沖縄・台湾友の会

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学術会議 民営化で自由に

2020-11-01 13:21:58 | 日記
阿比留瑠比


ドイツの社会学者、マックス・ウェーバーといえば、政治家が、著書『職業としての政治』を引いてその心構えを語る場面が目立つ。だが、彼には『職業としての学問』という著書もあり、学者らが教室で、政治的集会で語るような党派的な言葉を使うことを強く戒めてもいる。

 「もし教師たるものがこうした事情、つまり学生たちが定められた過程を修了するためにはかれの講義に出席しなければならないことや、また教室には批判者の目をもってかれにたいするなんぴともいないことなどを利用して、(中略)自分の政治的見解をかれらに押し付けようとしたならば、それは教師として無責任きわまることだ」

  非現実的な主張

 長々と引用したのは、26日のBSフジプライムニュースで、政府機関、日本学術会議の新会員の選に漏れた岡田正則・早大大学院法務研究所教授が述べた言葉から、岡田氏はどんな講義をしてきたのだろうかと想像したからである。

 岡田氏は、学術会議が学問の自由を侵して大学研究者による軍事研究を事実上禁じてきたことに関連し、こう語っていた。

 「相手が軍備を持っているから、こちらもそれに向かって武器を持たなければいけない、こういう技術を動員しようというのはもはや時代遅れだと思う」

 「中国でも北朝鮮でも、国際社会で変な武器を持たないようにしましょう、使わないようにしましょうとするのが自衛の在り方だ」

 控えめに言って現実的ではないし、論理性もなく何ら説得力を感じない、筆者が教員だったら、こんな答案は「現状認識が根本的に間違っている」として不可を与えたいが、学術会議ではごく普通なのだろいうか。

 筆者は、はるか昔の大学時代、あまりに空想的平和主義に傾いた国際政治関連の講義に、あきれた思い出がある。今も案外、変わらないのかもしれない。

 岡田氏の考え方は、「対北朝鮮の問題は外交的解決しかありえない」(小池晃書記局長)との共産党の積年の主張と、通底するようにも思える。ともあれ、任命権者の菅義偉首相が、特別職国家公務員に任命するにふさわしいだろうか。

  繰り返し偏向指摘

 学術会議の在り方はたびたび問題視され、改革も試みられてきた。昭和46年9月3日の朝日新聞記事によると、自民党の政調内閣部会(鯨岡兵輔部会長)は、日本学術会議についてこんな報告をまとめている。

 「このまま放置すれば、学術会議は一部特殊イデオロギーを持つ者の集会所となり、それが法律により権威づけられているだけに、国家の存立にかかわる重大な要因になるといってもいいすぎではない」

 税金が投入される学術会議に対する特定政党の浸透と、それに左派偏向は半世紀以上前から繰り返し指摘されてきたのである。

 また平成15年には、政府の総合科学技術会議(議長・小泉純一郎首相)は学術会議の在り方について「国の機関として存続を」と望む学術会議側の主張を退け、10年以内に国から独立した法人にすべきだとする改革案を決定したが、うやむやになっている。

 学術会議元副会長の唐木英明・東大名誉教授は民間のシンクタンク、国家基本問題研究所のホームページでこう提言している。

 「欧米の科学アカデミーに倣って民間組織に生まれ変わり、真に社会の役に立つ政策提言機関として活動する道を選ぶしかない」

 民間組織ならばどんな人事も偏向も自由なのだから、民営化すればいい。今が絶好のチャンスである。

(産経新聞論説委員兼政治部編集委員)
産経ニュース【阿比留瑠比の極言御免】 令和2年10月29日

松本市 久保田 康文さん採録

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