ばばの海水うどん
外は大時化強風、自由な生き物のように躍動する海、今年の記憶は雲散霧消、生まれ変わったたばかりの海水を使って手打つうどんを作った
おんちゃが汲んできた海水に塩を足す.、その海水で小麦粉を練ってゆく
ばば、塩はどのくらい足すの?.........う~ん適当に.....
柔らかさは?..................練り合わせる最初はぼろぼろ硬いが、練り合わされて
くると小麦粉は耳たぶくらいの柔らかさになって、入れ
物からはなれ丸くまとまる
練りげられまとまった小麦粉はばばの体重を乗せて踏み込まれ、平べったく広がり その度に畳まれてまた踏み込まれる.....その作業を繰り返すこと8回
最初には柔らかく広がっていたそれは、回を重ねるごとに踏み込んで々もなかなか平べったくなってくれない、.だんだんと.柔らかい小麦粉の塊は芯のある粘り強いうどんの塊に変身...となる
うどんの塊は製麺機に合う大きさに切られ、製麺機の前部でのされる
のされた塊はいよいよ後部の製麺部でうどんの形状にされ、ぞろぞろとでてくる
60年前から使っている製麺機、小麦粉、海の水、そしてばばの経験
久しぶりに食べたばばの手打ちうどんは旨かった
アゴダシでとった昔ながらの我が家のうどんの汁、ゴボウにんじん豆腐を加え、最後に胡麻をたっぷりとのせていただきます。
ばばの若かった頃は小麦粉、胡麻、豆腐、アゴダシ.....なにもかもみんな自給した物で作った、食卓にのるのは島内でできるものがほとんどだった
地産地消、循環する社会システム.......今は古くて新しい、賢い暮らし方。
60年前から使ってきた製麺機、前部のローラでのし、後部で製麺する。
故障知らずだが、ばばにはハンドルが重くなった、もったいない気もするが処分する事にした、ほしい人がいたら譲ってもよいのだが。
冬の日のばばのお仕事..............鬼胡桃の殻むき
海が大きくもれあがり辺りを巻き込むように迫ってくる
暴風雪大時化の今日、来島や長手がずーっと遠くに感じる。
そんな日にはぬくぬくのストーブの部屋で手仕事をするばば
10月中旬に拾った鬼胡桃の殻むき
オンチャとばばとキタアカリとで仲良く実を殻から刳りだす
島胡桃(鬼胡桃)
子供の頃、秋になると沢に胡桃拾いに行った、胡桃は沢に多くあった、枯葉に隠れ沢の窪みにかたまって落ちてた、硬かった緑の殻が黒く腐り、沢の流れでそれを洗い落としてから持ち帰る........
あの頃、子供だった皆はどんな場面でも周りに気を配り工夫をし誰よりも一番多く家に持ち帰ろうと頑張った。海山から持ち帰った物は家族に喜ばれ、調理されまた遊具となった。
今でも胡桃をみると思い出す、石の階段を探してその上段に胡桃を並べ、下段に立って平たい小石で胡桃を打ち、当てた胡桃をもらっちゃう遊びを..................
おはじきの代わりにサザエのふた、山の畑の小豆が詰まったおてだま等など
大地とへそのおで繋がっていたあの頃、迷う事などなにもなかったあの頃。
瀬波温泉の湯治からパワーアップで戻ってきたばば、たまってた仕事を片付けなくてはと、今日も朝からパワー全開で明日の餅つきの準備をし、手を休める事なく「昔から桑の木で作った箸で食べると脳卒中にならないとしたもんだ」.とばばは初夏に乾燥させ取り込んでおいたドクダミと桑を茶袋に詰め始めた
つぼみを持った日陰のドクダミ、若葉の桑を日陰干にしたそれは、いかにも効きめがありそうな色合いとにおいがする
専用のやかんの沸騰した湯に溶け出したばばのお茶は見た目と違いさっぱりとしておかわりをするほどに飲みやすい............美味しい薬茶が300個できた
ばばはこのお茶が血の道を整えてくれてると確信して飲んでいる
12月も半ば島は時化ては凪ぐの繰り返し、初雪もありフェルリ―は欠航の連続。
釣りは!……….週末は時化続き・今日19日は久しぶりの晴れ、しかしフェリーは昨日時化で(‘風速21m)岩船から帰れず今朝回航。朝はおおうねり、午後になり波は1.5m、満を侍して久しぶりの出漁。
たまさん常宿 長手に行こうとオナマチにつくも仲間の車があり小長手で操業中。
予定変更は釣果に良くないんだよな!思えば今シーズンは長手に一度も行ってない・
一路北へ、仏崎には今年は嫌われている パス、一鼻は凪良すぎる。船隠しに行くも海は澄んで波は無くなり日没後勝負!…………
.結果 鯛2尾(2.2k)ナベ2尾(1.5k)他
月夜まぶしくも電気釣り多数、明日の鰤の豊漁を願い帰宅・今時の鯛はなかなか食べられない・皆で食することにしよう、ごっそさん 後は明日の船でKさんにお歳暮だ。
.............S丸釣行記..............
山崎のだらだら坂道を登って、藪に隠れたわき道を寄り道しながら、ヤガハナまで落ちては消える雪の中をウォーキング
ふり返るほどに年を重ねると、懐かしいアルバムをめくるように季節は変わる、
ページをめくるごとの情景は毎年同じようでそれは新しい光の中に立ち上がる
振り返って見えた山崎、釜谷の入り江、サドマリの大島、ナデコの沖...................
.当てにならない冬の海を相手に天気図とにらめっこの日々、良い天気を待っていては何もできない、曇りや雨の合間、風の和みをみて、おもしろい事が美味しい事につながる、釣にタルイカ探しに蛸捕と磯に出かける隣近所の元気なおかーさん達
キンベイかーさんは二時間ほど港でおかず捕り
タコ籠をあげるキンベイかーさん、入っていたのはアブラッコⅠとタコⅠ、
アブラッコは夕食のとーさんの肴、タコは正月の酢タコ、
春に渡り鳥の定期演奏会の会場だったヤガハナ急斜面の雑木林、
坂道を下りてゆくと、ここにいるよ、聞いて!.....冬空を裂くようにまっすぐに昇って行くような甲高い鳥の鳴き声聞こえてきた.......やっぱりいるんだ...
サドマリの流れが戻った小川...小川の岸の藪椿が咲き始めた
冬枯れの茶色の世界に真っ赤な椿が艶やかな緑の葉を赤くしていた。
5日の恵比寿さま.......山崎の海水を汲んできて沸かした桶の中、恵比寿さま
御一行は一年のあかを落として、ばばのお膳につく、
ばばはおんちゃが釣ってきた尾頭付きの魚でもてなす
9日の大黒さま............山の畑の特別な大根、根が曲がって二股三股に分かれ
いる大根はたぶん繁栄の象徴、その大根を供えばばの
豊かな実りを感謝...かな
12日の山の神さま.......一生に一度だけは願いが叶うという山の神さま、ばば
は若い頃から一年に一度お参りに出かけ、いつも同じ
お願いをするが、ばばになってもまだ叶わないと....
また同じお願いをしてた...................あたりますように!
13日はすす払い
15日は水神さま..........井戸の蓋の上に供えられていた新米のご飯と蝋燭の灯
夏、井戸に吊るされた冷ご飯スイカの冷たさ、井戸の
神さまだと思っていた子供時代、
ほんの半世紀前まで生活の場のそこここに神さまはい
た
17日は船魂さま..........港までお膳をもっていってかざしてくる、今は玄関先で
28日の餅つき................祭ってある神さまの数だけお飾り餅を作り、来る年の
お供えの準備をし、大晦日を待つ
命を繋いでくれる八百万の自然の神さまと一緒に在る島のばば達、ばば達が最後の一息まで島での生活が続く事を神さまにお願いしよう