「奇蹟の芸術都市バルセロナ」展。
同展は、2019年4月から長崎、姫路、札幌を巡回し、最後となる会場・東京ステーションギャラリーでは2020年2月8日に開幕した。
しかし、2月29日から臨時休館。その後再開することなく4月5日に会期末が到来し、閉幕となった。開催日数は僅か18日間。
5月19日付朝日新聞記事によると、「バルセロナ」展は、作品を返せない状況にあるらしい。
作品の状態を確認する所蔵館スタッフが来日できない。航空便が大幅に変更されている。仮にスペインに運べても現地の美術館が対応できない。そのため、記事の時点では東京都内の倉庫に保管されているという。それが長引けば倉庫代がかさむ。作品への保険もかけ直す必要が生じる可能性もある。主催者側には大変な損失が発生しているようである。
別のネット記事によると、同展では、2/29からの臨時休館により、入場料収入2,000万円を失った計算になるという。
「美術館としてはなんの収入もない状況」。
「誰もいない完璧な環境の展示室で日々、作品の状態を点検」「状態保持のための空調費も莫大」。
「休館が決まってからは、企画展の協賛企業や作品をお借りしている関係者への連絡、イベント予約者や前売券購入者へのお詫びと払い戻し、再開館するためのガイドライン作成などに振り回されて」いる。
「受付スタッフなどは休館中は休んでもらうほか」ない(「今のところ有給休暇のような形で給料が支払われている」とのこと)。
学芸員としての活動も、「今は美術館に併設されている美術の専門図書館も閉まっていることが多いので、調査があまり進まない状態」。
さて、同館の次の企画展は、「神田日勝 大地への筆触」展(4/18〜6/28)。楽しみにしていた展覧会である。展示準備自体は完了しているようだ。
近く開幕することを期待しているが、会期がどうなるが、どのような「新しい生活様式」対策をとるのか、気になるところである。