楽園づくり ~わが家のチェンマイ移住日記~

日本とタイで別々に生活してきた私たち家族は、チェンマイに家を建てて一緒に暮らし始めました。日常の出来事を綴っていきます。

インラック首相の外交デビュー、そしてタクシン氏は・・・

2011-11-20 22:40:23 | タイの政治経済

昨日の早朝、家族はカンペンペットという田舎町からバンコクに戻ったのですが、その戻り方がちょっとだけ普通ではありませんでした。三菱のピックアップトラックに10人が乗って、9時間半かかってバンコクに戻ったからです。

私の家族のほかに、妻の父母、妻の妹とその娘2人、その恋人の男1人、もう一人の妹の息子、合計10人です。何のためにそんなに乗ったのかというと、とくに理由はなく、ただ、久しぶりにバンコクに行ってみたかった、というだけなんだそうです。でも、妻の妹の娘(18歳)の恋人、というより許婚者の男(16歳)まで一緒に来たのには、少々驚きました。

理由を聞いてみたら、家の中をもとに戻すのに、力のある男手が必要だろうから、ということでした。でもスカイプで見る限りでは、それほど力がありそうには見えませんでしたが。

 

さて話が大きく振れますけど、APEC首脳会議でのインラックさんの活躍?についてです。昨日首脳会議の日程がすべて終了し、今日のバンコクポストは、オバマ大統領と個別に30分会談したインラックさんの"外交成果"を大きく報じています。

http://www.bangkokpost.com/news/asia/267028/yingluck-backs-anti-nuclear-trade-calls

 

ひとつは、長年タイ政府の懸案になっていたPSI(アメリカが2003年に提唱した、大量破壊兵器・弾道ミサイルの拡散防止構想)に対し、ついにインラック首相はこれを支持するとオバマ大統領に約束しました。これはアジア諸国の中では中国、インド、マレーシア、インドネシアなどが反対を唱えており、タイ国内でも、ずっと軍が疑義を唱えてきた案件です。インラックさんは相当無理してオバマ大統領を喜ばせたようです。

ついでに、もうひとつ勇み足のような発言もしています。例のTPPへも参加をしたいと発言したのです。というか、事の重大さを十分に認識しての発言かどうか怪しいところがあります。というのは、オバマ大統領との会談に同席していたスラポン外相は、「TPPの問題は、まだまだこれからの問題」だとブレーキをかけたからです。外相は、日本も随分時間をかけて検討していたと述べたのですが、バンコクポストの英文では「日本も参加を決めるまでには時間がかかった」となっています。

いつ日本はTPPに<参加>したんでしたっけ? まだでしょう。野田首相の言葉は「TPP交渉への参加に向けて関係国との協議を開始する」でしたよね(笑)。まあ、どちらも同じ事ですから、野田さんの詭弁は国際社会ではまったく通用しないということです。

 

さて、TPPへも前向きな姿勢を示したインラックさんの発言に、オバマ大統領が喜ばないはずはありません。どこかの国のように、英語に訳したら同じ表現になってしまう2通りの文章を使い分けて、煙に巻こうとするリーダーとは違い、インラックさんはものすごく純粋で真っ直ぐだからです。さっそく、オバマ大統領は、その場で彼女をワシントンに招待しました。来年1月か2月にも訪米できるよう、さっそく日程の調整に入っているようです。

確かに外交舞台では、順調な滑り出しを見せたインラックさんだと思います。とくに、彼女が発言したらそのようになってしまうほど、彼女は国内で権力を持っていないので、外交舞台では、かなり思い切った振る舞いをしたほうが、今後のためにはいいでしょう。

そのインラックさんが今一番悩んでいるのは、例の恩赦の問題だと思います。ご存じのとおり、チャルン副首相が議長を務めた秘密の閣議で、「恩赦の案」が検討されたのですが、インラックさんは、この件からは逃げまくっています。

ニューヨークタイムスによりますと、今週の水曜日に、ヒラリー・クリントン国務長官がバンコクで彼女と会談したとき、ヒラリーさんは、彼女の苦悩を慮ったのかどうかは分かりませんが、「いろいろあって、大変ね。でも政治的和解はすごく大切だと思うわ」という趣旨のことをインラックさんに言ったらしいです。

http://www.nytimes.com/2011/11/17/world/asia/possible-amnesty-for-former-thai-prime-minister-causes-uproar.html?_r=1&scp=4&sq=thailand&st=cse

 

「政治的和解」は、もしタクシン氏を簡単に放免すれば、実現が遠のきます。 ひょっとして、それを一番よく知っているのは当のタクシン氏なのかもしれません。今日のタイ各紙は、ドバイにいるタクシン氏が、今回報道されている恩赦は受け入れない、そう語っていると一斉に報じました。「今は国がひとつになって、洪水という国難に対処すべきときである」というのがその理由です。

ほぼまったく同じ理由で、野党のアビシット前首相は、伝えられている恩赦に反対の声明を出しています。アビシット氏も「国難にあるこの期間に、そのようなことをすべきでない」と述べています。まだ水も引かない地域がいっぱいあるというのに、ホイホイと恩赦を受けてタイに戻ってくるほど、タクシンさんは、妹とは違って、素直ではないと思います。

 

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