1876to1945さんのツイート(2013年10月01日~)を順に紹介します。25回目の紹介
【フクシマ見聞録】
3、11直後、テレビの取材に同行し
鞄に自分のカメラを忍ばせて映像を撮っていた
Akira Tsuboi@1876to1945さん 2013年10月30日のツイートから
福島行-自分はビニール袋に入った野菜を受け取ると、
代わりに自分が制作した絵本を二人に差し出した。
絵本の性格を語ってゆく。男性が絵本をめくり、裏表紙を見ると
”この絵本の売上の一部は、ふくしま共同診療所に寄付されます”
と記された文字を見る。(どう反応するのか-)-
-自分は、相容れない異教徒の証のようなものを
自ら差し出した気分に染まりながら、診療所の性格を話していった。
その日その場に集まっていた人間のおそらくほとんどが
関わっている市井人によるこどもを被曝から守る
ネットワークのサイトにはこんなことが明記されている。-
-『-政治・宗教・企業などあらゆる団体からの独立を原則としています。
*当会はふくしま共同診療所、福島診療所建設委員会、
NAZEN、中核派などの団体と関係がありません。
2013年6月9日総会決議』 。
その農家の二人はそうした被曝防護をめぐる峻別についてあまり知らないようで-
-その診療所が国民健康保険で好きな時に甲状腺検査を行うことを
自分が話すと「そうなんですね、知らなかった」と言い、絵本を受け取った。
「あ、ずるいよ。」マイクを通した声が聞こえてきた。
自分がなにか咎められるのかと思うと早口で
「そこの裏手で野菜やいて醤油かけて食べてる。」-
-「焼いて食べっとうまいんだ。みなさんもそこで焼いて食べてみてくださいね、
醤油はサービスですからね」という主催の闊達な女性の声が続いた。
主催の女性にも絵本を手渡そうと思う。彼女ははじめに話をうかがった時点で、
市井人の団体と連携していることを話していた。件のサイト上の明記、-
-それにいたる経緯も知っているにちがいなかった。
複雑な心境になる。3、11直後、テレビの取材に同行し、
ひそかに鞄にじぶんのカメラを忍ばせて映像を撮っていた男と話すと、
自分が絵にしているようなことは、大抵のメディアの人間は知っている、という。
だが、表にはださない。-
-現地で暮らす主として母や女たちのつながりの中で、
近親あるいは身の回りに起きた異常は話されるのだが、
彼女たちもまたそうしたことは信用のおけるつながりの外へは漏らさない。
奇妙な沈黙がそうして形成され、その空白に平静を伝える
巨大なメディアの情報がはまりこんでいる。-
-ただ、なにが実際に起きているのか知りたい。
その点で、彼らが踏み絵のようなものとして位置づけている
福島市の診療所に金を回すと書かれてある絵本を自分が差し出すことは、
ことその須賀川の被曝防護で重要な拠点として機能している場所で
自分が色々と聞くことに支障が出ることになるだろう、自分は苦く思った。-
※次回に続く
2016/11/2(水)22:00に投稿予定です。