メノタさんの『果ての星通信』(Pash!コミックス)は今追っている漫画の一つだ。私は『果ての星通信』の宇宙観、神様観がすごく気に入っている。今までほのぼのした作品だな、と漠然として何も考えずに読んでいたが、読み返してみると主人公・マルコの恋人について思うことがあったので書いてみる。本誌で確定していないカップリングの話を見たくない方、ネタバレを見たくない方は注意。
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読み返していくと、まず第6銀河支局のカップルが(宇宙人に地球人の性別が当てはまるか分からないけど)女性同士のカップルかもしれないと気づいた。そして、この作品では同性カップルも普通に登場するものだとあらためて意識的に確認した。すると、突然マルコの恋人は義兄のアリョーシャかもしれない、と思った。
マルコの恋人は今まで姿も性別も分からないように描かれている。私は今までマルコの恋人は、男性的なサバサバした女性をイメージしていた。でも、マルコの恋人=義兄アリョーシャだとすると腑に落ちる点がいくつかある。詳しいことはぜひ作品を読んでみてほしい。
ここからは完全に妄想だが、なぜマルコは「告げるつもりのなかった気持ち」を告げることになったのだろうか?年の離れた幼馴染は大人になると普通、疎遠になりがちだと思う。マルコの想い人がなんでもない他人の、パートナーがいるわけでもない幼馴染なら、告げないよりも告げた方が共にいられる可能性が生まれるように思う。マルコが「告げない」と決めていたことには理由があって、それを「告げる」に至るまでには、何かしらの大きな転換点があったはずだ。それは、きっと両親の死だと思う。マルコの想い人は、両親の埋葬式ではまだ恋人ではなかったようなので、告げたのはその後だろう。両親が死んで、親戚とも関係がほとんど切れたことでマルコとアリョーシャは兄弟から、(ある意味で)もっと離れた関係になれたのではないだろか。そして、可能性を見出した。
マルコとアリョーシャが恋人であってもなくても、マルコにとってアリョーシャは局長がその姿に変身してしまうくらい「失うのが怖く」て、神様がその姿に見えてしまうくらい特別な存在だ。10年後、アリョーシャはマルコを待っていてくれると信じて、これからも『果ての星通信』を応援していこうと思う。
追記(2021/04/13):『果ての星通信』完結しましたね。メノタ先生にはお疲れ様と感謝の気持ちを。マルコの恋人は終にはっきりと示されることはありませんでしたが、ハッピーエンドでよかったです。恋人がアリョーシャでなかったらマルコの妙な執着の相手が2人もいることになって、それはそれでマルコ……。ってなると思います。