春の気を愛でる風(ふう)なき真夜中の足音人の気配も無く
※ 毎晩、午前3時ごろになると、団地のわが家の前の通路を、通る人がいます。階段を駆け上がってきて、前の通路を駆けるように過ぎたかと思うとすぐに引き返して来、階段を降りてゆきます。その足音は、昔の古家の天井裏を駆け回っていた、ネズミのそれを思い起こさせるようでもあります。その小気味よさのせいか、わたしには、二つの薄手のスポーツシューズだけが、闇 . . . 本文を読む
※本日、外へ出てみたとき、地面が濡れていることに気づきました。その際に降って湧いた戯れ句です。。
コロナ禍や食わず言わざる歩かざる
※ 覚者 警世大師のたまわく、汝愚者共よ 外食・会話・外出、み~んな、ジシュクせよ、と 我ら愚者共 珍重! 評:観正呈乱世相 ?!?!
春や春せめて超えたや父の歳
※ 亡父を超えることは永久にできやしない 享年77歳9カ月 その不肖の息子当年77歳 . . . 本文を読む
【第1話】或る日突然、クシャミとハナズンダレが止まらくなりました。
※「ハナズンダレ」とは、「はなたれ」の意の鹿児島弁。「ハナ」は洟、「ダレ」は垂れ、「ズン」は強調する意の接頭辞の
類ではないか、と思われます。
因みに「ズンダレ」という鹿児島弁があり、これが、しまりがない、だらしない、という意味であることを念頭に置くと、
「ハナズンダレ」の意味が、より . . . 本文を読む
よく繁った森の中の、平坦な尾根道を歩き続ける単調さに倦み疲れ、渓流を目指してさほど深くはない谷を降って行きました。
降り立ったところは、細い渓流が、広めの渕を形成している川原でした。川原には大小の岩が散在し、それらの間はこぶし大の小石で埋められていました。渕の上流側には低い段差があり、数個の大岩の間から小さい滝が白く流れ出していました。その辺りの左側の岸辺には、根元に大きい洞を抱えた桂朴トチの . . . 本文を読む