直木賞受賞した、「渦 妹背山婦女庭訓 魂結び」 大島真寿美著
書名が難しい(笑) 「うず いもせやまおんなていくん たまむすび」
この装丁も好き❗️
江戸時代、大阪。
主人公はその頃全盛期だった浄瑠璃好きな父に連れたれて、幼い頃から浄瑠璃を見て、その世界に入っていきます。
人形浄瑠璃といえば、
私は、10年ちょっと前に浄瑠璃見てみたいと思って、福岡、東京、大阪で数回みました。
人形が語りや三味線に合わせて演じていく浄瑠璃の世界は、歌舞伎とは違う、独特の魅力がありました。
上手な語りの方が一人で様々な役を語り分けていくのが、全く不自然でなくて、人形の所作を見ていると、その世界に引き込まれていくような感覚がありました。
人形浄瑠璃よりも歌舞伎の方が今は人気がありますし、
歌舞伎と人形浄瑠璃は同じ題材で演じられる事も多いようです。
歌舞伎はもちろん生身の役者さんが演じるので、とてもリアルです。
役者さんの人気もあって、そのリアルさが人気なのだと思います。
でも、江戸時代に作られた演目は、人の感情も強いし、切った切られたと結構血なまぐさいので、演目によっては、私には結構しんどく感じる部分もありました。
人形浄瑠璃は、その点、語りと人形という完成された形であるため、向こうの世界の出来事として感じられ、さらにその中に自然に引き込まれるという摩訶不思議な感覚で物語を感じることができるように思いました。
なんとも、説明が難しいのですが、私は浄瑠璃の方が好きだなと。
そんな事を思いながら、このお話を読みました。
そして、この本を読んでいて、物語を作るという事の難しさ、凄さ、危うさを感じ、当時の大阪、京都、奈良の様子を感じ、浄瑠璃と歌舞伎の当時のせめぎ合いを知りました。
このお話の中で、浄瑠璃を作る作者、人形を操る太夫、興行主、などの浄瑠璃への強い気持ち、欲がありながらも、話を作り上げるためには気持ちの面でも実際の面でも相互関係が密である事に関心しました。
どんどん読み進めずにはいられない、「直木賞、なるほど❗️」と思うようなお話でした。
ゴールデンウィークに行ったばかりの奈良や吉野の金峯山寺なども出てきたのも、なるほどポイントだったという😉
そして、浄瑠璃は良いな〜〜と思っているので、主人公の浄瑠璃に対する気持ちにも共感しつつ読んだので、とても良かったです😄
そして、この「妹背山婦女庭訓」を浄瑠璃で見てみたいなと思いました。