jump in the box

この小さな箱の中で飛んだり跳ねたりしてみます(笑)

価値ある5位

2004年04月05日 | スポーツ
バーレーンのインターナショナルサーキットは
まるで手抜きのCGのような印象。

周囲は砂だらけでコース上の賑わいと正反対のの真っ白な背景
今まで見たこともないその光景に少しばかり違和感を覚えながらも
テレビの前に座り佐藤琢磨の走りを追いかけた。

イギリスF3チャンピオン、マカオGP優勝
彼の戦歴は他のどのドライバーにも劣ることはなく
実力もそれを裏切るものではないと思うのだが
それでもHONDAの後押しがなければF1で戦えないところに
このスポーツの歴史と政治が見え隠れする。

悔しいけれどこれがF1の現実であって
琢磨がイギリスでチャンピオンとなった同じ年に
福田良はフランスで、金石年弘はドイツでそれぞれF3チャンピオンとなった。
もちろん彼らの速さや実力はチャンピオンのものであるのだが
今のモータースポーツ界にはそれだけでは車に乗れない現実がある。

実力より政治力、スピードよりスポンサー
世界的に注目度が高く人気のあるF1というスポーツは
ヨーロッパの複雑な歴史と感情、商業化と権力抗争狭間で
本来の自動車競争とは別の次元に到達してしまったようだ。

しかしながら速い者が勝ち、勝つ者が認められる世界でもあり
それだけは昔から変わることのないこのスポーツの本質。
政治力とスポンサーでシートを掴み取ったならば
今度は結果でねじ伏せるしかない。

予選5番手からスタートした琢磨は1コーナーで4位にポジションをあげた。
ラルフシューマッハとのバトルでも一歩もひかない。
背後に迫るチームメイトには気迫を見せ付ける。

接触もあった。ミスもした。トラブルもあった。順位も落とした。
しかしそれらを全て受け入れ、挽回する力が彼にはある。
去年までその後姿すら拝む事の無かったモントーヤを強引に抜き
本気のルノーを駆るトゥルーリを押さえ込み
最後まで走りきって5位入賞を果たした。

リザルトは予選5位、決勝5位だが
それ以上に大きな意味のあるレースだったと言える。

初開催となるバーレーンインターナショナルサーキットは
全てのチーム、全てのドライバーにとって初体験であり
データ収集からコースの攻略まで全チーム同じスタートラインに並ぶ
そこでの予選5位、決勝5位は
チームとドライバーの実力が表現されたといっても過言ではないように思う。

白く乾いたサーキットでその輝きの片鱗を見せた琢磨。
次戦からはいよいよ魑魅魍魎の本拠地ヨーロッパラウンドに突入する。

初出場初優勝

2004年04月05日 | スポーツ
いやはや驚きました。
東北、明徳義塾、愛工大名電といった
古豪強豪伝統校を次々撃破して優勝旗を手にしたのは
済美高校でした。

学校自体は100年余の歴史を誇るらしいのだけれど
元は女子高で共学になったのは2年前。
ということは当然野球部創設も2年前とのこと
いやぁ、恐れ入りました。

おそらく野球留学で他の地域から入学した選手も多いだろうし
上甲監督の指導力や学校のバックアップもあってのことでしょう。
それでも幾多の高校がそうした努力をしているにもかかわらず
甲子園で優勝という最大の効果をあげられるのは1年に2校のみ。
しっかりとその栄誉を手にした彼らには大きな拍手を送りたい。

僕はごく普通の県立高校出身。
100年以上の伝統校ではあるけれど
いまだに甲子園出場の夢はかなえられていない。
甲子園常連は私立の野球名門校というありふれた地域だ。

最大のチャンスは僕が1年生の夏だった。
順調に県大会を勝ち進み
ベスト8、ベスト4の頃になると学校中が浮き足立ち
OBからも多額の寄付金が寄せられ
応援団は夏休み返上で組織され
何台もバスを連ねて応援に県営球場に行った。

決勝ではリードを奪うも追いつかれ
あと一歩のところで涙を飲んだ。

あの夏からもう20年も経とうというのに
いまだに甲子園で野球をする高校生が先輩に見える(笑)
野球留学大いに結構、有名監督を雇って甲子園を狙うのもいい。
少なくとも金や欲だけで頂点に立てるほど甘い世界ではない。

勝って歓喜し負けて目を赤く腫らす彼らの姿を見るたび
20年前の夏の悔しさがこみ上げてくる。
甲子園であの雄大で荘厳、質実剛健な校歌を歌いたかった。

勝利の女神はいつメガネくんに微笑むのか?

2004年04月02日 | スポーツ
甲子園というのは本当に恐ろしいところだ。

東北高校まさかのサヨナラ負け。
ダルビッシュくんのチームと言われるが
実は守備も打撃も非常にバランスの取れたチーム。
その最も象徴的な存在が真壁くんだろう。

昨年夏の甲子園。
彼は彗星のように現れ
僕らの心を奪って行った。

あくまでもダルビッシュくんを支える存在として
どんなピンチでも彼は投げ続けた。

決勝まで勝ち進んだのは真壁くんの力によるところが大きかった。
最後はダルビッシュくんが投げ惜しくも準優勝だったが
決して後悔は無かっただろう。

優勝候補として春の甲子園に戻ってきた。
真壁くんも一回り成長していた。
影の存在だった夏とは違い
自分も東北を支えるエースとの自覚を持って
彼は春のマウンドに立った。

今日の準々決勝、先発のマウンドを任された彼は
素晴らしいピッチングで9回2アウトを迎えた。
カウント2-0アウトコースに外すつもりだったであろう一球は
やや真ん中寄りに入って行った。

その風貌と言動で高校野球そのものを体現していた彼は
どこまで僕らの心を奪えば気が済むのか?

サヨナラホームランはレフトを守っていた
ダルビッシュくんの頭上を越えて行った。

勝利の女神は気まぐれだと言うけれど
何もそこまでしなくてもいいのに。

しかし、東北ナインにもダルビッシュくんにも後悔はないだろう。
何故なら投げていたのが真壁くんだからだ。

東北に春はまだ来ない。

危険覚悟のプログラムならばいいのだが

2004年04月01日 | スポーツ
またもやジーコ批判が噴出しそうなゲームでした。
言うまでもなく昨夜のシンガポール戦のことだ。
なのであえて僕はジーコ擁護に回ってみようかと…(笑)

ジーコジャパンがドイツで前回以上の成績を上げるためには
ヒデ、俊輔、小野、稲本、高原らの海外組が必要不可欠であることは
多くの人が納得しているであろう。

国内組も確かに力をつけているし
プレーする場所で選手を選ぶわけではないのだろうが
やはり彼らにはそれだけの実力があるからだ。
もちろん、海外組にも例外はいるんだろうけどね(笑)

さて、そんな中でのW杯予選。
いくら海外で揉まれているとはいえ
やはりW杯となるとその緊張感やプレッシャーは異質なものであるはず。
あのヒデでさえ試合後のインタビューに饒舌に熱く語るんだから。

その激しく長い予選を勝ち抜いてW杯に出るためには
チームとして成熟していなければならず
海外組を含めて長期間の合宿を組む事ができない以上
それはピッチ上で築き上げていくしかないのではないだろうか?

そうすると
ジーコの采配の意味が見えてくるような気がしてくる。
親善試合では海外組をそろえる事ができない。
しかも長期の合宿を組む事もできない。
しかし海外組の力は必要だ。

幸いにもW杯1次予選は格下相手の戦いであり
確実に勝ち点さえ積み上げれば突破できる。
で、あるならば
海外組の体調や出来不出来に関わらず
とにかく試合に出してゲームを通してチームを成熟させる。
ジーコがそう考えているとしたならばどうだろうか?

どんな条件であれ先発は海外組を出す。
すんなり勝てれば良いが
昨日のように苦戦した場合は後半に手を打つ。
選手達はピッチ上で課題を把握し
それぞれが自主性を持って考えコミュニケーションを図り
問題を解決する方法を模索していくことで
本番に向けて大人のチームを作り上げていく。

海外選手の起用という点では
ブラジルもフランスも同じ悩みを抱えているはず。
それでも勝てる大人のチームになるための階段を
ジーコが用意しているのだとしたら…

かなり危険な賭けではあるが
今の代表の実力を考えれば
かなり合理的なプランに見えてこないだろうか?

ま、
こうやって書いてる僕にも見えてこないんだけどね(笑)