3月6日、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)が開幕。FC東京はアウェイ、オーストラリアでブリジベン・ロアーと対戦、2対0で勝利を飾った。FC東京の2012年公式戦、そして、ランコ・ポポヴィッチ監督としてもFC東京での公式戦初勝利となった。
3月3日にFUJI XEROX SUPER CUPを戦い、中2日での試合となったFC東京。ポポヴィッチ監督は大胆にもACL初戦にターンオーヴァー制をとり、ルーカスと梶山を帯同させず、チャンヒョンス、林といったフレッシュな選手をベンチに置いた。GKには権田、CBは加賀をスタメンで起用、徳永は昨季までの本来のポジション右SBに入った。ボランチは長谷川と高橋、羽生を中央に配して、渡邉を1トップとする布陣でAリーグ王者に挑んだ。
雨模様でピッチの状況が芳しくなかったが、開始からFC東京が主導権を握ったままゲームは展開。どちらもポゼッションで支配率を高めたいところだが、足元のテクニックや動き出しで相手を圧倒したのはFC東京。攻撃では1トップの渡邉がボールを収めることでヴァリエーション豊富な攻撃が可能となり、オフサイドにはなったものの、幾度も石川が抜け出す場面も多く見られた。それでもなかなか点を奪えなかった前半終了直前、徳永の右サイドからのグラウンダーの速いクロスをスライディングして谷澤が蹴り込み、ゴール。いい時間帯の得点でリードして前半を終える。
後半はFC東京の運動量や判断力が落ちたところで攻め込まれる時間帯もあったが、しかりと辛抱して失点を許さず、後半10分にディフェンスラインの背後への絶妙な飛び出しからGKと1対1となった羽生がシュート。これは惜しくもGKに防がれたが、弾いたボールに長谷川が反応。こぼれ球をしっかりと決めて、2対0とした。長谷川はFUJI XEROX SUPER CUPに続く2戦連続ゴール。
この後もチャンスは訪れたが決めきれず、2点しか奪えなかったが、最後までハードワークをして相手の攻撃をしのいで、アウェイの地で無失点で勝利。勝ち点3を獲得した。
ターンオーヴァー制の実施やアウェイということを考えると、無失点での勝ち点3は非常に大きい。ただ、ACL予選を勝ち抜くということを考えると、この後、蔚山や北京という強豪チームが待ち受けていることもあり、この勝利は落とせないものだった。まずは上々のスタートといえよう。
とはいえ、長いリーグが今すぐに始まろうとしている。3月10日にJ1が開幕。初戦の相手は、アウェイにて大宮と戦うこととなった。2012年を戦っていくためには非常に深い意義がある試合だ。短いインターバルではあるが、体調を整え、心して大宮戦へと臨みたい。
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<ACL グループF 第1節>
2012/03/06 ブリズベンスタジアム
ブリズベン・ロアー 0(0-1、0-1)2 FC東京
【得点】
(東):谷澤(45+1分)、長谷川(55分)
観衆:12,037人
天候:雨
気温:24.0度
≪MEMBER≫
GK 20 権田修一
DF 02 徳永悠平
DF 03 森重真人
DF 05 加賀健一 → DF 30 チャンヒョンス(86分)
DF 06 太田宏介
MF 04 高橋秀人
MF 08 長谷川アーリアジャスール
MF 18 石川直宏 → MF 17 河野広貴(90+2分)
MF 22 羽生直剛 → MF 27 田邉草民(76分)
MF 39 谷澤達也
FW 11 渡邉千真
GK 01 塩田仁史
DF 33 椋原健太
FW 13 平山相太
FW 23 林容平
監督 ランコ・ポポヴィッチ
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前半終了間際、谷澤の先制ゴール。
長谷川が2点目をゲット。