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ミケマル的 本の虫な日々

『羊をめぐる冒険』 感想その1


 村上春樹再読5冊目『羊をめぐる冒険』

  

『風の歌を聴け』『1973年のピンボール』に次ぐ鼠三部作の3作目です。
村上さんが最初に書いた3冊の小説の主人公が僕とその友人である鼠であることから、鼠三部作と言われています。

 私は遠い記憶なのではっきりしないけど、村上さんの小説で最初に読んだのがこの『羊をめぐる冒険』でした。
今まで読んだことないような小説で、すごく面白かったと思ったのを覚えています。
しかし、その前の2冊は相当経ってから読んだし、3冊を順番に読んでなかったので、なんかピンとこなかった。

 今回ちゃんと順番に、そしてゆっくり読んだら、この3冊の本の流れと変化が少しわかったように思います。
前の2冊があったゆえの、この『羊をめぐる冒険』なんだなとも。
でもやっぱり、この本は面白い❗️
前の2冊に比べて急に分量が増えて厚い本になってますが、後半にかけてはどんどん先が読みたくなってくるので、それが気になりません。

 とはいっても、羊をめぐる冒険が始まるのは第4章からで、その前の3章はどことなく前の2冊を思わせるような僕の回顧と今の生活を描いています。
そして、この3冊に共通してるのは個人的な喪失感と絶望感の存在。
これは一般的に青春時代からその後の時代に持つ感覚と時代性と個人的体験の全部が混ざったものなのかな。
僕は30になるまでに結婚と離婚を経験しているけれど、どこかで書いてあるように、やろうと思うと結構なんとかなってしまう人。
でも、それと引き換えに何かを無くしてる気がする。
反対に鼠は自分の弱さを抱えて、何もできないという絶望を持っている。

 『1973年のピンボール』で鼠は故郷の街を出て行きます。
海を見ながらどの街に行こうかと迷いながらも、その先に希望を見出しているようには思えなかった。
そんな鼠からの手紙によって大きく物語が展開していくのですが、それは後からじわじわとわかってきます。

 第4章から本格的に始まる羊をめぐる冒険は、前の2冊とは違った趣になって行きます。
ここからが怒涛の展開!
そして、この後の村上さんの小説の原型のようなものが作られたのではないかと私は思いました。

 色々と考えたり感じたりしたことがあるので、また明日書こうと思います。
でもとにかくお勧めしたいのは、順番に読んでみてください!ってことかな。

 

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