今日は春分の日。
自然をたたえ、生物をいつくしむ日とされています。
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さて、先週はノーマンが装蹄(そうてい)を行いました。
聞き慣れない用語ですよね。
前の記事でのりぴーも、ちょっとつぶやいていました。
難しいことは、ぽん先生に聞いてみよう!!
はい、ぽんです。
昔から『蹄(ひづめ)なくして馬なし』という格言があります。
馬にとって蹄がいかに大切なものかということをよく表した言葉です。
他の動物と比べて、馬は体の大きさの割りにとても細い足をしています。
その一番下についている蹄。
その小さな蹄が体重を支えています。
例えばノーマンの場合。
体重はおよそ400キロ。
ということは、他のポニーに比べれば大きな蹄をしているとは言え、あの一つの蹄でおよそ100キロを支えていることになります。
そこで必要になってくるのが蹄に蹄鉄(ていてつ)をつける「装蹄(そうてい)」という作業です。
蹄鉄は靴のようなものです。
人間も裸足で外を歩き回ってしまうと、足の裏が痛くなったり、足の皮がむけてしまうのと同じで、ノーマンもそのまま歩いたり走ったりしていると蹄がボロボロになってしまいます。
よって蹄鉄をつける必要があります。
(ちなみに他のポニーたちはノーマンほど体が重くないので、今のところ蹄鉄をつける必要はありません。)
また蹄は、人の爪と同じように一定の速度で伸びてくるので、定期的にけずる「削蹄(さくてい)」という作業が必要です。
これらの「装蹄」や「削蹄」といったことを専門にやるのが「装蹄師(そうていし)」という職業です。
装蹄師の仕事はポニーにとって、とても大切です。
なぜならば。
蹄を斜めにけずってしまうと(靴底が斜めになっているようなもの)、無理がかかって肢(あし)の他の部分を傷めてしまうかもしれません。
それぞれの蹄の形に合わせて蹄鉄の形を変えるのですが、そのサイズが合っていなければ、蹄鉄がすぐ外れてしまったり、はみ出た部分でケガをしてしまうかもしれません。
蹄をけずりすぎてしまうと(人間の深爪のようなもの)、痛くて歩けなくなってしまいます。
蹄鉄は釘で蹄に打ちつけるのですが、間違った場所に釘を刺してしまうと、やはり痛くて歩けなくなってしまいます。
そして恐ろしいことに。
蹄が痛くて立てなくなってしまうと、体のいろいろな部分に問題が起きて、最悪の場合、死んでしまうこともあるのです。
このあたりが『蹄(ひづめ)なくして馬なし』と言われる理由です。
削蹄や装蹄がいかに大切な作業かということがわかってもらえたでしょうか
以上、ぽんでしたー。
せっかくなので、装蹄の様子をご紹介します。
少々長くなってしまいますが、写真がメインですのでお付き合いください。
まずは、今までつけていた蹄鉄をはずします。
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鎌を使って蹄を削っていきます。
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削った部分が白く見えるのがわかるでしょうか?
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大きなニッパでパチンッ
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やすりで形を整えます。
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ここまでが削蹄(さくてい)作業。
次からが装蹄(そうてい)作業になります。
これは何に使うのでしょうか?
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「鉄は熱いうちに打て」と言います。
蹄鉄を熱する道具なんです。
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こちらが、ノーマンがずっとお世話になっている装蹄師の木幡さんです。
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わざわざ福島県の南相馬市から来ていただいています。
なぜなら、ぽんさんの話しにもあったように、信頼しておまかせできる装蹄師さんだからです。
文字通り、鉄を打ってある程度形を整えたら、蹄にあてて馴染ませます。
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そして、また打つ。
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何度かこの作業を繰り返して、ノーマンの蹄に合った蹄鉄を仕上げます。
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足は4本あるので、4つ必要になります。
出来上がった蹄鉄は釘で蹄に打ちつけます。
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間違った場所に打ち込んでしまうと、ノーマンは痛くてたまりません。
確かな技術を持った方にしかできないことですね。
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ノーマンはとってもお利口さんなので、作業の間はずっとおとなしくしています。
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でも、みんながそうだとは限りませんよね。
蹄の形も違うし、状態もそれぞれです。
「装蹄師」さんは、いろんなことに対応できる、知識と技術を持ったプロフェッショナルなお仕事なのです。