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FC東京 上位進出への展望(残り5節)

 アルベル東京、残り5節で上昇なるか。
 
 J1リーグは早くも残り5節。優勝争いは横浜FMが2位川崎に勝ち点5差をつけて首位をキープ。10差がある得失点差を考えると、川崎は5試合で横浜FMを勝ち点6上回らなければならず、横浜FMの優勝が現実味を帯びてきた。ACL出場の争いは、勝ち点51で3位・広島から勝ち点45で6位・柏までが圏内か。ただし、天皇杯で広島か鹿島が優勝してリーグ3位内に入った場合、同4位にも出場権が与えられるため、勝ち点43で7位・FC東京、勝ち点41で8位・鳥栖、勝ち点40で9位・浦和までが滑り込める可能性はある。
 一方、残留争いは例年のごとく熾烈を極める。勝ち点24で最下位・磐田は、勝ち点30でプレーオフ出場圏の16位・京都と勝ち点6差。得失点差を考えると、勝ち点7以上を上回る必要があり、背水の陣だ。勝ち点29で17位・G大阪から勝ち点35で11位・札幌までは勝ち点6差のなかに7チームがひしめき合う状態。試合数に差があるなど、試合ごとに目まぐるしく順位が入れ替わる様相を呈していて、今季も戦国Jリーグを体現している。

 さて、アルベル体制1年目となる我がFC東京。当初からまずは新たなスタイルの構築を掲げていたため、優勝争いに絡めずに終わるということについては、それほど落胆しているサポーターも多くはないはずだ。ただ、ルヴァンカップ、天皇杯とカップ戦をあっさりと敗退し、掲げてきたスタイルが着実に浸透してきているかというとすぐに首を縦に振れない状態でもあるのが実情。例年以上に下位への取りこぼしが多く、特に福岡、鳥栖の九州勢にはどちらも5失点を喰らうという体たらく。しかしながら、広島にはホーム&アウェイともに勝利、C大阪、鹿島、柏には快勝するなど、不思議なことに上位に勝利し、FC東京の定位置とも揶揄される中位につけている。
 天皇杯の結果次第では僅かながらにACL出場へ滑り込める可能性はあるが、来季への足掛かりとなることも含め、何より1つでも上の順位でフィニッシュすることが肝要だ。という訳で、大雑把ながら、残り5節の展望をしてみたい。FC東京のマスコットがタヌキの東京ドロンパゆえ、“捕らぬ狸の皮算用”となるところは十分あるが、リーグ終盤を楽しむための期待値ということで考察していくことにする。

◇◇◇

 まずは、現在のJ1リーグの順位と今後の対戦を見ていく。

【J1リーグ 順位】※2022/09/18現在
01 横浜FM 59/29/17/08/04/59/30/29
02 川 崎 54/29/16/06/07/51/32/19
03 広 島 51/30/14/09/07/45/32/13
04 C大阪 48/29/13/09/07/45/34/11
05 鹿 島 47/30/12/11/07/43/38/05
06  柏  45/30/13/06/11/41/40/01
07 FC東京 43/29/12/07/10/38/36/02
08 鳥 栖 41/30/09/14/07/42/36/06
09 浦 和 40/29/09/13/07/42/28/14
10 名古屋 39/30/09/12/09/26/29/-3
※(勝ち点/試合数/勝/分/敗/得点/失点/得失点差)

【残り5節対戦カード】
横浜FM: 名古(A)〇 |G大(H)〇|磐田(H)〇|浦和(H)△|神戸(A)〇
川 崎: 札幌(A)〇|清水(H)〇|京都(H)✕|神戸(H)〇|東京(A)〇
広 島: 浦和(H)△|神戸(A)△| ----- |札幌(H)△|鳥栖(A)△
C大阪: 湘南(H)〇|柏 (A)✕|東京(A)✕|京都(A)△|名古(H)✕
鹿 島: 東京(H)✕|磐田(A)〇| ----- |清水(A)〇|G大(H)〇
 柏 : G大(A)✕|C大(H)〇| ----- |福岡(A)〇|湘南(H)〇
FC東京: 鹿島(A)〇|湘南(H)✕|C大(H)〇|名古(A)△|川崎(H)✕
鳥 栖: 京都(H)✕|浦和(A)〇| ----- |湘南(A)△|広島(H)△
浦 和: 広島(A)△|鳥栖(H)✕|札幌(H)△|横M(A)△|福岡(H)△
名古屋: 横M(H)✕|京都(A)△| ----- |東京(H)△|C大(A)〇
※(対戦チーム名/ホーム&アウェイ/前回対戦結果)

◇◇◇

 順位を上げていくためには、上位のチームを直接叩けるかが大きな要素となってくるが、FC東京は鹿島、C大阪、川崎と上位対戦が残っている。最大に積み上げられる勝ち点は3点×5試合=15だが、現時点で勝ち点差10以上離れている2位・川崎を抜かすことは非常に厳しい。3位・広島とは対戦が終わっているゆえ、4位・C大阪に追いつき、追い抜くことが出来るか、というのが現実的に可能性として考えられるところだろう。

 7位・FC東京が上位争いに喰らいつくためには、10月頭のアウェイ鹿島戦に勝利することが最重要だ。5位・鹿島とは勝ち点4差、直上の6位・柏とは勝ち点2差で、得失点差もそれほど開きはない。なおかつ、鹿島、柏は1試合多く試合を消化しており、FC東京が鹿島に勝利すれば、1試合少ないなかで勝ち点1差に縮まり、ゴール数によっては得失点差も並ぶ可能性もある。前回対戦では3-1で勝利しており、対鹿島戦近5戦未勝利(1分4敗)の悪い流れも断ち切った。併せて鹿島はリーグ近5戦未勝利(4分1敗)となかなか勝ち切れない状態もあって、大いにチャンスといえる。ただ、FC東京は守りの要の森重が累積警告で出場停止。今季は早々と得点を許すと立て続けに失点する傾向もあるため、堅守へ向けての取り組みは不可欠だ。

 鹿島を叩くことが出来れば、10月12日(水)のC大阪戦の結果次第では上位進出の現実味を帯びてくる。中3日とタイトなスケジュールとなるが、ホームでのアドヴァンテージを活かして勝利したいところ。C大阪とはアウェイでの前回対戦も僅差ながら1-0で勝利し、リーグ近6戦無敗(4勝2分)と相性も良い。

 だが、この2戦以上にカギになりそうなのが、32節の湘南戦だ。現在15位と残留争いに巻き込まれている湘南ゆえ、勝利への圧力は半端ないものだろう。湘南の残り5節の対戦はC大阪、FC東京、神戸、鳥栖、柏で、ホームが鳥栖戦しかなく、残留圏内の直接対決がアウェイ神戸のみと、状況は決して容易ではない。
 一方で、FC東京は下位への取りこぼしが多いのも事実。湘南とは通算対戦成績で圧倒しているが、今季アウェイでのリーグ戦で2015年以来に久しぶりに負けを喫した。近年では優勝争いをしていた2019年にアディショナルタイムで森重の劇的な同点ゴールを決めたものの引き分けに終わって首位から陥落し、ルヴァンカップでは昨年、今年と敗れたのも記憶に新しく、決して侮れない。一見勝利を掴めそうな予測が過ぎる時ほど落とし穴にハマるのもFC東京ゆえ、少なくとも鹿島、湘南の2戦で勝ち点6を積まないと、上位進出は難しくなってしまう。

 最終2戦は、アウェイで名古屋、最終節はホーム味スタでの川崎戦となる。名古屋とはリーグ通算対戦成績が18勝10分13敗と勝ち越しており、2012年からの10年間で 9勝6分4敗、2015年以降は6勝5分2敗と相性は悪くない。ただ、近3戦がいずれもロースコアでの引き分けと攻めあぐねている感は否めない。長谷川監督はじめ、永井、内田、丸山、稲垣とFC東京所属が多く、やりづらい相手ではある。
 最終節・川崎戦は、横浜FMが順調に勝ち点を積み上げれば、単に“多摩川クラシコ”となるだろうが、万が一横浜FMが失速した場合には、川崎にとって優勝を賭ける大一番になる可能性もあるかもしれない。横浜FMの対戦相手を見るに、残留争いにあるG大阪、磐田、神戸との対戦を残しているのは少々不気味だが、よほどのことがない限り、連敗は想像しにくい。とはいえ、何が起こるか分からないのがJリーグ。優勝を賭ける一番と多摩川クラシコが重なるという劇的な流れになれば、味スタは異様な空気に包まれることにもなりかねない。FC東京としては、敗れはしたもののサポーターにアルベル東京の大いなる期待を抱かせた、今季開幕戦となったアウェイ・川崎戦で見せたパフォーマンスを凌ぐ奮闘で、順位に関わらず勝利をもぎ取りに行かねばならない。対川崎はリーグ6連敗、2018年5月の勝利以来1分7敗と惨憺たる成績だが、そろそろ意地を見せないと、多摩川クラシコも本格的に形骸化してしまいかねない。

 無論、敗戦を期待してはいないし、残り全勝出来るに越したことはないが、5位以内に入るためには、最低でも3勝2分の勝ち点11くらいは必要だろう。C大阪、鹿島を抜かすためには、直接対決での勝利と湘南に取りこぼさないことがマスト。アウェイ名古屋と最終節川崎で勝ち点2以上が詰めるかというのが、分水嶺になりそうだ。

 それには守備の修正はもちろん、得点力も不可欠。願わくば、現在10ゴールで得点ランキング2位タイのアダイウトンがゴールを重ねれば、チームの勝利とともに得点王のタイトルも見えてくる。12ゴールで1位のチアゴ・サンタナ(清水)とは2ゴール差、2位タイの上田(鹿島)は海外移籍したため、同じく2位タイの家長(川崎)、 レオ・セアラ(横浜FM)、9ゴールの6位タイのアルトゥール・カイキ(鹿島)、マルシーニョ(川崎)、西村(横浜FM)、アンデルソン・ロペス(横浜FM)、町野(湘南)、ピーター・ウタカ(京都)、山岸(福岡)あたりの争いとなりそう。特に横浜FMの外国人勢が今後もゴールを重ねる可能性が高そう。アダイウトンは毎試合シュートチャンスは必ず作っているゆえ、まずは枠内へシュートを収めていくことがゴールへ近づく一歩となるだろう。最終節でゴールを決めて、得点王を獲得する瞬間に期待したい。

◇◇◇



◇◇◇

【FC東京 2022シーズンスケジュール・J1リーグ】
第01節 02月18日(金)19:00 ✕FC東京 0-1 川 崎(A・等々力
第02節 02月26日(土)15:00 FC東京✕名古屋(H・味スタ ※中止
第03節 03月06日(日)16:00 〇FC東京 1-0 C大阪(A・ヨドコウ
第04節 03月12日(土)15:00 〇FC東京 2-1 広 島(H・味スタ
第05節 03月19日(土)14:00 〇FC東京 1-0 京 都(A・サンガS
第06節 04月02日(土)19:00 ✕FC東京 1-2 横浜FM(A・日産ス
第07節 04月06日(水)19:00 〇FC東京 3-1 神 戸(H・味スタ
第08節 04月10日(日)14:00 △FC東京 0-0 浦 和(H・味スタ
第09節 04月16日(土)13:00 △FC東京 0-0 札 幌(A・札幌ド
第02節 04月20日(水)19:00 △FC東京 0-0 名古屋H・味スタ※代替
第10節 04月29日(金)19:00 〇FC東京 2-0 G大阪(H・国 立
第11節 05月03日(火)17:00 ✕FC東京 1-5 福 岡(A・ベススタ
第12節 05月08日(日)15:00 ✕FC東京 0-1 鳥 栖(H・味スタ
第13節 05月14日(土)14:00 ✕FC東京 1-2 磐 田(A・ヤマハ
第14節 05月21日(土)15:00 △FC東京 0-0  柏 (H・味スタ
第15節 05月25日(水)19:00 〇FC東京 3-0 清 水(A・アイスタ
第16節 05月29日(日)15:00 〇FC東京 3-1 鹿 島(H・味スタ
第17節 06月18日(土)18:00 ✕FC東京 0-2 湘 南(A・レモンS
第18節 06月26日(日)19:00 ✕FC東京 0-5 鳥 栖(A・駅スタ
第19節 07月02日(土)18:00 △FC東京 2-2 福 岡(H・味スタ
第20節 07月06日(水)19:00 〇FC東京 3-0 札 幌(H・味スタ
第21節 07月10日(日)19:00 ✕FC東京 0-3 浦 和(A・埼 玉
第22節 07月17日(日)18:00 〇FC東京 2-0 磐 田(H・味スタ
第23節 07月30日(土)19:00 〇FC東京 2-1 広 島(A・Eスタ
第24節 08月07日(日)18:00 ✕FC東京 0-2 清 水(H・味スタ
第25節 08月13日(土)19:00 FC東京✕C大阪(H・味スタ※延期
第27節 08月27日(土)19:00 〇FC東京 6-3 柏 (A・三協F柏
第28節 09月03日(土)19:00 △FC東京 2-2 横浜FM(H・味スタ
第29節 09月10日(土)19:00 △FC東京 0-0 G大阪(A・パナスタ
第26節 09月14日(水)19:00 ✕FC東京 1-2 神 戸(A・ノエスタ
第30節 09月18日(日)19:00 〇FC東京 2-0 京 都(H・国 立

第31節 10月01日(土)15:00 FC東京✕鹿 島(A・カシマ
第32節 10月08日(土)15:00 FC東京✕湘 南(H・味スタ
第25節 10月12日(水)19:00 FC東京✕C大阪H・味スタ※代替
第33節 10月29日(土)15:00 FC東京✕名古屋(A・豊田ス
第34節 11月05日(土)14:00 FC東京✕川 崎(H・味スタ

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