにか基本中の基本を思い出さ
せてもらったような気がします。
“あきない”
をする上で短絡的な損得では計れないもっと大事なものがある。
今まで一緒にがんばってきた相手に対して、隣の人のほうが
よくなったので
「さよならぁ~」なんてことは、商売をするうえでの
道に反するということなのでしょう。

 一緒につぶれてしまってはいけませんが、今まで一緒にやってきた
関係を大事にする気持ちがなければ、どこかいいものを見つける
たびにフラフラついていく金魚のフンのような経営になって
いずれ、そこに沈んでいってしまうのでしょう。
人間も、会社もその振る舞い、行動、に美学のような信念が
必要なんだと感じました。


本当のサプライチェーンマネージメント(SCM)はITではない

2010-02-11 00:24:15 | 情報システム
サプライチェーンマネージメントの本質

私は、サプライチェーンマネージメント(SCM)の上流工程によく携わって
きたのですが、システム導入の具体的な話になると金額が出てきます。
すると、1億円などという金額があたりまえのように出てきて、実際の導入を
躊躇されなかなか進まなくなります。
また、実際に大規模な投資を行ってシステム導入をしても、その後の運用定着
に一苦労されています(この段階で、あきらめて失敗に終わるケースも多々)。

しかし、実際のSCMを行っていくのに○億円ものIT投資をしなければ出来ない
ものなのでしょうか?
上流工程に携わってきたなかで、私はそう考えていません。

もっと愚直に、やれることがたくさんあります。


そもそも、サプライチェーンマネージメントは、複数の部門(企業)にまたがった
業務を全体最適に設計し、どの部門も得する(Win-Winの)関係を構築する必要が
あります。しかしどの部門も目先の自部門の利益を優先するためうまくいきません。
なによりもそれを解決することが一番大事であって、そのために1億も2億も
かけてIT投資することが必須なわけがありません。

ITベンダーやコンサルティング会社の解決策は、必ずといってよいほど
大規模なシステム導入になります。否定するわけではありませんが、
もっと他にも色々な方法があると私は考えます。

根本的な問題は、部門(会社)間で情報の共有が出来ない(あるいは、隠しあって
いる)ことや、決められたルールどおりに運用がなされず、横槍や割り込みで計画
を変更させられるなどがあります。
お互いに同じ情報を共有し、みんなで決めたルールに従って運用する(まずければ
その運用を改善していく)ことができれば、サプライチェーンマネージメントはで
きあがりなのです。
これだけであれば、何も億単位のIT投資は必要ないと思いませんか?
みんなが同じ情報を見れるようにする情報共有の仕組みや、ワークフローなどを
組み合わせて決められたルールでみんなが業務するようにする。それだけでも
十分効果が出ます。まずは、自社にどのようなサプライチェーンがあるのか?
何本のサプライチェーンがあるのかを見極めて、如何に最適なサプライチェーン
にするかを考えてみてください。


NEC「得選街」

デル株式会社



サプライチェーンマネージメントを行うのにはそれなりに時間を要します。
本質を忘れて、システムを導入することに目的にしてしまわないようくれぐれもご注意ください。

私の主観ですが、サプライチェーンマネージメントを成功させる上でITシステムが担う役割は
30%くらいだと思います。それ以外に、どんなルールで、どんなサプライチェーンを作るのか?
実際にITシステムを導入したあと、業務のやり方や考え方を変えていく啓蒙活動で70%くらい
かかると考えています。