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カザフスタンの反政府抗議行動が「テロリスト、外国人多数が混入」?   ロシア、いわゆる「平和維持軍」をアルマトイへ空輸

2022-01-11 09:29:44 | 日記
「宮崎正弘の国際情勢解題」 
  令和四年(2022)1月11日(火曜日)弐
     通巻7183号 
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 カザフスタンの反政府抗議行動が「テロリスト、外国人多数が混入」?
  ロシア、いわゆる「平和維持軍」をアルマトイへ空輸
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 ガソリン値上げに抗議するカザフスタン民衆が抗議の声をあげたのは1月2日だった。
 アルマトイ市役所、大統領官邸などに放火したため、カザフスタン政府は軍を投入し戒厳令を敷いた。死者数百、逮捕およそ五千人。抗議集団のなかにアフガニスタンのISが混入していたとトカエフ大統領は発言した。

 カザフスタン政府は「かれらはテロリストであり、多くの外国人が含まれている」と「テロリスト」、「外国の陰謀」というイメージを振りまき、事態の収拾をはかる。

 民衆の抗議の的はナゼルバエフ前大統領(81歳)とその一族であり、「老人は去れ」と叫んだ。富を寡占し、事実上の専制政治を敷いたナゼルバエルは明確に敵という位置づけ、かれらは「ナゼル・カーン」と呼ぶ。
現体制は事実上の「ナゼルバエフ院政」である。

 ロシアはCSTOに基づき平和維持軍と称する軍をアルマトイへ空輸したが、輸送機は戦車も運んだ。機関銃で武装したCSTO軍にはロシア兵のほかアルメニア、ベラルーシなどの兵隊も含まれているという。

 ロシア同様に対応が迅速だったのは中国だ。
習近平はただちにトカエフ大統領にメッセージを送り「テロリストへの対応を支持する」とした。
在カザフの中国大使館は在留中国人の安否を確かめ、被害はないと発表したが、警戒を緩めていない。「ガソリン値上げ反対」のスローガンが「中国の搾取摘発、中国は出ていけ」の反中運動に転化しかねないため、動向を監視している。

 中国は一帯一路の拠点としてカザフスタンを重視しており、これまでに数十のシルクロードプロジェクトを展開し、合計192億ドルを投資した。2023年までに245億ドルを投資するとしている。
 カザフスタンは中国に原油を50億ドル、トルクメニスタンからのガス輸送パイプラインの通過代金にくわえて、少量のガスも中国に輸出している。

 中国カザフスタンの貿易は年々歳々増加しており、2021年1月11月の速報でも中国からの輸出が125億ドル、輸入が103億ドル。これにくわえて中国から欧州向けの鉄道輸送は必ずカザフスタンを経由する
 同期の20フィートコンテナは146万個。コンテナ列車は1万5000本が通過した

 カザフスタンの首都はヌルスルタン(1997年にアスタナを改称、新都心とした。ヌルスルタンはナゼルバエフの愛称)。最大都市はアルマトイで、緑のオアシス、木立が緑風を呼び、多くの公園は緑に囲まれて市民の憩いの場所。モスクワとも鉄道が繋がっている。
 たしかに外国人も多いが、一番目立つのは中国人で、カラオケもレストランもホテルも、中国語が飛び交っていた。

 ナゼルバエフ前大統領は現職時代に四回、訪日しており、わが国が関心を寄せるレアメタル開発などが実務レベルで話し合われた。
 日本からの現職首相の訪問は小泉純一郎と安倍晋三首相。直近のカザフ訪問は中西哲参議院議員。
 カザフスタンは中央アジアの地政学の要衝である。


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