マラリヤや腸チフスのような病気を治すために人々は研究を続けています。顕微鏡で患者たちの体の中の細菌を見つけたり、ばい菌を培養してからいろいろな薬を使ってみて、効き目の良い薬を特定したりします。このように体を治す薬は発見できますが、心を治す方法について話す人はほどんどいません。
ばい菌は顕微鏡で観察できます。しかし心は心の目で探りながら観察しなければなりません。そして聖書などで心の世界を学ばなければなりません。また、心の病を治すためには心の世界を知る人に出会う必要があります。その人たちは、苦しむ人に考えを入れる悪霊のどんな考えにも引きずられないので、どのようにしで苦しむ人間の心が考えの渦の中に陥っているのかを正確に説明することができます。そして、それがたまされているど状態であることも考えてあげられます。だまされているという事実を正確に知り、真理に出会えさえすれば、誰でも悪霊ガ入れた考えから逃れることができます。そのようにして良くなった人がたくさんいます。
ばい菌に感染されたときに使う抗製剤にペニシリンがあります。ペニシリンは青かびに殺菌力があることをフレミングが発見したことがきっかけで作られました。ペニシリンの誕生はアフリカで始まりました。アフリカの人たちが怪我をしたところに腐った木の皮をつけてみたところ、不思議と怪我が治りました。その理由を研究した人たちは腐った木の皮に青かびがあることを見つけ、そのかびにばい菌の繫殖を抑える強い力があることを発見しました。そのことから青かびを使って治療する方法を研究するようになりました。研究は第ニ次世界大戦の終わりごろから本格的になりました。研究は実を結び、ペニシリンを量産することができるようになりました。現代では効き目の良い抗生剤がたくさんあって、たった注射一本で腐ってしまうはずの足の治療が可能となり、昔ならとっくに死んでいたはずの人を生かすことができるようになりました。
渦さえなければ泳いで渡ることが難しくなかったはずです。ところが、渦に巻き込まれてしまって、自分の力では逃げられませんでした。川の水が穏やかに見えるからといぃて、むやみに飛び込めば非常に危険です。これと
同じで人々が人生を歩む中で問題がないように見えるときは穏やかに暮らしますが、何かの問題にぶつかれば人間はとても軟弱な存在なので、そこから逃れられず苦しみます。人生において考えの渦に出会うときがあります。悪霊は人間をその渦の中に追い込みます。絶えず入れ知恵をし、その考えに陥れ、考えの渦の中に引いて行きます。その考えに従っていながら、それが悪霊が与えたものだと思う人はほとんどいません。間違いなく自分が思ったとおりの場所に向かって行ったつもりなのに、気がついたときには思いもよらなかった渦に溺れてしまっていることがあります。そのとき、逃れるために頑張ってもがけばもがくほどかえって考えが反対側に流れて
しまい、正常な思考や判断ができなくなってしまいます。そのような力があるため、いくら賢い人でもそこに溺れてしまえば、逃れられず人生を台無しにしてしまうのです。間違った考えが私を引いていけば離婚することも
あり、罪を犯すこともあり、自殺をすることもあります。考えに引きずられてうつなどの心の病や不眠症で苦しみ、そこから逃れられない人たちがたくさんいます。
誰でも問題に陥れば、ほとんどがそこから逃げられなくなります。ある日私は川でボートに乗りましたが、泳ぎたくなり川の中に飛び込みました。ボートに残った人はそのまま乗って行き、私は川辺に向かって泳ぎました。しばらく泳いで “もう陸地に近づいただろう” と思ったところ、全然違う方向に泳いでいることに気付きました。“あ、違う！”と思い陸地に向かって泳ぎましたが、また同じ所を回っていました。ちょうどふたつの水流が出合い渦が形成されている所に私が入ってしまったのでした。”あ！渦に巻き込まれたんだ！早くここから出なくては” と覚悟して腕に力を入れて泳ぎましたがどうしても逃れることができませんでした。全力で泳いだために
体力が消耗し、働くことすらできなくなりました。”このままでは死んでしまうかもしれない”という恐怖が生じ、ボートに乗っている人を呼びました。幸いなことに私の声が届き、私は助けられました。
