ターンオーヴァーで挑むも、前節勝利の湘南に返り討ち。
ルヴァンカップの前節で湘南を降しているFC東京は、17歳の東廉太をCBに配して岡崎とコンビを組ませ、SBは小川と鈴木、中盤に品田、前に高萩と、若手や先発レギュラーではない選手を起用したターンオーヴァーで臨む。ベンチには怪我から復帰したバングーナガンデ佳史扶や、これがプロデビューとなる熊田直紀も名を連ねた。リーグ戦未勝利の湘南は、ルヴァンカップでは好調を維持。前節に先発を外れた山本、石原、田中、タリク、ウェリントン、町野が入るレギュラークラスでFC東京を迎え撃った。
FC東京のアルベル監督は、ルヴァンカップを選手の成長や底上げへのトライの場として割り切って考えているからか、リーグで出場時間が少ない選手へのチャンスの機会を作るべく、若手を中心に大胆なラインナップで挑んだ。試合前はどれだけの成長やレギュラー陣を脅かすパフォーマンスを見せてくれるのかという期待を抱いていたサポーターも少なくなかっただろうが、蓋を開けてみると、湘南に終始ボールを持たれ、中盤と最終ラインの間に出来たスペースを埋められずに受け身となってしまい、アタッキングサードへと攻め込まれることが頻発。組みなれたメンバーではないゆえ、連係も良くなく、繋ぎの部分で精度を欠き、パスミスも多発。なかなかペナルティエリア付近に侵入してシュートという場面を作れない。湘南は杉岡や池田がクロスを供給し、ウェリントン、町野、タリクといった前線を中心に押し込む時間が続き、37分に高橋、町野と繋げたパスを受けた池田が、DFをキックフェイントでかわしてシュート。これがゴールの左隅に決まって、湘南が先制。中盤での奪われ方が良くなかったが、シュートは見事なゴラッソで、これは池田を褒めるべきところだろう。
なかなか明確な意図を持ったパフォーマンスが表現出来ないFC東京だったが、後半序盤の50分に三田のショートコーナーから一度湘南に奪われたボールを獲り返すと、三田がエリアへと進出。右サイドから駆け上がってきた鈴木にスルーパスを出すと、鈴木が右サイド奥からマイナスのグラウンダーのクロスを送ったところへ中央へ駆け込んだ小川がダイレクトシュートでネットを揺らし、FC東京が同点に追いつく。
そのまま一気呵成に攻めたかったFC東京だが、55分にゴールした小川と紺野を下げ、66分に高萩を下げると、湘南は65分にタリクを山田に、ゴールした池田を瀬川へとタレントを投入。FC東京へ傾きかけた流れを一気に引き戻してペースを握ると、72分にペナルティエリアでの山田のシュートが東慶悟の手に当たり、PKを獲得。町野がGK波多野の逆を突く冷静なシュートを決めて、湘南が勝ち越しに成功した。
反撃に出たいFC東京だったが、湘南は運動量を落とさぬよう、町野を大橋に、高橋を大岩へとスイッチしてリスク管理を徹底。チグハグな連係が続くFC東京は、中盤でのボールロストが減らず、奪われてからゴール前へと攻める湘南の圧にズルズルとディフェンスラインが下がる一方。これ以上の失点はなかったが、湘南陣内へ容易に攻め込むことが出来ずに、タイムアップ。終わってみれば、シュート数は湘南の20本に対し、FC東京が6本と、良さを見出せず、消化不良となる内容に終始してしまった。
湘南はFC東京へのリヴェンジを果たし、勝ち点を9に伸ばしてグループ首位通過の可能性を高めた。FC東京は、ルヴァンカップではリーグとは対照的に1勝1分2敗と勝ち点4のまま。ターンオーヴァーしているとはいえ、安易にタイトルやグループステージ突破を捨てることは出来ない。若手とリーグ戦先発外選手の立ち位置が明らかになり、まだまだレギュラークラスへの底上げには足らないことも露呈してしまったが、次節の磐田戦、グループステージ最終節の福岡戦には泥臭くがむしゃらに奮闘する姿と結果を出してもらいたい。
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【JリーグYBCルヴァンカップ グループステージ 第04節】
2022年4月13日(水)19:03試合開始 レモンガススタジアム平塚
入場者数 3,920人
天候 晴 / 気温 22.1℃ / 湿度 67%
主審 先立圭吾 / 副審 五十嵐泰之、竹田明弘
第4の審判員 蒲澤淳一
湘 南 2(1-0 / 1-1)1 FC東京
得点:
(湘)池田昌生(37分)、町野修斗(73分、PK)
(東)小川諒也(50分)
〈試合経過〉
37分 得点 湘南 池田昌生
50分 得点 東京 小川諒也
55分 交代 東京 紺野和也 → 梶浦勇輝 /小川諒也 → 中村帆高
65分 交代 湘南 タリク → 山田直輝 / 池田昌生 → 瀬川祐輔
66分 交代 東京 高萩洋次郎 → 平川 怜
72分 警告 東京 東 慶悟
73分 得点 湘南 町野修斗(PK)
78分 交代 湘南 町野修斗 → 大橋祐紀 / 高橋 諒 → 大岩一貴
78分 交代 東京 品田愛斗 → バングーナガンデ佳史扶 / 山下敬大 → 熊田直紀
89分 交代 ウェリントン → 鈴木章斗
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【FC東京】
≪スターティングメンバー≫
GK 13 波多野豪
DF 28 鈴木準弥
DF 29 岡崎 慎
DF 42 東 廉太
DF 06 小川諒也 → 中村帆高(55分)
MF 07 三田啓貴
MF 18 品田愛斗 → バングーナガンデ佳史扶(78分)
MF 10 東 慶悟
FW 08 高萩洋次郎 → 平川 怜(66分)
FW 19 山下敬大 → 熊田直紀(78分)
FW 17 紺野和也 → 梶浦勇輝(55分)
≪サブスティテューション≫
GK 01 児玉 剛
DF 25 蓮川壮大
DF 37 中村帆高
DF 49 バングーナガンデ佳史扶
MF 40 平川 怜
MF 43 梶浦勇輝
FW 52 熊田直紀
≪監督≫
アルベル
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【FC東京 2022シーズンスケジュール・JリーグYBCルヴァンカップ】
《Dグループ》
第01節 02月23日(水)15:00 FC東京(中止)磐 田(H・味スタ)
第02節 03月02日(水)19:00 ✕FC東京 0-1 福 岡(A・ベススタ)
第01節 03月15日(火)19:00 △FC東京 0-0 磐 田(H・味スタ)〈代替開催〉
第03節 03月26日(土)15:00 〇FC東京 2-1 湘 南(H・味スタ)
第04節 04月13日(水)19:00 ✕FC東京 1-2 湘 南(A・レモンS)
第05節 04月23日(土)15:00 FC東京✕磐 田(A・ヤマハ)
第06節 05月18日(水)19:00 FC東京✕福 岡(H・味スタ)
【Dグループ順位表】
1位 湘 南 9/4/3/0/1/7/4/3
2位 福 岡 6/4/2/0/2/4/5/-1
3位 FC東京 4/4/1/1/2/3/4/-1
3位 磐 田 4/4/1/1/2/2/3/-1
※(勝点/試合数/勝/分/負/得点/失点/得失点差)
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