ミケマル的 本の虫な日々

『ムーミン谷の冬』を再読しました


GWのオタク活動 『ムーミン谷の冬』読みました。

昔読んだ本を読みなおすシリーズ
 『黒い目のレベッカ』 ⇨こちらから
 『たのしいムーミン一家』 ⇨こちらから  
   に続く3回目

トーベ・ヤンソンのムーミンシリーズの中で、『たのしいムーミン一家』と同様にアンデルセン大賞を取った本です。





『たのしいムーミン一家』が好きだったから、これも買ってもらったのね。

『ムーミン谷の冬』は冬だけに、『たのしいムーミン一家』よりもちょっと寂しい感じのお話が多い本。

ムーミンは北欧に住んでいるトロールなので、冬は太陽が昇らない日があってとても寒くて暗いから、冬眠しちゃうのです。

ムーミンも秋に松葉をたくさん食べて、みんなでベットに入って冬眠しています。

春になると自然に目覚めるらしいのだけど、ある年ムーミンが春になる前に一人だけ目が覚めちゃうお話。

冬のムーミン谷はいつも見慣れている春から秋へのムーミン谷と全然違う景色になってて、びっくりします。

景色だけでなく、いつもムーミン谷にいる住民ではない、冬だけ住んでたり、冬だけ出てきたりする動物やトロールや人?がいて、それにも驚くし、違和感を感じるのです。

他の家族や友人は起きてこないので、ムーミンは一人で冬の世界を経験します。

その中で、ヤンソンさんすごいなと思うのは、ただ単に冬の世界の冒険を描くだけでなく、異質な物を受け入れ、理解しようとする過程をムーミンの葛藤の中できちんと描いているところ。

いつも見慣れている場所、自分のテリトリーだったところに、知らない者が住んでて、それぞれがちょっと変わってて、最初はそれを受け入れ難くて葛藤するのよね。

それを自分の中で受け入れていく過程でムーミンは成長して春が来るのでした。

ムーミン谷の冬の寒さや寂しい感じや恥ずかしがり屋の動物達、その中でムーミンのガイド役をしてくれる「おしゃまさん」がなんとも味があって、印象的です。

それと対照的な、「ちびのミー」も登場。
傍若無人なんだけど、めちゃくちゃ元気で怖いもの知らず。

恥ずかしがりや、寂しがりや、怖がりやもたくさん出てきて、こういう否定的に取られそうなキャラクター達が、ちゃんと居場所を作ってもらっているのがムーミンのお話のすごいところだと思います。

 当時はそんなこと思ってなかったけれど、人生の初めの方で、こういう本を読んでいて良かったな。

 のちにTVアニメになって有名になったけれど、TVと本ではだいぶ違います。
本は大人が読んでも十分に楽しめるし、いい本だと改めて思いました。


これからのオタク活動に、昔読んだ本を読みなおすシリーズを本格的に追加しようかな。




 

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