*** june typhoon tokyo ***

FC東京×ブリズベン・ロアー【ACL】

■ グループステージ突破
 
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 アジアチャンピオンズリーグのグループステージ第5戦は、雨の降りしきる国立競技場で行なわれた。この試合でFC東京は勝ちあるいは引き分けではもちろん、負けても1点差以内ならばグループステージ突破という大事な試合。相手は初戦、まだJリーグ開幕前の3月初に対戦したブリズベン・ロアーだ。

 ここまでグループF首位を維持するFC東京だが、チーム状況は決して良好とは言い難い。J1リーグでは鹿島、仙台、清水と3連敗。鹿島戦の前の川崎との多摩川クラシコでは何とか勝ったが、その前の広島戦も敗れている。Jリーグでは8戦したが、2、3戦目の名古屋、神戸とでは2点以上挙げているが、それ以外では得点も1点まで。この2試合は無得点だ。
 また、田邉、大竹、平山が負傷し一時離脱。疲労感も漂うなかで、いかに質の高いサッカーをして勝利を手繰り寄せるかがテーマとなっていた。

 FC東京はトップに渡邉を据え、羽生と谷澤が2列目。左サイドバックに椋原を起用した。ベンチには怪我明けの河野、そして今季初ベンチ入りとなる重松が入った。

 試合は序盤から動き出す。立ち上がりにセットプレーからヘディングが一度右ポストに当たるも跳ね返ったボールを流し込まれて失点。だが、直後にクリアに詰めた梶山がシュート。これはブロックされるが、跳ね返りに走り込んだ高橋が叩きつけてシュート。これが同点ゴールとなった。
 その後、リズムを掴む時間が続いて20分、長谷川が前線の渡邉へ絶妙のスルーパスを送ると、渡邉が右エリアへ進出してグラウンダーのクロス。長谷川、梶山がゴール前へ詰めるなか、ファーに流れたボールを左サイドから走り込んできた椋原がニアサイドへ的確にゴールを決めて逆転した。
 しかし、33分、相手FWのシュートを森重がブロックするも、そのシュートのこぼれ球を流し込まれてブリズベンに同点にされてしまう。
 だが、44分にエリア内でファールを受けた渡邉が自身でPKを決めて勝ち越し、FC東京がリードして前半を終えた。

 後半はFC東京の疲労もあるのか、次第にパスを奪われるようになり、ブリズベンの時間が占めるようになる。それでも60分に、谷澤の左エリアへのラストパスに反応した渡邉が、相手DFを外へ引っ張り出して交わしシュート、これを冷静に決めて4対2とした。
 その後、東京に2点差以上で勝利しないとグループステージ突破とならないブリズベンが攻勢に出る。シュートミスやバーを叩くシュートもあり、雨のコンディションも東京に味方したのか、それ以降ゴールは生まれず、4対2でFC東京がブリズベンを下した。これで、1試合を残してグループ2位以内が確定。ラウンド16への進出を決めた。

 さて、これで嫌なムードを払拭してリーグに臨める……かというと、少々疑問かもしれない。というのも、ブリズベンは2点差で勝たないとグループステージ突破はならないという、勝ちにくる試合をしなければならない状況にあった。当然、ボールを獲りにくるし、前へ前へと攻める姿勢が窺えた。そうなると、東京にとっても前がかりになったところを突けるという利点がある。オーストラリアのチームとしては珍しく放り込みによるパワープレイではなく、パスサッカーを標榜していることもあり、対戦の相性は悪くないというのが実感。これまでJリーグで敗戦した相手とは状況が異なるのだ。それでも、序盤の失点の場面ではゴール前で相手をフリーにしていたり、後半にはボールを支配されることが多く、危ない場面もみられた。

 ムードを変えるという意味ではきっかけになるかもしれないが、しっかりと自分たちのやるべきこと、パスを出したら動く、パスをもらうために動く、判断は素早く、パススピードは速く、常にシュートの意識を持つ……などど完遂していかないと、折角の切り替えのタイミングも台無しにしてしまう。

 GWでなかなかタフな日程。だが、それは相手も同じだ。しっかりと準備をして、Jリーグで納得の出来るプレーをしていかねばならない。


◇◇◇

<ACL グループF 第5節>
2012/05/02 国立競技場

FC東京 4(3-2、1-0)2 ブリズベン・ロアー

【得点】
(東):高橋(5分)、椋原(20分)、渡邉(44分、PK)、渡邉(60分)
(ブ):Besart Berisha(4分)、Thomas Broich(33分)

観衆:8,492人
天候:雨、弱風
気温:17.4度
 

≪MEMBER≫

GK 20 権田修一
DF 02 徳永悠平
DF 03 森重真人
DF 30 チャン・ヒョンス
DF 33 椋原健太
MF 04 高橋秀人
MF 08 長谷川アーリアジャスール
MF 10 梶山陽平 → MF 18 石川直宏(85分)
MF 22 羽生直剛 → MF 07 米本拓司(78分)
MF 39 谷澤達也
FW 11 渡邉千真 → FW 49 ルーカス(73分)

GK 01 塩田仁史
DF 06 太田宏介
MF 17 河野広貴
FW 24 重松健太郎


監督 ランコ・ポポヴィッチ


◇◇◇

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椋原のゴール後の雄叫び。
この日の椋原は“やってやる”という気持ちが見えていた。

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渡邉“カズMAX”千真のPKで勝ち越し。
この後も1ゴールを決めて勝利に貢献。

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試合後にブリズベン・ロアーの選手がピッチ内を一周し声援に応える。
FC東京側からは“ブリズベン”コールも。グッドルーザーだ。

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街中には清水エスパルスのユニ風(笑)のブリズベン・サポーターが。
オージーらしく陽気な人たちだったようだ。
 

◇◇◇



 
 

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