もう昨年の話になるのですが、兵庫県たつの市揖保川町にある国の重要文化財「永富家」に行ってきました。永富家は17世紀以前から続く大地主であり庄屋も兼ねていました。鹿島建設元会長の生家になります。二回目の訪問です。
主屋は文政5年(1822年)の完成。昭和42年に国の重要文化財に指定されました。当家の設計図である「絵図面(文政3年)」「永富家住宅普請帳」も国の重要文化財に指定されています。
屋敷の敷地は当初は936坪あったそうです。現在の敷地面積は約807坪。今の所有者は東亜産業株式会社。管理も同じ会社になります。会社の所在地は東京都港区赤坂。たぶん鹿島建設と同じ住所のはずです。なぜかというと、明治の時代、永富敏夫の四男が東京帝大に進学、その後に外務省に入りヨーロッパに赴任、たしかドイツだと思いますが、そこに赴任中に鹿島家に見初められ養子に入り、最終的に鹿島建設の会長になった経緯があります。元会長の生家ということで、手厚く管理されています。その会長の名前は鹿島守之助(外交史研究家、法学博士、参議院議員、国務大臣、鹿島建設会長)です。
まず永富家の間取り。添付した写真と合わせてご覧ください。
主屋はこの地方で一般的な京間造り。東西13間、南北9間。面積は153坪。屋根は入母屋造本瓦葺。
一般用の大戸口。
主人用の中玄関。
領主用の玄関。
土間の梁。この材木は紀伊の国からの取り寄せらしい。天井に部屋らしきものが見えますが、女中部屋です。
土間から下座敷・中座敷・上座敷を見た風景。部屋の総面積は128坪。南側の8室が客間。
土間から中の間を見た風景。ここから北側の13部屋が家族の生活の場。
土間から"ひろしき"(下台所)、台所を見た風景。
主屋の外、北側にある井戸。別棟で左手の壁の向こうは料理部屋。
主屋の北側の状況。左が主屋、右が井戸や料理部屋、味噌蔵。
土間の面積は約25坪。
戸口から長屋門を見たところ。この左手は今は広場になっているのですが、もとは大きな納屋が並んでおり、近辺一帯の年貢米などを一括して管理する場所になっていました。ようするに農協の倉庫です。ここで一旦集めた米や作物を年貢として領主に一括して納めていたわけです。
長屋門から戸口方向を見たところ。
長屋門。この前は駐車場になっています。
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