東京は迷走しているのではないか。
前節、連係からゴールを奪った羽生は先発ならず。結局、高松の怪我という当初のプランではない形での交代出場となったが、結果は残せず。
得点はPKによる1点だけ。しかも、得点直後に失点して追いつかれるという昨年までと全く変わらないパターンで意気が低下し、悪い流れのまま逆転されて万事休す。
草津側も言っていたが、今季ほとんどのチームが東京を格上と見ていて、いつも以上に負けん気を起こして挑んでくる。つまり、他のチームと対戦するときよりも気力が充実していることが多い。したがって、データなどにおける単純な戦力比較では東京の優位と出るケースが圧倒的だと思うが、実際は、そう易々と勝てることが出来ない試合の連続が、今季のJ2リーグ戦なんだということを、明確に理解していないのではないか。これまでの試合を考えれば、そう思わざるを得ないのだ。
野球に喩えていうならば、優勝候補といわれるチームに対する時は各チームが従来以上の意識や戦力を高めて臨むものだ。投手ならば、各チームがエース級をぶつけるローテーションを組む。その包囲網を打ち破るからこそ、優勝を勝ち得るのだ。
そういう意味では、今季の東京は圧倒的な優勝候補として、各チームは何とかしてやろうと通常以上の意識と策で挑んでくるのだ。このことから、くみ易しという試合は1試合たりとてないのだ。そういう意識がどれほど監督・コーチ、選手たちの間に反映されているのか。
前回、ピッチ上での約束事が明確に決まってないから、チームのプランニングが出来ない、後手に回ると書いた。前節は試合には勝ったが、そういうところをしっかりと構築していかない限り、当初描いたものは、絵に描いたモチとなってしまう。
今出来ることをしっかりとやる……なんだか震災後の状況のようだが、今のFC東京も同じ。まだ序盤だから、しばらくすればフィットすると思う人もいるだろう。だが、この通常以上の力で挑んでくることに変わりはないし、何といっても怪我人が多すぎる。米本、平山に続き、高松も戦列を離れそうだ。石川の復帰もまだだし、ホベルトは一旦帰国してしまった。チームとして一体感を持たないまま、個の力だけで打開出来るほどJ2は甘くない。
まずは、チームが一体化するためにはどのようなことが必要なのかを真剣に考え、チーム内外で意見をぶつけ合っていくしかない。
ヴィジョンが見えなければ、方向性も定まらない。序盤でも今後の結果如何では、先発の大幅なてこ入れ、さらには、統率出来ない指揮官の進退をも賭けていかなければならないのではないか。
狂いだした針が元に戻らなくなる前に、だ。
◇◇◇
Jリーグディビジョン2 第12節
2011/05/14 正田醤油スタジアム群馬
草津 2(1-1、1-0)1 FC東京
【得点】
(草): ラフィーニャ(31分)、ラフィーニャ(66分)
(東): 梶山(28分)
観衆: 6,520人
天気:晴、中風
<メンバー>
≪FC東京≫
20 GK 権田修一
33 DF 椋原健太 → 14 MF 中村北斗(76分)
03 DF 森重真人
06 DF 今野泰幸
26 DF 阿部巧
02 MF 徳永悠平
32 MF 上里一将 → 09 FW ロベルト セザー(53分)
11 MF 鈴木達也
39 MF 谷澤達也
10 FW 梶山陽平
30 FW 高松大樹 → 22 MF 羽生直剛(59分)
01 GK 塩田仁史
36 DF ジェイド ノース
04 MF 高橋秀人
19 MF 大竹洋平
◇◇◇
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