リーグ戦では2004年以来勝利がない浦和との一戦。結果は、ともにそれぞれの持ち味を出し合いながら、1対1のドローで勝点1ずつを分け合った。
試合が動いたのは90分まであと僅かという時間だった。守備を固めてカウンターを狙う浦和が東京陣内へ畳み掛けると、右サイドからエリア内へ柏木がドリブルで突入、混戦の中でマルシオ・リシャルデスが右から鋭いシュートを決めて先制する。
だが、東京もすかさず反撃。石川が仕掛けてCKを得ると、それを石川が右コーナーからGKから逃げるようなボールを蹴り込む。それに森重が高い打点で合わせて、同点ゴールを決める。残りのロスタイム、ともに攻め合ったが、あと一歩というところで決めきれずにドローで終わった。
両監督や選手たちからのコメントを読むと、おおむね質の高いゲームだったとの声が多い。浦和もペトロヴィッチ監督になって脅威となるカウンターを武器にしたチームへと変貌しつつある。東京もポポヴィッチ監督が目指すサッカーを常に体現しようとするチームへと成長しつつある。そういう意味では、ともに成長過程のチーム同士が、それぞれの持ち味を出し、相手にはそれを出させないようにした試合だったのかもしれない。
ただ、一つ言っておきたいのは、東京としては同点で終えたとはいえ、先制されたという事実。広島、清水、そして浦和……同じようなスタイルのチームに無失点で終えられないという結果は残った。これをどう考えるか。いい試合、面白いゲーム……それはそれで素晴らしい。だが、高みを目指すためには、特定の弱点、苦手分野や意識を持たないことが大切だ。
Jリーグは一旦中断期に入るが、ACLもあり休む暇はあまりない。そんななかで、どのように心身ともにリフレッシュし、準備を整えるか。期待を寄せながら、次の試合を楽しみにしたい。
◇◇◇
<J1 第13節>
2012/05/26 味の素スタジアム
FC東京 1(0-0、1-1)1 浦和
【得点】
(東):森重(90+1分)
(浦):マルシオ・リシャルデス(88分)
観衆:33,836人
天候:曇、弱風
気温:20.0度
≪MEMBER≫
GK 20 権田修一
DF 30 チャン・ヒョンス → FW 23 林容平
DF 02 徳永悠平
DF 03 森重真人
DF 33 椋原健太
MF 04 高橋秀人
MF 08 長谷川アーリアジャスール
MF 49 ルーカス
MF 10 梶山陽平 → DF 05 加賀健一(90+4分)
MF 18 石川直宏
FW 11 渡邉千真 → MF 39 谷澤達也(85分)
GK 01 塩田仁史
DF 14 中村北斗
MF 07 米本拓司
MF 17 河野広貴
監督 ランコ・ポポヴィッチ
◇◇◇