滋賀県に行って来ました。
お目当ては十一面観音とジビエと鮒鮓。
一緒に行ったメンバーには白洲正子の「十一面観音巡礼」、井上靖の「星と祭」、遠藤周作の「それ行け狐狸庵」が事前課題図書でした。
初日、早朝東京を立ち米原で降りてまずは出発前から予約してあった和菓子を受け取りに「いと重菓舗」へ。新春の初釜でしか頂けない花びら餅と正月ならではの華やかな上生菓子を買いました。
それから彦根城を見学。まず堀が3つもめぐらされていたり、石垣の積み方が堅牢であったり、階段の幅が意図的に同じでなかったり、道がまっすぐでなかったり、天守閣が表門からは見えなかったり、と、攻撃を想定しての幾つもの防衛の工夫がなされている城で、先人の技術と知恵は素晴らしいと思いました。あらゆる状況を考えて備えた井伊家だからこそ、徳川の信任厚く、戦国時代から幕末まで続いたのだなと思いました。
日本に5つしかない、国宝に指定されている天守閣も微かに壁が内側に傾けられ、雪の重みに耐えられるようになっています。
ここからは比叡山、琵琶湖、幾たびの戦が行われた平地が見渡せました。
夕食にジビエと鮒酢を予定していたので昼は軽くうどんで済ませ、午後は湖東三山巡り。
苔の美しい西明寺、品格のある三重の塔の金剛輪寺、庭園の雄大な百済寺を、各所で地元のボランティアガイドの案内を得て見て回りました。
どこも山寺で階段を登らされましたが、最後の百済寺では鐘をつかせてもらい、高台から見た琵琶湖を微かに望む里山の夕暮れは、穏やかで心が洗われる風景でした。
京都のような煌びやかさはないけれども、平安時代の仏像などがそこここにあり、滋賀の文化の悠久を感じました。残念だったのはどの寺もご本尊の如来像等が秘仏で非公開だった事。
感慨深かったのは、この辺りの寺が皆信長に焼かれた時に観音様だけは守ろうと、集落の人々が運び出したり埋めたりして戦火を逃れた事。寺も宗派を越えて焼き討ちにあった他の寺の仏像を預かった事。宗派が違う寺で守られている仏像の維持管理を今も市民が行っていること。
戦国時代を大河ドラマの中だけの事としてではなく、史実として実感したと共に激しい時代を通じて人々が守って来た信仰心に何となく胸が熱くなる思いがしました。
日本で一番寺の多い県はどこでしょう?
京都は5位、滋賀は4位、3位大阪、2位奈良、1位は愛知県なんだそう。愛知では戦の時の砦とするために辻毎に寺があるんだとか。
拝観を終え、今回の旅のメインテーマ、ジビエと鮒酢の余呉湖畔オーベルジュへと向かいます。
お料理の報告は続きで。
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