*** june typhoon tokyo ***

FC東京 vs 富士大学 @味スタ【天皇杯】

 富士大学の挑戦を跳ね返し、天皇杯初戦を無事に勝利。

 イレギュラーな選出で参加除外となった2020年を除き、2017年から下位カテゴリーに敗れる、いわゆるジャイアントキリングを喰らい続けているFC東京。特に昨2021年は初戦となる2回戦でブラジリアントリオも出場しながら順天堂大学に逆転負けを喫し、不甲斐なさを露呈した。2022年の初戦は、岩手県代表として勝ち上がってきた富士大学。FC東京としては2年連続で大学に敗戦する最悪の結末は絶対に避けたいところ。その想いが強く出たか、アルベル監督はほぼベストメンバーに近い選手を先発にセレクト。異なるのはGK波多野と、1トップに入った山下くらいか。アンカーには東慶悟を起用。先日の鹿島戦でリーグ味スタラストマッチとなった小川が左SBでスタメン入り。これが文字通りの味スタラストマッチとなった。
 富士大学は上武大学(群馬県代表)を1対0で降して、この2回戦へ進出。上武大学戦と同様のメンバーが先発。FC東京の安部柊斗と同様にMF登録で、漢字1字だけが異なる阿部柊斗(読みは同じ)が選手紹介の際にアナウンスされると、FC東京サポーターから拍手も起こった。

 序盤はボールは持つものの、チグハグな攻撃が続いたFC東京。富士大学の積極的なプレスとハードワークの前になかなかリズムを創り出すことが出来なかった。最終ラインからのビルドアップの際に塞がれることが多く、右SBの中村帆高がボールを奪われかけるシーンも少なくなかった。選手との距離もコンパクトにならず、たびたび相手にミスパスする場面も。それでもボールを奪われてからの素早い対応や、当たり負けないディフェンスでボールを奪い返し、富士大学の決定機までには至らせない。
 攻撃では、前線の山下には何度かチャンスボールが通ったが、今季ゴールがないゆえ気負ったか、思い切りの良さが見られず。素早いパス回しが難しくなると、前線へのロングフィードが増えたが、山下は有効なパフォーマンスをなかなか見せることは出来なかった。

 前半でスコアレスドローで終わったのなら、FC東京にも焦りが生まれ始めただろうが、この日攻撃の主力となったアダイウトンが左サイドを何度も突破していくと、得点機が到来。36分にアダイウトンのグラウンダーのパスがゴール前へ流れ、富士大学DFが収めようとしたところへ中村帆高がスライディングでボールを残すと、そのボールを渡邊凌磨がGK福山智仁に当てながらもゴールマウスへねじ込みFC東京が先制。これで精神的に楽になったFC東京は、アダイウトンが再度ペナルティエリア内へ仕掛けていくと、富士大学DF陣がたまらずファールをしてしまい、PKを獲得。アダイウトンが冷静にPKを決めて、前半で2対0でリードした。

 こうなると、だいぶ気持ちの余裕が出来て、後半はより攻撃の回数も増えていくが、ラストショットが決まらない。シュートを打てる場面で打ち切れず、またラストパスが送れるところを強引に狙って相手DFに弾かれるなど、トドメの3点目が奪えないでいると、富士大学は何度かゴール前にグラウンダーのクロスを入れ、ゴール前で誰かが触れれば得点もという場面を作った。
  
 それでも最後は地力の差で、FC東京が富士大学にボールを与えず、アディショナルタイム3分も危なげなく、富士大学陣内へ攻め込んでタイムアップ。後半無得点なのは小さくない課題だが、まずは今季天皇杯の初戦を無失点で終えたことは良かった。富士大学は飛び抜けたパフォーマンスをする選手はいなかったが、怖がらずに前から仕掛け、ハードワークを続ける姿は好感。前半で2失点し、実力を出し切れたとは言い難いが、それでも小気味よい攻めは、調子に乗らせると厄介な雰囲気も垣間見せていた。

 次は2週間後、J2・長崎との一戦が控える。会場が長崎のホーム・トランスコスモススタジアム長崎となる。本日の試合で散見されたミスパスや連係の悪さが続くと、カテゴリー上位になるほど“許してはくれない”致命傷になりかねない。現段階ではメンバー構成も不明だが、序盤から積極果敢にゴールを狙えるパフォーマンスを繰り広げないと、足をすくわれる。相手のポテンシャルに合わせずに、ギアを上げて挑みたい。
 
◇◇◇

【天皇杯 2回戦】
2022年6月8日(水)19:00試合開始 味の素スタジアム
入場者数 3,276人
天候 曇り / 気温 19℃ / 湿度 67%
主審 榎本一慶 / 副審 大川直也、梅田智起
第4の審判員 関根 司

 FC東京 2(2-0 / 0-0)0 富士大  

得点:
(東)渡邊凌磨(36分)、アダイウトン(43分、PK)
(富)

〈試合経過〉
36分 得点 東京 渡邊凌磨
43分 得点 東京 アダイウトン(PK)
46分 交代 東京 永井謙佑 → 梶浦勇輝
57分 交代 富士 千葉 希 → 佐藤大雅 / 稲田哲兵 → 木村海渡
61分 交代 東京 小川諒也 → バングーナガンデ佳史扶 / 山下敬大 → 紺野和也
76分 交代 富士 阿部柊斗 → 菊池翔瑛 / 白根澤樹 → 芝西大希
80分 交代 東京 渡邊凌磨 → 安田虎士朗
82分 交代 富士 金野泰治 → 佐藤健美

◇◇◇

【FC東京】
≪スターティングメンバー≫
GK 13 波多野豪
DF 03 森重真人
DF 06 小川諒也  → バングーナガンデ佳史扶(61分)
DF 30 木本恭生
DF 37 中村帆高
MF 10 東 慶悟
MF 23 渡邊凌磨  → 安田虎士朗(80分)
MF 31 安部柊斗
FW 11 永井謙佑  → 梶浦勇輝(46分)
FW 15 アダイウトン
FW 19 山下敬大  → 紺野和也(61分)

≪サブスティテューション≫
GK 01 児玉 剛
DF 29 岡崎 慎
DF 49 バングーナガンデ佳史扶
MF 16 青木拓矢
MF 43 梶浦勇輝
MF 45 安田虎士朗
FW 17 紺野和也

≪監督≫
アルベル


◇◇◇



◇◇◇

【天皇杯 JFA 第102回全日本サッカー選手権大会】
2回戦 06月08日(水)19:00 〇FC東京 2-1 富士大学(味スタ)

3回戦 06月22日(水)00:00 FC東京✕長 崎(トラスタ)
4回戦 07月13日(水)00:00 (FC東京・長 崎)✕(福 岡・岩 手)
準々決 09月07日(水)00:00
準決勝 10月05日(水)00:00
決 勝 10月16日(日)00:00 (日産ス)

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