久しぶりに本屋さんに行ったら、こんな本を見つけました。
『アガサ・クリスティー完全攻略』［決定版］
霜月蒼著
私はアガサ・クリスティーが若い頃から大好きでたくさん読みました。
BBCのポアロシリーズやミス・マープルシリーズもたくさん観ました。
（実はDVDボックスも持ってます😅）
TVシリーズは今でも時々放送を見ていますが、本からはちょっと遠ざかっていました。
しかし、この『完全攻略』を読んだら、また再読したくなりました❗️
著者の霜月蒼さんはミステリー評論家という事です。
しかし、クリスティーをもちろん知っているが、真剣に読んだことがなかった言うことで、全作品を順番に読んで書評を書いていらっしゃいます。
凄い❗️
そして、もっと凄いなと思ったのは、作品の説明と評価をしているのに、ネタバレをしていないってこと‼️
推理小説の解説でネタバレしたらダメでしょうが、こんなにたくさんの作品をネタバレ無しで説明するって大変だっただろうな〜〜。
何よりも嬉しかったのは、最初はクリスティーの作品に懐疑的？だった霜月さんがどんどんクリスティーの素晴らしさに気がついてくれるところ😉
ミステリーの女王とか言われていますが、クリスティーが書き始めた頃にはまだミステリーという分野が確立されていなかった時期で開拓者だったのです。また、彼女の小説は謎解きの面白さだけでなく、その周囲の人間描写や物語が良いのです。ミステリーを楽しむと同時に人間の心理や生活や業やさがや様々な物が語られるので深みがあります。
また、クリスティーの一貫した女性への眼差しとユーモアがあるので、どんな殺伐とした事件であっても読後感が悪くないのが素晴らしいと思います。
読んだ後にしみじみと人生を考えてしまうような物語も多いです。
この本では作品に応じて星の数で評価がしてあって、
星４つは「ミステリー史上の傑作」
さらに最高の星５つは「未読は許さん、走って買ってこい」です（笑）
星５つの中で忘れちゃったお話はもう一度読もうと固く決心しました😉
ところがところが、たくさん持っていたクリスティーのハヤカワ文庫などを２年前に全部処分してしまいました〜〜〜〜😅
この中の右下の10冊くらいは新しい文庫なのでまだ持ってますが、その他の古い本は字が小さいのと紙が変色してしまって凄く読みにくくなっていたので、思い切って処分してしまいました。
本は処分したけど、早川ミステリー文庫のこの表紙のデザインが素敵なので表紙だけとってあります。
もっとたくさんあるので、この表紙をまとめてファイルするかジャーナル風にするかしようかなと思っています。
このデザインをされた真鍋博さん、素晴らしい！
改めて見ると、その物語を体現しつつ、エキゾチックなデザインで、この表紙を見ただけでワクワクします。
表紙だけでも捨てないでとっておいてよかったな〜〜🤗
2020年はアガサ・クリスティーのデビュー100周年だそうな！
この本をきっかけに、またクリスティーをゆっくり楽しもうかなと思ったのでした。
私の思うクリスティーの最高傑作は『春にして君を離れ』です。
これは推理小説ではないけれど、こんなに怖くて深いお話はなかなかありません。
霜月さんも星５つに指定済み。
そして、なんとも言えないユーモアもあり、人間の心理っていつの世でも変わらないものがあるなと考えさせられつつ、ミステリーとしても秀逸なお話が多いです。
この本を読んでたら、私の分類の中では、よく覚えている本、だいたいの筋を覚えている本、なんとなく覚えている本、ほとんど忘れちゃった本、などの分類ができたので、とりあえず星５つの中で忘れちゃった本から再読しようかなと。
「未読は許さん、走って買ってこい」ですから😉
霜月さんのおかげで、アガサ・クリスティーを再度楽しめるような気がしています。
