沖縄・台湾友の会

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今度こそ自衛隊の原発警護を  【阿比留瑠比の極言御免】

2022-03-26 23:23:41 | 日記
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今度こそ自衛隊の原発警護を
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      【阿比留瑠比の極言御免】 

 ウクライナのゼレンスキー大統領の23日の国会内でのオンライン演説 を、どう評価するか。ソ連(現ロシア)による北方領土不法占拠やシベリ ア抑留、米国による原爆投下や東京大空襲などへの言及もなく、ロシアの ウクライナ侵攻への態度を曖昧にする中国にも特に触れないなど、各方面 への配慮が目立った。

 一方で、日本人の心に響く原発事故や津波、化学兵器のサリンや復興は きちんと押さえており、よく計算された演説だとの印象を受けた。特に原 発に関する次の言葉は人ごとでは済まされない。

 「ロシア軍に制圧されたチェルノブイリ原発を想像してほしい。破壊さ れた原子炉の上にある核物質処理場をロシアが戦場に変えている。(中 略)既に欧州最大の原発が攻撃を受けた。

平時は警備対象外

 折しも自民党の高市早苗政調会長は同日の演説前の記者会見で、自衛隊 による原発警護を平時から可能にする自衛隊法改正に意欲を示していた。 高市氏はこう指摘した。

 「平時から原発の警護を自衛隊が行うことは現行法ではできない。自衛 隊法に新たな任務として追加しなければならない」

 実は高市氏は1度目の政調会長当時の平成25年3月にも、記者会見など で「治安出動レベル以前でも、警護に参加できる法的な備えをしておくべ きだ」と繰り返し述べていた。積年の問題意識なのだろう。

 自衛隊の治安出動は「間接的侵略その他の緊急事態」がすでに起きてい る場合に発動されるのに対し、警護出動はテロなどの「破壊活動が行われ るおそれ」がある段階で発動できる。

 ところが、「平時の治安維持は警察の任務」という原則から警護出動の 対象は自衛隊施設や駐留米軍施設に限られていて、皇居や首相官邸、国 会、原発など国内重要施設は自衛隊の警備対象から外されている。

 2001(平成13)年9月の米中枢同時テロを受け。自民、公明、保守の当 時の与党3党がこれらも警備対象とすることでいったん合意したものの、 自民のハト派重鎮らからこんな強硬な反対意見が出たことで見送られた経 緯がある。

 「しっかり警備に取り組んでいる警察への侮辱だ。国民に銃を向けるの か」(野中広務元幹事長)

「国民に(立法、司法、行政の一部または全部を軍の支配下に移す)戒厳 令と受け取られる」(加藤紘一元幹事長)

 警察では対応できない事態が起きているからこそ、自衛隊の警備対象を 拡大しようという議論をしているのに、観念的・空想的な反自衛隊思想で 横やりを入れたのだった。

議員立法検討も

 間接的侵略で原発などの重要施設が攻撃を受けた場合、治安出動が発動 され自衛隊が動けるようになる前に、すでに破壊は完了するか深刻な被害 を及ぼしていることだろう。まさに「平和ボケ」そのものである。

 この問題をめぐっては平成23年の東日本大震災発生後も、自民党内で自 衛隊による原発防衛を可能にする議員立法提出が検討されたが、結実しな かった。

 災害対策基本法制定は昭和34年の伊勢湾台風後で、救助のための自衛隊 車両が許可なしで被災地の道路を通行できるようになるのは、平成7年の 阪神淡路大震災を経た同法改正後、原子力災害対策特別措置法も、11年の 茨城県東海村での臨界事故後だった。

 日本では危機管理法制はみんな後手後手になりがちだが、高市氏が訴え る自衛隊法改正は今度こそ待ったなしである。

(産経新聞論説委員兼政治部編集委員)

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