JASAファームでの出来事

(社)日本動物支援協会(JASA)=Japan Animal support Association=

PON先生のコラム~file5~

2013-03-27 | スタッフのつぶやき
今日は晴れているような曇っているような、はっきりしない天気でした。
もうじき3月も終わりですねぇ。

そういえば。
今日3月27日は『さくらの日』なんだそうですが、なぜ27日なのかわかりますか?
だいたい桜が咲き始める時期だからっていうのもあるのですが、もうひとつ。
「さくら」の語呂合わせ「3」と「9」をかけて「27」になるから、なんだそうな。
…ちょっと強引な気がしますが。

そんなことはさておいて。
最近暖かくなってきたので、毎日放牧させてもらっているdogwoodフィールドの芝が緑色になり始めてきたのですが…


そこを片っ端から食べちゃってくれるので、ちっとも伸びてきません
まぁ、ポニーたちも青々とした芝の方が好きなので、しょうがないんですけどね。


文体がいつもと違うのでお気づきの方もいるかと思いますが、KAOが出張のため、今日は代わりにPONがこの記事を書いてます。
というわけで。
今日は馬の医学コラムでも書きましょうか。
file3で書いたワクチンの話の続きです。
相変わらず文字ばっかりになっちゃいますが、興味のある方はお付き合いください。


ここJASAファームでは3種類の病気に対するワクチンを打っています。
それぞれの病気について、簡単に紹介しましょう。

馬インフルエンザ

「インフルエンザ」という病気の名前はみなさんも聞いたことがありますかね。
人が咳したり、熱出したり…っていう、あのインフルエンザの馬バージョンです。
馬の場合も同じように、数日の間、熱が出たり、鼻水が出たり、咳をしたりします。
基本的には馬インフルエンザにかかって死ぬようなことはありません。
ただし人の場合と同じように、病気に対して弱い仔馬や高齢馬は、同時にほかの病気にかかって肺炎などを起こして死んでしまうことも、ごくまれにあります。

ちなみに。
馬インフルエンザにかかったポニーから人間にうつるのか?
みなさんはどう思いますか?
正解はうつりません
タイトルにもわざわざ「馬」とつけてあるように、「馬」インフルエンザは馬にしかうつりません。
みんなが普段「熱が出たよー。インフルエンザにかかったかなぁ?」っていう時のインフルエンザは「人」インフルエンザということです。
同じように他の動物にも「豚」インフルエンザとか「鳥」インフルエンザなんかがありますが、基本的にはその動物同士でしかうつりません(ちなみに「猫」インフルエンザはありません)。
ただし例外があるんですが…その話を始めると、すごーく長くなってしまうので、またいつか…書くかもしれないし書かないかもしれない。

人の場合と同じように、馬インフルエンザは咳とか鼻水とかからうつってしまうので、1頭かかってしまうと簡単にどんどん広がってしまいます。
日本では1971年の大流行を最後に、30年以上、馬インフルエンザの流行はなかったのですが、2007年に再び大流行が起こりました。
日本国内で使われていたワクチンがきかない馬インフルエンザウイルスが、海外から入ってきたことが原因だと思います。
徹底的な検査や移動禁止などの対策が行われましたが、さっき書いたようにとても広がりやすい病気なので、日本全体を巻き込んだ大きな騒ぎになりました。
当時、ボクも獣医として馬にかかわっていたのですが…いやぁ、本当に大変でした。
全部の馬のインフルエンザ検査をするわけですが(しかも何回も)、みなさんはインフルエンザの検査を受けたことがありますかねぇ。
綿棒を鼻につっこんで、ぐりぐりして、それを検査するのですが、馬の場合も一緒です。
…想像できますか?
鼻に綿棒突っ込まれて、しかもぐりぐりされて、馬がおとなしくしているわけがない。
何度も危ない目にあいました。

二度と日本で流行してほしくないです。


…えーっと、馬インフルエンザの話だけで長くなってしまったので、続きはまた今度。

PON