緊張感が続いた90分は、両者ともネット揺らせずのスコアレスドロー。
ACL出場クラブとの3連戦の第3戦は、FC東京のホーム・味の素スタジアムに迎えての浦和戦。4月上旬ながら25度を超える暑さで、消耗も激しいなか、最後まで緊張感のある展開が続いたが、両者ともネットを揺らすことが出来ず。FC東京は連勝ならず、浦和も負けはしないものの連続引き分けを3に伸ばすに留まり、痛み分けに終わった。
FC東京は松木が出場停止明けで即先発へ復帰。CBは森重とエンリケ・トレヴィザンのコンビに。前線は左から永井、ディエゴ・オリヴェイラ、紺野の3枚を揃え、アダイウトンはベンチスタート。一方、浦和は両SBの先発に酒井宏樹と明本が先発復帰。中盤には小泉と柴戸が名を連ねた。新加入のFWアレックス・シャルクもベンチ入り。
序盤から共に縦に速い攻撃を仕掛けるが、アタッキングサード以降の精度の欠いてゴールを奪えない流れ。FC東京は永井、ディエゴ・オリヴェイラの前線からのプレスで浦和の攻撃のリズムを容易に作らせず。一方、浦和も江坂や小泉が精力的に動き、ボールを奪い返してボールを握っていく。
浦和は22分、柴戸のシュートがミスキックとなったところを、キャスパー・ユンカーが繋いで、右から走り込んできたダヴィド・モーベルグがシュートを決めたが、酒井の位置がオフサイドで得点ならず。FC東京は命拾いした形に。33分にはペナルティエリア左から小泉がファーへクロスを送ると、酒井がヘディングシュート。シュートは枠内だったが、森重がブロック。そのこぼれ球に江坂がバイシクルでゴールを狙うも、これは枠を捉えられず。42分にもエリア内で江坂からのパスを受けたキャスパー・ユンカーがシュートを放つも、決まらず。浦和は得点の匂いがしながらも、決め切れないままで前半を終えた。
粘り強く守りながらも、やや浦和に主導権を握られているFC東京は、後半から紺野をアダイウトンにスイッチし、左サイドからの攻撃の活性化を狙う。アダイウトンと永井を中心にサイドでボールを運んでいきながら、チャンスを窺うFC東京だが、なかなか決定機は生まれない。一方の浦和もボールを保持する時間はありながらも、シュートへ至る回数が増えないまま。
FC東京は松木を中村帆高に、浦和はダヴィド・モーベルグを松尾にスイッチ。FC東京は後半当初からアダイウトン、浦和は松尾のドリブルでエリアへと侵入を試みていくシーンが増えていく。FC東京は布陣を代えて攻勢を仕掛けたいところだったが、中村帆高投入後にトップ下へ入っていた渡邊凌磨が松尾と接触して、三田との負傷交代を余儀なくされてしまう。
その影響か、終盤にかけては終始浦和のペースで試合が展開。FC東京は森重、エンリケ・トレヴィザンのCBコンビを中心にゴール前でボールを弾き返し、最後のところで思うようにさせない粘り強い守備で耐え凌ぐ。それでも、FC東京は守備からのカウンターを中心に、何度か浦和陣内へ進出。83分にはアダイウトンがゴールを狙うが、浦和・GK西川がセーヴ。さらに86分にはドリブルで左サイド奥に侵入したアダイウトンのファーへのクロスを山下がヘディングするも阻まれ、そのこぼれ球に再度山下がシュートを試みるもバーの上へと外してしまう。
すると、今度は浦和に絶好機。松尾のゴール前へのクロスをFC東京・GKヤクブ・スウォビィクがパンチングでクリアするも、このこぼれ球を浦和が回収。ペナルティエリア中央のキャスパー・ユンカーへ絶好のボールが渡るも、キャスパー・ユンカーのシュートは左に外れ、浦和側からは落胆の声が響いた。
5分のアディショナルタイムも、浦和がボールを握るものの、FC東京は組織的な守備を駆使して、浦和の攻撃を早い段階で阻止。暑さによる疲労も重なり、互いにシュートに持ち込めずにタイムアップとなった。
ボールを握られたFC東京だったが、前線からのプレスとそこからの連動したパス交換からの攻撃打開というテーマを遂行しようとする意図はみられたが、連係での細かい部分での精度がもう一つだったゆえ、思ったほどの攻撃の推進力を生み出せなかった。浦和クラスの相手に対してとなると、その精度やズレを最小限にしていく作業を重ねていかないと、自身のペースへ持ち込むのは難しいようだ。そのあたりは当初より見越していた部分でもあり、今がまさに“発展途上”ということの表われでもあった。
浦和はここ2試合勝ち切れない試合が続いていたとは感じさせなかったが、やはり最後の決定力というところか。チームの成熟度を考えれば、FC東京にとっては根気強く守った結果勝ち取った勝ち点1だが、浦和にとっては、絶好機を決め切っていればというやや後悔が残る勝ち点1という印象になるのかもしれない。
これでACL出場クラブとの3連戦は、1勝1分1敗の勝ち点4という結果に。もちろん諸手を挙げては喜べないが、及第点以上とはいえる。試合消化が他より少ない(ALC組とは3試合の差)なかで、勝ち点13(4勝1分2敗)の5位はなかなか上々のスタートだ。次はミッドウィークにルヴァンカップ、週末土曜にアウェイ札幌戦と中2日の日程が続く。疲労も蓄積されるなかで、現レギュラー以外のチームの底上げとなる面々が奮起出来るかも重要なポイントと言えそうだ。
◇◇◇
【明治安田生命J1リーグ 第08節】
2022年4月10日(日)14:03試合開始 味の素スタジアム
入場者数 22,429人
天候 晴 / 気温 25.6℃ / 湿度 29%
主審 御厨貴文 / 副審 中野 卓、田中利幸
第4の審判員 堀越雅弘
VAR 中村 太 / AVAR 渡辺康太
FC東京 0(0-0 / 0-0)0 浦 和
得点:
(東)
(浦)
〈試合経過〉
32分 警告 東京 永井謙佑
46分* 交代 東京 紺野和也 → アダイウトン
64分 交代 東京 松木玖生 → 中村帆高
64分 交代 浦和 ダヴィド・モーベルグ → 松尾佑介
74分 交代 東京 渡邊凌磨 → 三田啓貴
81分 交代 東京 永井謙佑 → 山下敬大
81分 交代 浦和 小泉佳穂 → アレックス・シャルク
◇◇◇
【FC東京】
≪スターティングメンバー≫
GK 24 ヤクブ・スウォビィク
DF 23 渡邊凌磨 → 三田啓貴(74分)
DF 03 森重真人
DF 50 エンリケ・トレヴィザン
DF 05 長友佑都
MF 16 青木拓矢
MF 31 安部柊斗
MF 44 松木玖生 → 中村帆高(64分)
FW 17 紺野和也 → アダイウトン(46分*)
FW 09 ディエゴ・オリヴェイラ
FW 11 永井謙佑 → 山下敬大(81分)
≪サブスティテューション≫
GK 13 波多野豪
DF 37 中村帆高
DF 06 小川諒也
MF 10 東 慶悟
MF 07 三田啓貴
FW 15 アダイウトン
FW 19 山下敬大
≪監督≫
アルベル
◇◇◇
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【FC東京 2022シーズンスケジュール・J1リーグ】
第01節 02月18日(金)19:00 ✕FC東京 0-1 川 崎(A・等々力)
第02節 02月26日(土)15:00 FC東京✕名古屋(H・味スタ) ※中止
第03節 03月06日(日)16:00 〇FC東京 1-0 C大阪(A・ヨドコウ)
第04節 03月12日(土)15:00 〇FC東京 2-1 広 島(H・味スタ)
第05節 03月19日(土)14:00 〇FC東京 1-0 京 都(A・サンガS)
第06節 04月02日(土)19:00 ✕FC東京 1-2 横浜FM(A・日産ス)
第07節 04月06日(水)19:00 〇FC東京 3-1 神 戸(H・味スタ)
第08節 04月10日(日)14:00 △FC東京 0-0 浦 和(H・味スタ)
第09節 04月16日(土)13:00 FC東京✕札 幌(A・札幌ド)
第02節 04月20日(水)19:00 FC東京✕名古屋(H・味スタ)※代替
第10節 04月29日(金)19:00 FC東京✕G大阪(H・国 立)
第11節 05月03日(火)17:00 FC東京✕福 岡(A・ベススタ)
第12節 05月08日(日)15:00 FC東京✕鳥 栖(H・味スタ)
第13節 05月14日(土)14:00 FC東京✕磐 田(A・ヤマハ)
第14節 05月21日(土)15:00 FC東京✕ 柏 (H・味スタ)
第15節 05月25日(水)19:00 FC東京✕清 水(A・アイスタ)
第16節 05月29日(日)15:00 FC東京✕鹿 島(H・味スタ)
第17節 06月18日(土)18:00 FC東京✕湘 南(A・レモンS)
第18節 06月26日(日)19:00 FC東京✕鳥 栖(A・駅スタ)
第19節 07月02日(土)18:00 FC東京✕福 岡(H・味スタ)
第20節 07月06日(水)19:00 FC東京✕札 幌(H・味スタ)
第21節 07月10日(日)19:00 FC東京✕浦 和(A・埼 玉)
第22節 07月17日(日)18:00 FC東京✕磐 田(H・味スタ)
第23節 07月30日(土)19:00 FC東京✕広 島(A・Eスタ)
第24節 08月07日(日)18:00 FC東京✕清 水(H・味スタ)
第25節 08月13日(土)19:00 FC東京✕C大阪(H・味スタ)
第27節 08月27日(土)19:00 FC東京✕ 柏 (A・三協F柏)
第28節 09月03日(土)・04日(日) FC東京✕横浜FM(H・味スタ)
第29節 09月10日(土)・11日(日) FC東京✕G大阪(A・パナスタ)
第26節 09月14日(水) FC東京✕神 戸(A・ノエスタ)※
第30節 09月17日(土)・18日(日) FC東京✕京 都(H・国 立)
第31節 10月01日(土)・02日(日) FC東京✕鹿 島(A・カシマ)
第32節 10月08日(土) FC東京✕湘 南(H・味スタ)
第33節 10月29日(土) FC東京✕名古屋(A・豊田ス)
第34節 11月05日(土) FC東京✕川 崎(H・味スタ)
※神戸がACLにおいてGS敗退の場合、8月20日(土)19:00に変更の可能性あり
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