レオナルドの本物の作品は一枚も登場しません。
すべてコピーばかりの一種のアミューズメント系イベント。
いきなり黒柳徹子系モナリザが登場し、あっけにとられます。
さて、「今明かされる モナリザ 25の秘密」はさておき、印象に残ったのは次の3点。
1 モナリザの複製
会場の一画は、モナリザの写真がひしめいています。
「現在の姿」、「描かれた当時の姿」等、全体図、部分拡大図が、とてつもない大きさのものも含め、モナリザだらけ。
そのなかでひときわ見入ってしまうのが、「絵の裏側まで忠実に再現された実物大の複製」。
絵の裏側を見ることができるなんて、たとえ複製であっても貴重な機会。
いろんな書き込み(思いのほか少ないですが)や傷があり、その解説もありました。
もちろん、絵の表側もすばらしい。
本物は、多数の鑑賞者に囲まれながら、防弾ガラス越しに遠くから眺めるしかありません。
じっくり見ることのできるよい機会だと思いました。
2 あなたの「黄金比」度測定
私は参加していません。
ヴェネツィア、アカデミア美術館所蔵の「ウィトルウィウス的人体図」にちなむ企画。
体全体を赤外線カメラで測定し、黄金比の数値「約1.618」に近いかどうかを測定するコーナーがあります。
コートを脱ぎ、専用ベルトをして、カメラの前で「ウィトルウィウス的人体図」と同じように手を広げて、3秒間。
しばらく見てました。
たいていの人が「シルバー」。
4~5人に一人くらいの割合で「ゴールド」が出てきます。係員からは称賛(?)の言葉がかけられます。
数十人見ていたなかでただひとり「ブロンズ」の方がいました。お遊びとはいえ、ショックでしたでしょうね。
3 実物大の「最後の晩餐」
これは映像です。しかし大きい。
私も幸せなことに、実物を見たことがあるのですが、こんなに大きいのだということを今回初めて実感しました。
これ以外にもいろいろあります。
例えば、レオナルドの発明品の模型(よくわからないので私は敬遠。鎌付き戦車だけは見ました)。
例えば、絵画・スケッチの写真パネル(最近真作と判明した「美しき姫君」の高精度・実物大の写真パネル等)。
人体解剖スケッチの写真パネル(拡大サイズ)を見ていると、1995年の東京都庭園美術館のウィンザー城王立図書館所蔵の全23点からなる「レオナルド・ダ・ヴィンチ 人体解剖図」展での興奮を思い出しました。
また、同じような展覧会が開催されないかなあ。