投錨備忘録 - 暇つぶしに借りた本のメモを残すブログ

朝鮮日報 鮮于鉦(ソンウ・ジョン) 革命前夜

鮮于鉦(ソンウ・ジョン)記者、久々ではないか?

いつもどおり日本を書いて韓国を語る(批判する)内容のコラム。



【コラム】革命前夜(上)

 神奈川県横須賀市長選挙で28日、33歳の前市議が当選した。横須賀市は小泉元首相のおひざ元だが、その元首相と与野党の応援を受けた64歳の現職市長を破るという大番狂わせとなった。日本で「地方分権」を前面に押し出した30代前半の市長が当選するのは、今年に入り4回目。14日には千葉市長選で31歳の新人が当選。3月には山口県柳井市で34歳の市長、2月には三重県松阪市で33歳の市長が誕生した。


 こうした異変は、最近日本で起きている「巨大な変化」の一部に過ぎない。


 橋下徹・大阪府知事。40歳にして3男4女を持つこの一家の大黒柱抜きには、日本の近い将来は予測できない。イケメンにして巧みな話術。弁護士としてテレビの法律相談番組で人気を集めたのは韓国の現職ソウル市長と似ているが、支持率80%を基盤とする政治的爆発力は段違いだ。


 今、橋下知事が日本の政界を揺るがしている。24日に新たな政治グループの結成を宣言し、「9月前には実施が予想される衆院選で地方分権を約束する政党を支持する」と述べた。自民党の支持で当選したが、その「地方分権論」は民主党が看板公約として掲げた「官僚政治解体」に近い。橋下知事と共に地方分権論旋風を巻き起こした横浜市長も、無党派色が強い44歳だ。


 橋下知事の「地方分権論」は政権交代と絡み合い、日本の未来を引っ張っていくキーワードになりそうだ。後の歴史において、自民党政権が崩壊するという政治的異変が起これば、「中央集権時代の革命的終末」と記録されることになるかもしれない。革命前夜の日本は本質的に「自民党VS民主党」ではなく「中央VS地方」の構図により権力闘争が展開されるのだ。


東京=鮮于鉦(ソンウ・ジョン)特派員


【コラム】革命前夜(下)

 歴史的に見ると、日本は求心力よりも遠心力のほうが強い国だ。「泰平時代」と呼ばれる江戸時代(1603-1867年)でさえ、270の小国による緊張と均衡の中で保たれていた。「地方へ行けば日本が先進国だということを実感する」というが、これは260年余りの間、270の小国の大名たちが堅実に地域作りに取り組んだ「地方分権」の産物だ。


 歴史的特殊性にまで言及しなくても、多元化が進んでいる現代社会に中央集権よりも地方分権のほうがふさわしいのは、今や普遍的な常識と言えよう。政治家の欲深さ・中央の既得権に対する抵抗・地方の無気力さが、常識を受け入れる「認識の通路」を遮っているだけだ。


 日本の変化が示唆するところは多岐にわたる。海外から見れば、韓国ほど中央集権の弊害にまみれている国もないだろう。世の権力は中央政府に、中央政府の権力は大統領に偏っている。大統領が面長(面=韓国の「市・郡」より小さい行政区分)の権力まで独占しているため、地方が解決すべき問題までもすべてソウル市庁前のソウル広場で爆発する。


 核問題から小売店の許可、学習塾・習い事教室の営業時間に至るまで、大統領が頭を痛める国で意思の疎通を図ったとしても、どんな解決策が生まれるというのか。「権力を払しょくしなければ確執も払しょくできない」という分権の原理を無視したまま、「国民はおかしい」と嘆いてばかりいる。だが、おかしいのは国民ではなく、異常に大きな権力を手にしながら、何もできない中央政界全体だ。


 もし、橋下知事が韓国の知事だったら、今すぐ中央権力に向かってヒョウのように飛びかかるだろう。大統領府や与党ハンナラ党に反旗を掲げなければならないのは、一時の勢いがない左派や民主党ではなく、地方だ。地方でなければ、脳卒中寸前のソウルを救うことも、国を正常化する解決策も打ち出せない。地方が憤るべき歴史的タイミングは今、わたしたちの近くまで来ているのかもしれない。


東京=鮮于鉦(ソンウ・ジョン)特派員

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

http://www.chosunonline.com/news/20090630000054

http://www.chosunonline.com/news/20090630000055




両班というのがある。この両班には在京両班と在地両班の二種類があった。方や首都に住む者、方や地方に住む者。どちらとも自身は経済活動を一切しない地主階級で、科挙試験を受ける資格を持つ者。つまり中央思考なのだ。科挙試験を受けて合格し中央の役人を目指す。後に伝えられる両班が出来上がったのは李氏朝鮮時代だが、それ以前からずっと中央志向だったのが朝鮮半島にあった国々。おいそれとは変われはしないと思う。
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