ミケマル的 本の虫な日々

噂の『サピエンス全史』上巻 読みました


『サピエンス全史』上巻 ユヴェル・ノア・ハラリ著 柴田裕之訳
 文明の構造と人類の幸福

全世界500万部売れたという本
この本の後、「ホモ・デウス」という本も書いておられます。

以前から書店に並んでいて気になってたのですが、最近見てる名越さんのお話で書名が出たので、やっぱり読んでみようと思って買ってみました。




 
 私たちヒト(ホモ・サピエンス)がどのように今のような状態になったのかを資料をもとに独自の考えで組み立てていく本でした。

まだ上巻を読み終えたところですが、ここまでのところで興味深かったところをまとめてみようと思います。


 一番インパクトがあったのが、ホモ・サピエンスが全世界に広がって住むようになった経過を考察した部分です。

 なんとなく、現在の人間としてのホモ・サピエンスは、ネオンデルタール人などから進化して生まれた最終の状態として広がったと思っていましたが、実は違ったということ。
ネオンレルタール人や東方アジアに住んでいたホモ・エレクトス、ジャワ島に暮らししていたホモ・ソロエンシスなど複数の種類のヒト科の人間が同時に存在した時代がむしろ長かったということ。

 200万年前から1万年前までの間、世界にはいくつかの人類種が同時に存在していて、10万年前の地球には少なくとも6種類のヒトの種が暮らしていたそうな。
これは考古学的な裏付けでわかっていることだそうです。

 共通して、巨大な脳を持ち、直立歩行していた。しかし、その代償として、骨盤が狭くなり小さい子供でないと産道を通れないため未熟な状態で産まねばならなくなった。
道具を使い、未熟な子供を育てるために家族が協力するという共通点はあったけれど、長い間ヒトは他の動物よりもどんどん増えるということなく、食物連鎖の一番上というわけでもなかった。

 ところが、ある時火を使えるようになって、食物を熱して調理できることが可能になり、食べられる物が急激に増え、腸が短くなったためにエネルギー効率が良くなり、ますます脳を大きくすることができたと考えられる。

 15万年前に私たちの直接の先祖のホモ・サピエンスが東アフリカに住むようになり、およそ7万年前にアラビア半島に広がり、短期間でユーラシア大陸全土に広がったと見られています。
そして、ホモ・サピエンスが広がると他の人類を席巻してしまったということです。

 多少の交雑も起こったけれど、どうも他の人類を滅ぼしてしまったという説が有力だそうです。
なぜ、そんなにホモ・サピエンスが有力になることができたのか?

 それは、言葉の力を持ったからと推察しています。
他の人類も簡単な言葉を持っていただろうけれど、ある時点でホモ・サピエンスの脳に起こった突然変異によって、言葉の柔軟性が発達し、複雑な情報を伝えることができるようになった。認知的能力の革命(認知革命)が起こったからと考えられる。

 今見たものを伝えるだけでなく、過去に見たもの(ライオンが川の側にいたからもう直ぐ来るかも)や他の人の情報(誰かは正直だけど、誰かは嘘つきだ)、未来のこと(明日は熟したあの木の実を取りに行こう)など、多くの情報を交換できるようになった。
さらに、実際の事だけでなく、想像上のことや神話のようなものを言葉に表すことができるようになった私たちの先祖は、他の人類を凌駕してしまったわけです。

 こうやって、ホモ・サピエンスはユーラシア大陸全体に広がり、狩猟採集生活をして暮らしていたわけですが、この暮らし方は私たちが思うよりも豊かな暮らしだったようだとのこと。
その後の農耕への転換の前だから、大変な暮らしかと思いきや、その土地その土地に適応して大きくなった脳を駆使して、豊かな食生活を送っていたのではと最近は言われているそうです。

 そして、この時点で人間は他の動物に対して大きな脅威となってきたのです。
脳を使い、道具を使い、火を使い、獲得した言語で協力して、一気に食物連鎖の一番上に上がった人間は、他の動物に対する最も危険な動物になったということ。

 ユーラシア大陸では徐々に人類が進化したため、それほどではなかったけれど、それでもマンモスは人間が侵入した地域から順番に絶滅したと考えられる。
その上、海を渡ったり、陸続きの時に渡ったりして、人類が他の大陸に上陸すると、その大陸の固有の種の多くが人類により絶滅させられたと考えられています。

 オーストラリア大陸、アメリカ大陸の動物は人間という種にさらされずに進化していたので、急に現れた人間に対処することが全くできなかった。
そのため、オーストラリアやアメリカ大陸の大型の哺乳類の多くは人類が上陸してしばらくすると多く絶滅してしまっているそうで、その時点ですでに人類は地球上で最も危険な種になっていたのですね。

 狩猟採集生活していた人類にとっては新しい大陸の動物たちは良いタンパク源だったのだろうとは思いますが、その時点で少数の人類によってさえ多くの動物は打つ手がなく絶滅しちゃったんだな〜〜と、この時点で結構しみじみしました。

ここまでが 「第一部 認知革命」 です。
これから農耕が始まりまだまだあるのですが、ここの部分が私には結構インパクトあったので、長々と書いてしまいました😅
 
 続きはまたの機会に🤔

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