*** june typhoon tokyo ***

ホーム開幕戦を控えて、FC東京ゴール裏への議論が白熱している模様



 今週の土曜、3月14日にホーム開幕戦を迎えるFC東京だが、その直前にゴール裏を引率する植田朝日が次のような“呟き”をTwitterで発信して、ちょっとした物議を醸しているという。

植田朝日(ASAHI UEDA) @ASAHIMAN2010
いえ〜い、勝った訳じゃないが、手応えのあるシーズンスタートっす!w そして、戦う気のある奴は来週、ゴール裏ド真ん中集合。応援してない奴を追い出しちゃえ!(笑)#tokyo12


 このツイートに対し、同じFC東京サポーターから“排他的ではないか”“そう言いたい気持ちはわかる”など賛否が挙がっているようだ。
 個人的には、植田朝日が選民思想的に発言したとか本気で追い出そうと考えているとは思わない。ゴール裏の雰囲気としていま一つ盛り上がりに欠けているという現状を打破したいという思いから、前述のような発言をしたのだと解釈している。

 だが、問題なのは、この物言いとこれを発言するまでに至る姿勢だ。おそらく推測するに、「戦う気のある奴は来週、ゴール裏ド真ん中集合」というのは、ゴール裏中心にいる意味をもっと考えてくれないとという叱咤なのだろうが、それはこれまでゴール裏中心に集まって顔見知りとなった“内輪”周辺へ向けての言葉なのだろうと。仮にこれをFC東京を応援しているすべての人へ向けて発信したのだとしたら、それはもう馬鹿さ加減もこの上ないこと。人それぞれさまざまな想いを抱いて応援しているサポーターやファンを少なからずコールなどで統率する人間としては思慮が足りなすぎる。
 彼の性格的なところから考えて、賛否起こるようなものの言い方をして注目させるというのは、予め想定していることだろう。こういう現状を知ってもらわなければならないのだから、良くも悪くも話題にさせることが大事だろうと。
 だが、そこへ大きく欠けているのは、その姿勢とタイミングだ。ゴール裏を変えていかなければならないという趣旨はあるにせよ、そのゴール裏中心へ投げかけるのであれば、まずは自省から始めなければならないし、そう汲み取ってもらえる言い方をしなければと思う。その姿勢が見えないから、“自分たちは好き勝手やって、盛り上がらないのを責任転嫁するのか”といったような受け取られ方もされるのではないか。この真意には全く関係ないながらも、これまでのゴール裏の(ゴール裏中心以外から見た視点での)“空気の読めなさ”を実感してきているFC東京サポーターならば、“またか”と思われても仕方がない。

 古株と新規ファンという構図はサッカーに限らず、さまざまなところで起こりうることではある。古くから応援している者の意見がすなわち尊重されるということではなくて、古くから応援している者たちが新しい人たちを巻き込み、まとめあげていきながら時代を重ねていって初めてリスペクトが生まれる訳で、その意識と手段を間違ってしまうと大きな誤解や温度差を生み出すことになってしまう。何から何まで頭を下げて乞うことではもちろんないが、多くを“周囲”の意志に委ねるように捉えられてしまう発言を、ある一定の影響力がある人物がしてしまうというのも如何なものかということだ。それが外へ伝わっていく過程で、“ゴール裏は俺たちのもの、俺たちは特別な存在みたいなのが嫌だ”とか“内輪ネタが過ぎる”とか“自分たちについてこないからといって、他にお前ら気合が足りないって言うとか”というような批判を買うのだと思う。要するに、リーダーとしての発言として稚拙だということだ。それゆえ、彼の心底にある東京を盛り上げないとという真意が周囲には伝わらないのだろう。ただ、応援をリードしている立場が発する言葉や態度として、求心力という意味では決定的な欠陥を持ってしまっているという事実は避けられない。

 ゴール裏中心部もゴール裏もバックスタンドもメインスタンドもどこからも自然と声が上がり声援や歓声、時には叱咤で選手たちを鼓舞する雰囲気へと繋げていくのが理想だが、その軸となり感化させる大元のゴール裏のリーダーが中心部以外にもその意図が伝わる姿勢や言葉を発するように努めなければ、“自己満足”や“身勝手”と思われても致し方がない。その点を意識していない(あるいは意識していても出来ていない)ところが、ゴール裏中心が“内輪”と見做されているところでもある。そこに気づき、自身たちから変革していくという態度が示せないと、ゴール裏中心とそれ以外の温度差や乖離は存在したままになってしまうだろう。だから、「戦う気のある奴は来週、ゴール裏ド真ん中集合。応援してない奴を追い出しちゃえ!(笑)」と“(笑)”付きで言ったところで、“ド真ん中集合って言いながら、席を潰してまで〈ベロの旗〉で覆っているその矛盾に気づけよ”みたいな言われ方もされるのだ。彼の発言は恣意的なことも含め、煽るような言動(と周囲にとられそうなことを)を言い放っておきながら、矛先が自らに向いてその意図を問われたり、反論・批判が大きくなると“周りが何を言おうと関係ない”という姿勢を示してしまうきらいがあるのも、如何なものかと感じる。

 まとめると、意見としては理解出来るが、その行動や態度に説得力がないため誤解や拒否を生むといったところ。これまでのミスリードなどに対して反省というより、他人任せや責任転嫁といった姿勢を取ってきたのでは? と認識する人も少なくないことも、この発言が話題となってしまうことの一つだろう。しかも、それがアウェイでのG大阪との初戦で劇的な同点で終え、さあ次はホーム開幕戦だというタイミングで出されたものだから、厄介なことになってしまった。

 ゴール裏はもちろん、これまで以上に(フィールド上で戦っている選手たちやスタッフ・関係者などに向けて)後押しするように盛り上げていかなければ優勝へは近づけないというのは、異論がないはずだ。ゴール裏中心のリーダーたちには、折角の“熱”が中心部ばかりか周囲まで白けさせることにならないよう、まずは言葉以上に態度で示してもらえればと願う。

◇◇◇

 ちなみに、自分は以前はゴール裏で応援していたことがあるものの、応援団(の一部だと思いたい)のあまりの身勝手な言動が続いたことがあり、それに辟易してからは、ほとんどゴール裏へは陣取らなくなったという経緯があるので、ゴール裏の雰囲気を全く知らない訳ではないですが、近年は“外”からゴール裏を見ることが多くなっています。




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