沖縄・台湾友の会

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バイデンは「カンボジア」を「コロンビア」と言い間違えたが   リアム海軍基地工事を中国が建設支援している事態に懸念を表明

2022-11-18 07:38:10 | 日記
「宮崎正弘の国際情勢解題」 
    令和四年(2022)11月15日(火曜日)
       通巻第7523号
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 バイデンは「カンボジア」を「コロンビア」と言い間違えたが
  リアム海軍基地工事を中国が建設支援している事態に懸念を表明
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 ASEAN会議は11月13日にカンボジアで開催され、加盟国10ケ国に日米豪、中露に韓国とNZが参加した。各代表は7~8分の演説、中国の李克強首相だけは、15分もマイクを握って会議の雰囲気が反中ムードだったことに反撥し水をさした。
 注目は東チモールのASEAN参加を認めたことである。

 ホスト国カンボジアで、バイデン大統領は「コロンビア」と間違え、すぐに訂正したことをマスコミが大きく取り上げたが、耄碌したわけでもなく、前日12日のフンセン首相との首脳会談で、大事なことを言っている。
すなわち中国が建設支援しているカンボジアのリアム海軍基地に対しての懸念である。表看板は「一帯一路」。実態は中国の海軍基地化である。

 中国は「見える侵略」としてフィリピンのスカボロー礁、南沙諸島を抑え、スリランカのハンバントタ港から東アフリカのジブチへと到る航路を確立し、いずれ軍事基地化を狙っているのは明瞭である。

 ステルスのように「見えない侵略」が、バングラデシュのチッタゴン、ミャンマーのチャウピュー、パキスタンのグアダール、モルディブの無人島、そしマラッカ海峡をバイバスするクラ運河建設構想、マレーシアの東西横断鉄道などのプロジェクトで、密かに海軍基地化を狙ってきた。

 これら「ステルス・プロジェクト」は建設途次、もしくは中断している。就中、習近平が目玉プロジェクトとしたパキスタンのグアダール建設はとうとう頓挫、カラチへ移転した。

マレーシアの東西横断新幹線は大幅に縮小し、クラ運河は「壮大な風呂敷」として終わりつつある。モルディブとスリランカでは反中暴動により親中政権が退陣した。

 11月13日、ASEAN出席もそこそこに、バイデンはG20出席のためインドネシアのバリ島へ向かい、14日には習近平と三時間12分に及ぶ米中首脳会談をおこなった。台湾問題で平行線、成果はゼロ。会談の継続だけが合意された。

米中会談の場所は海に臨む豪華ホテル「ムリア・リゾート・バリ」で、七つのプールなどバリ島最大のリゾート。小部屋でも一泊五万円。習近平一行はこのホテルを借り切っていた。


▲世界のメディアがバリ島のG20に注目している隙に

バイデン大統領は米中関係を論じ、「競争を衝突に変えるべきではない。責任を持って競争を管理し、意思疎通の手段を維持しなければいけない」と月並みな台詞。しかし台湾に関して、「米国は『一つの中国』政策に変更はないが、いかなる現状変更にも反対する」と述べ、中国の台湾威圧に反対を表明した。

習主席は「台湾は中国の『核心的利益』のなかでも核心だ」と強調し、「中米関係の越えてはならないレッドラインだ」として絶対に譲歩しない姿勢を示した。これもまた予想通りの台詞をオウムのようにくり返したに過ぎない。北朝鮮の核・ミサイル開発への対応や気候変動対策などは「協議継続」とし、2023年早々にブリンケン国務長官が訪中することになった。

米中会談の成果はないが、中国の『環球時報』(11月14日)は、「建設的で有意義だった」と書いた。

ところで習近平は中国が進めているジャカルタ~バンドン間の新幹線開通式に出席を予定していた。なにしろ2019年完成予定だった新幹線はまだ工事半ば、G20にあわせての開通を目論んでいたものの間に合わず、晴れ舞台が消えた。 

 G20にメディアが報道を集中させ、ラブロフ露外相の入院騒ぎがあった。
同日、トルコのアンカラで、秘密会談が開催されていた。ロシアのCIAに相当するSVRのセルゲイ・ナリシキン長官と、米CIAのビル・バーンズ長官が密かにアンから入りしていたのだ。両国はともに会談を否定しているが。。。。

安倍元首相の皇位継承論 【阿比留瑠比の極言御免】

2022-11-18 07:36:47 | 日記
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 安倍元首相の皇位継承論
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       【阿比留瑠比の極言御免】


 10日朝、月刊文芸春秋の新聞広告を見て「安倍晋三秘録3 『愛子天皇』を認めていた」という見出し記事に驚き慌てて近所のコンビニエンスストアで買い求めた。安倍氏に近かったジャーナリストの岩田明子氏が書いただけに、どんな内容かと注目したが、結論から言うと見出しは羊頭狗肉(ヨウトウクニク)というほかない。

[官房長官時代の苦悩]

 平成17年の小泉純一郎内閣における皇室典範有識者会議が女性・女系天皇容認へと突き進むのを、小泉氏の意思が固かったため、官房長官だった安倍氏はその流れを変えられなかったという話である。岩田氏によると同年11月、安倍氏はこう語っていたという。

 「おそらく性別に関係なく長子優先で落ち着くのだろう。果たしてそれでいいのだろうか。天皇は125代も男系を守ってきたのに、正直、私が官房長官の時代に変更することには抵抗がある」

当時、安倍氏は筆者には「小泉さんは(父方の系統に天皇を持つ)男系と女系の区別も分かっていない」と漏らしていた。自分自身の考えと、小泉首相を支える官房長官としての立場に引き裂かれ、悩んでいたのは間違いないただ、いずれにせよこれは秋篠宮家に男系男子である悠仁さまが誕生される以前の議論である。その後は「皇室ももっと改革が必要だと言っていた小泉氏も皇室典範改正で女性・女系天皇を認めることをあきらめ、問題は沈静化した。

岩田氏の記事では、私が安倍氏から聞いてきたこととは食い違い、意外に思う部分もあった。岩田氏は、安倍氏がここ数年、何度かこう口にしていたと記す。

 「安倍内閣の体力のあるうちに、有識者会議を立ち上げる。そして将来、愛子天皇誕生への道筋に向けても責任ある議論を進めなければならない」

 岩田氏はこれについて、《あくまでも秋篠宮や悠仁さまへの皇位継承を前提としたうえで、さらに皇統の存続を確かなものにすることが、重要であるとの立場だった》と説明するが・・・。

[女性宮家には否定的]

 筆者と何度も話した限りでは、安倍氏はそもそも女性皇族をご自身の意思にかかわらず皇族という地位にとどめ置くこと自体に否定的だった。女性・女系天皇だけでなく、女性皇族が結婚後も皇族であり続ける女性宮家に関しても「意味がない」との見方だった。

 安倍氏は例えば、こんなことを語っていた。

 「女性宮家をつくるよりも、(戦後に連合国軍司令部の意向で皇籍離脱した)旧宮家を復活させる方が容易だ。ただ、普通は職業選択の自由のない宮家になりたいという人は、そういない」

 「女性皇族方はみんな女性宮家になりたいとは思っていない。そういうのは皇族と接していれば分かる。自由な生活をしたいと望まれている」

 「皇位継承者は、(その時々の)天皇陛下の直系である必要はない。多少、血縁が遠くてもいい。実は皇位継承をどうするかは個別の話であって、あまり制度的な問題ではない。将来、必要ならば旧皇族に戻っていただければいいだけだ」また、週刊誌などでたびたび秋篠宮家の悠仁さまではなく、天皇、皇后両陛下の長女、愛子さまを天皇にすべきだとの特集などが組まれることに対しては、こう憤っていた。

 「悠仁さまから皇位を奪うことになる。それは簒奪(サンダツ)であり、あり得ない」

 いずれにしろ、文芸春秋の見出しは安倍氏の真意とはズレており、誤解を招くものだろう。