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ミケマル的 本の虫な日々

『対岸の家事』と『イントゥ・ザ・プラネット』


 最近読んだ本。全く違うけれど、女性の生き方ではあります。

『対岸の家事』 矢野帰子



 話題になった本のようで、漫画ではないのにビニールでカバーされていました。
最初に専業主婦は絶滅危惧種になったとあった。
そうか〜もはやそういうことになってたのか、とまず思ったのでした。
私が子育てしてた頃は子供が小さい時は主婦をするべしなんて感じだったけど、今じゃ働く母親が普通で専業主婦は肩身が狭いわけなの?
どっちでもいいじゃんと思ってしまう私って(笑)

 結局のところ、家事だけだったらそれほど大変ではないと思うけれど、子育ては大変。
何しろ、赤ちゃんの時は母乳でもミルクでも数時間毎に与え、何回もおしめをかえなくちゃいけないし、寝られないし。
そして動くようになったら、目を離したら何するか分からないから気が抜けない。
世話をする人はほとんど全ての時間を費やさないとできないのが幼児期までの子育てだと思います。

 私も娘達が幼稚園に入るまでの時期が本当に辛かった。
この本に出てくる専業主婦の人とは少し違うけど、自分の時間が無いし休めない。
フルで働いて子育てしてる人はまた大変だと思います。
色々な問題提起がある本ですが、ソフトな文章で書かれているので読みやすい。
登場人物がそれぞれの立場で極端に描かれてる感じに思えますが、そこがわかりやすく面白くなっているんだろうなと思いました。

 まずは色々な価値観があっていいってことを認め合うのが大切なのではと思います。
日本は画一的になりやすいから。
少し前までは3歳までは母親が子供を見るべきで専業主婦がいいって言ってたのに、今は子供を預けて働かないとダメってことになってるって。
その人その人の事情や考え方でどんな生き方を選んでも自由じゃないと思いました。
それを一緒に築いていくのが夫婦のはずなんですけど、そしてそれをサポートするのが行政のはずなんですけど、それがなかなかできないと少子化が進むな〜と感じました。


 
『イントゥ・ザ・プラネット』 ジル・ハイナース 村井理子訳
ありえないほど美しく、とてつもなく恐ろしい水中洞窟への旅



 海にスキューバダイビングをするだけでなく、洞窟の中にある水に潜る。
著者のジルさんはこの分野でのスペシャリスト。
自分の興味や冒険だけでなく、科学的な調査としても多くの水中洞窟のダイビングが行われているということを知りました。

 そして、それが非常に危険を伴うけれど、魅せられた人々がたくさんいることも。
さらに、地上の水系と地中の水系が大きく関連していて、普通に思っているよりも地中に水系が張り巡らされていることも。
環境破壊との関連も大きいそうな。

 この本を読むと、こんなに危険な事をなぜ???と思うことばかり!
でも、命の危険を回避するために周到な準備を行っているのが分かります。
そして、ジルは命の危険を犯してでも新しい何かを体験したい見つけたいというモチベーションが衰えないのです。
近年こういう冒険者気質を持つ人に多くある遺伝子がわかったというのにも驚きました。7R遺伝子というもの。
この遺伝子を持っている人は冒険に魅せられてしまう人達だそうな。
そして、一定のこういう人々のおかげで人類の世界が広がってきたのでしょう。

 しかし、こんな気質のジルさんでも結婚していた時は夫が望むような妻にはなれないと悩んだこともあったようです。
同じダイバーとして活動していても、夫婦という関係は難しいし、夫が妻に求めるものも普遍的なものもあるんだなと思いました。

 兎にも角にも、描写が美しく、時に残酷で、凄いノンフィクションでした。
この本を訳したのは村井理子さん。
村井さんの訳した本は女性の著者が多くて、だいたい面白いです。
そして、『全員悪人』などご自分の周囲のことを書いた本も面白い作家でもあります。

 全く違う角度から書かれた本を読むって楽しいし大切だなと思った2冊でした。

 

 
 

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